Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

局「内」中立

2023年01月02日 06時30分10秒 | Weblog
入門 米中経済戦争 野口 悠紀雄 著
 「米中摩擦は国家理念の対立になっているので、他国を巻き込む。日本は貿易依存度が高い上に、中国に対する依存度も高い。したがって、米中いずれかの陣営に属するという選択肢はとれない。」(p242)

 2021年11月16日の発行なので、ロシアのウクライナ侵略のことは考慮されておらず、その前提で読む必要があるが、現在でもおおむね通用すると思う。
 引用したのは著者の結論だが、要するに、日本としては、米中どちらに加担することも出来ず、かといって第三者的に「局外中立」を貫くことも無理なので、当事者でありながらも「どっちつかず」の対応をせざるを得ないようだ。
 いわば、局「内」中立である。
 ここで分かるのは、「経済安全保障」に躍起になることの無益さである。
 近年の「経済安全保障」は、結局のところ米国等による投資機会の独占・寡占化であると見る向きもある。
 これが説得的であることを示すのが、オーストラリアによる潜水艦契約破棄(潜水艦契約破棄は「裏切り」 仏が豪米を非難)である。
 これは、米国主導の「経済安全保障」の真の狙いが、実は、”アングロサクソン・グループ”による投資機会の独占・寡占化(ブロック化)にあることを示している。
 なので、あまり米国の政策に引きずられないのが賢明と考えられるが、かといって、野口先生のいわゆる「国家像」(本質は人間観)において中国側に立つことは絶対に出来ないので、ウイグルや香港の人権問題などについては徹底して抗議・批判を続けていくべきだろう。
 このような、野口先生が想定している日本の政治的スタンスを表現すると、「自由主義の立場を貫きつつ、自由の敵にも自由を与える」となりそうだ。
 但し、ウイグルや香港、さらにはウクライナのようにならないことも大事である。
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