Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

両極性の活用

2022年06月27日 06時30分49秒 | Weblog
トロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団 2022年日本公演
 (トークショーでのトーリー・ドブリン(芸術監督)の発言)
『白鳥の湖』は、1950年代のロイヤルバレエ団の実際の振付で、『パキータ』は、ミハイロフスキーバレエの実際の振付です。・・・これを、実際に踊っているうちに、例えば、『パキータ』ではダンサーがドミノ倒しに倒れるような失敗が起こり、これをパロディにすることを思いついたのです。初めから意図的にパロディにしようという発想はありません。
男性がトゥー・シューズを履いてはいけないなどというルールは存在しません。・・・『バレリーナ』とは、そのバレエ団の”プリンシパル”という意味に過ぎません。
トロカデロの『パ・ドゥ・カトル』を観た後では、皆さん、『白鳥の湖』を観るたびにトロカデロのことを思い出さずにはいられないといいます。・・・クラシック・バレエを観ると、『どうして真剣に踊っているのだろう?』という疑問すら生じてくるでしょう。

 なるほど。
 軸となる振付はそのままに、踊り手を女性から男性に変えてポワントを履かせる、あるいは、正規のヴァ―ジョンではなく失敗したヴァージョンを敢えてそのまま演じる、などというやり方でパロディをつくっているというのだ。
 これは、ある意味では、「両極性」の活用ということが出来るだろう。
 こういう風にして、現実(ないし正規のヴァージョン)を相対化し、これと距離をとる、更には批判することが可能となるわけだ。
コメント
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