Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

医学部信仰

2023年01月19日 06時30分18秒 | Weblog
医療貧国ニッポン 「より手厚く、より安く」が国を滅ぼす
 「以前だったら理学部や工学部を目指したであろう優秀な理系学生が、みんな国公立大学の医学部を受ける。・・・
 要するに、「医師になりたい」からではなくて、「成績が上位」だから医学部を受ける。学校教育における勉強の得意な人が、受験競争の勝者となるために医学部を目指すようになってしまったのです。・・・
 そもそも「医学部信仰」というのは、大人たちが抱いているものです。受験生が持っているとしたら、それは大人たちから植えつけられたもの。「医学部を狙え」といわれて勉強してきた子どもたちにとって、医学部が達成目標となっていることも多いのです。
」(p161~162)
 「ちなみに、アメリカの医学部は、大学4年を修了した後に進む学部、つまり大学院教育と位置づけられています。・・・
 大学で、自分が興味を持てる専門分野、得意とする専門分野は何かを把握したうえで、その上のステップとして医学という選択肢があるのです。逆にいうと、高校卒業程度の年齢ではまだ医師という職業を自分の将来像として真剣に捉えることはできないだろう、という前提に立っているわけです。
」(p166~167)

 中等・高等教育の問題点の一つを指摘した記述。
 だが、灘高の校長先生は、意外にも、医学部志向の余りの強さに懸念を示しているそうだ。

過熱する「医学部信仰」
 「記事ではいろいろな方がいろいろな角度で問題を提起する発言をされています。
列挙してみますと、
「頭のよい子だけを集める入試制度が問題」
「最難関の医学部合格は頭がよいことの証明になり、高校も評価される」
「模試の成績がよいから医学部という指導はやめてほしい。
 将来この生徒になら腹をさばかれてもよいと思う子に勧めてほしい」
「医師以外の理系人材のロールモデルを社会が高校生に示せていないことが
 根本的原因」
「高校生には、安定していて世間から尊敬され、報酬が高い職業が
 医師以外に見えない」

 
 私が注目するのは、最後の、「高校生には、安定していて世間から尊敬され、報酬が高い職業が医師以外に見えない」というところ。
 アメリカに倣えば「高校生ごときに職業選択は無理」という見方も出来るだろうが、高校生の眼にはこういう風にしか見えない「社会」の方にも大きな問題がありそうだ。
 
コメント
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