私の場合、民事事件の尋問前のリハーサルでは、当事者の方に裁判所に来てもらい、実際の尋問を傍聴してもらうことにしている。
傍聴の前に、尋問の一般的留意事項を説明するのだが、その中に、「前(裁判官の方)を向いて話すこと」というのがある。
これは、先輩弁護士や修習時代の裁判官の話などを総合して抽出した留意事項の一つなのだが、「証言台に設置してあるマイクが音声を拾いやすいようにする」というテクニカルな理由のほかに、もっと重要な、本質的な理由がある。
先日、傍聴に先立ってこの”心得”を説明して、「例えば、自分の代理人ばかり向いて話す証人は、裁判官には『自分の発言に自信が持てない人』という風に見えかねません。」とコメントして、傍聴に臨んだ。
すると、出て来た証人は、始終、横の代理人の方ばかり向いて、「あ~、そうですね、ええと・・・」などと自信のなさそうな口ぶりで話す人物である。
しかも、この証人は、最重要と思われる質問に答える際、なぜか”鼻を触る”という仕草をしたのである。
私が見たところ、裁判官は、この証人の仕草を細かく観察していた。
おそらく、裁判官は、「この証人は信用できないな」という心証を抱いたと思う。
見落としがちかもしれないが、尋問での証言・供述においては、内容だけではなく、仕草や視線の方向、声の調子などの、内容以外の要素も非常に重要だということなのである。
極論すると、どんな内容を話していても、ウソがばれてしまうのである。
これは、海外留学を経験した人などは、non-verbal communication (非言語コミュニケーション)の重要性の一つとして、痛感しているはずなのだ。
傍聴の前に、尋問の一般的留意事項を説明するのだが、その中に、「前(裁判官の方)を向いて話すこと」というのがある。
これは、先輩弁護士や修習時代の裁判官の話などを総合して抽出した留意事項の一つなのだが、「証言台に設置してあるマイクが音声を拾いやすいようにする」というテクニカルな理由のほかに、もっと重要な、本質的な理由がある。
先日、傍聴に先立ってこの”心得”を説明して、「例えば、自分の代理人ばかり向いて話す証人は、裁判官には『自分の発言に自信が持てない人』という風に見えかねません。」とコメントして、傍聴に臨んだ。
すると、出て来た証人は、始終、横の代理人の方ばかり向いて、「あ~、そうですね、ええと・・・」などと自信のなさそうな口ぶりで話す人物である。
しかも、この証人は、最重要と思われる質問に答える際、なぜか”鼻を触る”という仕草をしたのである。
私が見たところ、裁判官は、この証人の仕草を細かく観察していた。
おそらく、裁判官は、「この証人は信用できないな」という心証を抱いたと思う。
見落としがちかもしれないが、尋問での証言・供述においては、内容だけではなく、仕草や視線の方向、声の調子などの、内容以外の要素も非常に重要だということなのである。
極論すると、どんな内容を話していても、ウソがばれてしまうのである。
これは、海外留学を経験した人などは、non-verbal communication (非言語コミュニケーション)の重要性の一つとして、痛感しているはずなのだ。