Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

古典と現代と卒塔婆小町

2023年01月10日 06時30分09秒 | Weblog
2023 K-BALLET Opto「プラスチック」
 「『ビニール傘小町』は第1弾に続いて渡辺レイが振付・演出を担当。
ダンスは「ミシマ」を越えられるか?をテーマに、三島由紀夫「近代能楽集『卒塔婆小町』」/太田省吾「小町風伝」を原案とし、
小町の若き日の美しい思い出、思いを遂げられなかったことの呪縛、何も生み出せずただ消費するだけの人生、そして老いさばらえても生き続けなければならない哀しみ、それら全てを抉り出し見せつける。


 バレエに限らず、芸術においては、「古典(クラシック)」というものが確立しており、そこから外れると異端として抑圧されることも過去にはよくあった。
 「所与」としての古典は、そのままでは抑圧しか帰結しないから、これを換骨奪胎することが求められる。
 そこで、「現代(コンテンポラリー)」というものが登場するわけである(若い人々と抑圧スパイラル)。
 K-BALLET Opto は、まさにそのような試みであるが、振付家の渡辺レイさんが「卒塔婆小町」を題材に選択したところが興味深い。
 「卒塔婆小町」に出て来る詩人は、「喪失恐怖症」にとらわれている、いわば「古典」至上主義者である。
 小町も、かつての美貌は見る影もなく、今は老醜をさらす、過去(古典)に生きる人物である。
 ということは、「卒塔婆小町」の設定を利用して、「古典」と「現代」の相克を描くことが出来るのである。
 ただ、私見では、いろいろなジャンルの音楽(ラフマニノフから伊勢崎町ブルースまで)を使用したために、「盛り合わせ」の感じが強まってしまった。
 全くの素人考えだが、音楽を厳選して20分くらいにまとめると、もっと引き締まった演目になるのではないだろうか?
 

コメント
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