「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番ハ長調Op.53「ワルトシュタイン」,第14番嬰ハ短調Op.27-2「月光」,第23番へ短調Op.57「熱情」 他」
YouTubeで”悲愴”第2楽章(アダージョ・カンタービレ)を聴いて注目していたフレディ・ケンプを初めて生で聴く。
運よく最前列中央の席が確保出来た。
”悲愴”の演奏はパーフェクトといって良く、大満足である。
第2楽章の「アダージョ・カンタービレ」は、ベートーヴェンが作った最も甘美なメロディーだと思う。
なので、私は2日に1回はこれを聴いている。
私見では、最後のパッセージを「ねっとりと、名残惜しそうに」弾くのがミソである。
ここでイメージしているのは、
といったところである。
今回の公演では、まさしくそれが実践されていた。
ただ、敢えて言えば、”月光”の第3楽章や”ワルトシュタイン”の第1楽章でいくつかミスタッチがあったのは惜しいところか?
「三浦文彰×清水和音×髙木竜馬×辻󠄀井伸行 夢のようなガラ・コンサート!」
開始前に解説者が言っていたが、「2回分のコンサートが聴ける」お得な公演で、しかも運良く中央2列目の席を確保。
何と、三浦さんは最初から最後まで出ずっぱりという大活躍である。
私が驚いたのは、辻井さんがアンコールで「アダージョ・カンタービレ」を弾いたこと。
ついさっき紀尾井ホールで聴いたばかりのメロディーが、サントリーホールでも流れ始めたのである。
辻井さんらしく、メロディーをくっきりと浮き上がらせる奏法で、いい気分で聴きながら、私は、最後の30秒間に全神経を集中させた。
すると、・・・・・・。
辻井さんは、予想したよりも”駆け足”で、最後のパッセージを弾いてしまったのである。
うーん、これはちょっと・・・。