Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

不完全犯罪

2007年01月14日 09時58分27秒 | Weblog
「においは犬の血」夫切断の歌織容疑者、友人にうそ
 東京都渋谷区の外資系金融会社社員、三橋祐輔さん(30)の切断遺体が見つかった事件で、妻の歌織容疑者(32)=死体遺棄容疑で逮捕=が、殺害、切断現場の自宅マンションを犯行後に訪れた友人に「血のにおいがするなら、ペットの犬のもの。出血中でにおいがする」と窓を全開にし、応対していたことが12日、警視庁新宿署捜査本部の調べで分かった。証拠隠滅のため行った室内リフォームが、「必要ない」という業者に「いいからやって」と強引に依頼したものだったことも判明。歌織容疑者は平静を装いながらも焦りを感じ、隠蔽(いんぺい)工作を進めていたとみられる。

 バラバラ殺人犯が死体をバラバラにする理由は通常2つある。1つは犯罪の証拠を隠蔽するためであり、もう1つは強い憎しみのためである。本件と妹死体損壊事件についていえば、この2つの理由が混在しているように思われる。
 さて、この事件の被疑者は、夫を殺害後も夫の会社に給料やボーナスを振り込むよう要求したり、友人から電話で追及されても白々しいウソをついたり(しかも、「ハハハーッ」などと笑ってさえいる!)、さまざまな隠蔽工作を行っているのだが、その手口は余りにも杜撰すぎる。他方、妹死体損壊犯も「サメが死んだから臭いがするかもしれないけど、部屋を開けないで」などという稚拙極まりないウソをついている。
 はっきり言ってしまえば、頭が相当悪いように思うのである。フィクションではあるものの、「太陽がいっぱい」のリプリー(アラン・ドロン)もまた衝動的な殺人犯であるが、こんなウソはつかない(もっとも設定自体が不自然だが)。
 「犯行後の情況」は重要な情状として量刑の際に斟酌される。そうすると、死体をバラバラにしただけでなく、白々しいウソをついたり会社に給料やボーナスを振り込めと要求したりしたことは、かなり大きなポイントになるだろう。
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漢文を読もう!

2007年01月13日 11時50分47秒 | Weblog
 丸谷才一「文章読本」をほぼ半分まで読み終わる。
 最も有益な指摘は、良い文章を書くためには「名文」、なかんづく、論理構造のしっかりした「漢文」をたくさん読むということである(p301)。これは法律家にとっても重要なことであろう。なぜなら、法律家の書く文章は、第一に論理が重要だからである(司法試験の論文に至っては、構成が全てであるといってよい)。
 文章作法の模範としての、漢文は、「骨組が堅牢で、しかもそれがよく目立つように出来ている」のがポイントである。
 よし、漢文を読もう!
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ロースクールのメリット

2007年01月13日 08時44分34秒 | Weblog
 最近、ロースクールを出ていない(普通の)修習生との間で、ロースクールのメリットについて話題になった。最も大きいのは、在学中に実務科目を時間をかけて勉強できるという点だという指摘があった。だが、私見では、「実務家の勉強法」を垣間見ることができるという点が最大のメリットだと思う。
 例えば事例・判例研究。要するに、最高裁調査官解説の真似事のようなレポートを作成すること。これは、法学部のゼミでもやっていることだが、ロースクールだと、学者だけではなく裁判官や弁護士の見解も知ることができる。すると、実務家も学者と同様、あらゆる参考文献に一通り目を通してから事件に臨むことが分かる。学者と違うのは、ある特定の「立場」に立っているということ。ただし、中立的な立場にある裁判官は、客観的な結論を追求する学者に近いように思われる。
 それにしても、1つのテーマについて数十人の人の見解を調べると、その人がいかに深く(浅く)考えているかが分かってしまう。ある意味では、怖いことでもある。
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死人に口無し(その2)

2007年01月12日 20時54分35秒 | Weblog
短大生遺体切断:弁護士会見 容疑者の心境など伝える
 弁護士によると、勇貴容疑者は12月30日午後、木刀で亜澄さんの頭を殴りつけたが、その後も2人で家族や生活態度などについて1時間にわたり話し続けた。亜澄さんは事件直前の12月27日か28日に母親と夕食をめぐり激しい口論をしており、そのことも話したという。この間、勇貴容疑者は血を流して「寒い」と震える亜澄さんの肩にタオルをかけたが、「夢がないね」の一言で逆上し、タオルで首を絞めたという。

 供述が変遷している(ように思える)。この調子だと、今後も変遷し続けるかもしれない。
 まず、木刀で頭を叩く行為自体に強い殺意が認められる。その後、殺しそこなった相手と、「家族や生活態度などについて1時間にわたり話し続け」るというのもおかしい。仮に、被疑者が自己の発作的な犯行を後悔したというのであれば、なぜ救急車を呼ばないのか。
 また、殺そうと思った相手に対してタオルをかけてやる行為は、到底さきほどの行為と相容れるものではない。
 とどめは、言うまでもなく、妹を殺した後バラバラにしたことであり、結局、供述が真実だとすると、1つ1つの行為が全くつながらないことになるのである。
 「死人に口無し」と言ってしまえばそれまでだが、捜査も弁護も難しいですな。
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弁護人を選任(短大生遺体切断事件)

2007年01月11日 23時50分59秒 | Weblog
短大生遺体切断 弁護士会見 容疑者の心境など伝える
 東京都渋谷区の歯科医、武藤衛さん(62)宅で長女の短大生、亜澄さん(20)の切断遺体が見つかった事件で、死体損壊容疑で逮捕された次兄の予備校生、勇貴容疑者(21)の弁護士が11日、記者会見し、殺害の状況や現在の心境を明らかにした。弁護士によると、勇貴容疑者は12月30日午後、木刀で亜澄さんの頭を殴りつけたが、その後も2人で家族や生活態度などについて1時間にわたり話し続けた。亜澄さんは事件直前の12月27日か28日に母親と夕食をめぐり激しい口論をしており、そのことも話したという。この間、勇貴容疑者は血を流して「寒い」と震える亜澄さんの肩にタオルをかけたが、「夢がないね」の一言で逆上し、タオルで首を絞めたという。

 こういう事件での弁護人の対マスコミ会見は賛否両論あるところ。だが、世間の耳目を集める事件では、捜査側に対抗する意味で弁護人が記者会見を開く必要があるともいえる。
 だが、バーディーが個人的に疑問に思うのは、殺人容疑で逮捕されていないというのに、弁護人がこんなこと(殺害方法、動機等)をしゃべっていいのかということである。被疑者は自分の話したことが弁護人を通じてこんな形で公衆に伝わることを理解しているのだろうか。
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ニュースの読み方

2007年01月11日 22時31分57秒 | Weblog
中小公庫:総裁に「帝人」の安居祥策氏--2代連続民間人
 政府は7日、今月で任期が切れる水口弘一・中小企業金融公庫総裁(75)の後任に、帝人の安居祥策相談役(71)を起用する人事を固めた。9日の閣議で決定する。安倍晋三首相側には、野村証券出身の水口氏に続く民間人の起用で、官邸主導を強調する狙いがある。<同公庫総裁ポストは官僚OBの指定席とされてきたが、政府系金融機関改革を打ち出した小泉純一郎前首相の意向で、水口氏が民間出身者として初めて総裁に就任した。
 今回、経済産業省が有力OBの就任を打診したが、官邸側が「改革が後退する印象を与える」として難色。「規制改革・民間開放推進会議」委員も務める安居氏が浮上した。/b>


 毎日新聞の記事。わざわざ斜線部分の記述を加えたのはなぜか?
 官僚との対決姿勢を鮮明にしたい官邸から、「経済産業省の打診を安倍首相は断固拒否したと書いてくれ」とでも頼まれたのだろうか。そうすると、そのすぐ上に「官邸主導を強調する狙いがある」なんぞと書いてしまうと、本紙がどの陣営に属するのか、少なくともどこから情報を得たかがバレてしまう。バーディーなら「官邸主導」云々の部分は書かないところだ。
 
 
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「今度は文相」---スキャンダルの背景

2007年01月11日 07時37分15秒 | Weblog
<事務所費>伊吹文科相団体が会合・飲食費や交通費に流用
 伊吹文明文部科学相(衆院京都1区)の資金管理団体が賃料のかからない議員会館を所在地としながら多額の「事務所費」を支出したと政治資金収支報告書に記載し、一部を会合・飲食費や交通費に流用していることが10日、明らかになった。不透明な事務所費支出問題は中川昭一自民党政調会長、松岡利勝農相ら既に複数の政治家で発覚。年末には佐田玄一郎前行革担当相が辞任したばかりで、政界にまん延する実態が浮き彫りになっている。

 「またか」という感を抱く人も多いだろう。金銭スキャンダルの殆どなかった小泉政権とは大違いである。
 だが、このような報道の場合には、その背景を考える必要がある。確かに、閣僚の資金の流れについてマスコミが監視の目を光らせることは重要なことには違いない。しかし、前にも書いたように、少なくとも文科省関連の不祥事は、「なぜ今になって?」という類のもの(特にタウン・ミーティング・やらせ問題は、むしろ司法制度改革関連のやらせの方が重大だったはずである)が多く、教育基本法改革に反対する勢力の策謀を感じさせるからである。
 それだけではなく、官僚の抵抗もあるようである。
 安倍首相は、政権発足に際し、官僚に近すぎる政治家を排除したことが指摘されている。与謝野元経済財政担当大臣が「無役」となったのは、財務官僚と極めて親密な与謝野氏を首相が嫌悪したからだといわれる(文芸春秋の記事より)。また、辞任した本間元税調会長も、財務省の増税路線に反対する人物であり、その点を首相に買われて就任したのであった。
 マスコミは「政権支持率の低下」を喧伝する。だが、その背景に、マスコミ・官僚がタッグを組んで政権の足を引っ張ろうとしている構図が浮かぶのである。
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片づけられない女たち

2007年01月10日 20時02分29秒 | Weblog
 年末年始は帰省し、甥・姪たちと一緒に楽しい休暇を過ごす。
 だが、楽しいことばかりではない。伯母と一緒に実家の台所を掃除しなければならないからである。
 恥ずかしい話だが、バーディーの母親はADD(注意欠陥性障害)の患者である疑いが濃厚である。とにかく、片付けができないし、すぐキレるし、車の運転も危険である。
 母がこの病気であることに気付いたのはごく最近である。だが、その兆候は約2年前にあった。
 それは、母が自動車事故で1週間入院したときのことである。母は、車を運転中、居眠りして他人の家に駐車してあった車に衝突した。幸い、エアバッグが作動したため負傷はなく、胸を強打した程度で済んだのだが、その知らせに私はビックリしたものだった。後で、父から、母が居眠り運転で事故を起こしたのはこれが2度目、自動車事故は5度目位になることを聞いて、もっとビックリした。
 てなわけで、今日は本屋で「片づけられない女たち 」を購入し、ADDについて研究することにした。
 
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冷静な分析

2007年01月09日 07時16分47秒 | Weblog
落合先生のブログ:
弁護士急増で就職先確保が困難
 企業や自治体としても、右も左もわからず社会経験にも乏しい、弁護士の「卵」に来られても、どこまで活用できるか、という、疑問やとまどいがあるでしょうね。実務は、偉い学者の先生が言っていることや本に書いてある通りには進まない面もあり、その辺の切り分けができない人に、資格とプライドだけ引きずって迷い込まれても、はっきり言って迷惑だ、必要に応じて外部の弁護士に相談、依頼すれば十分、という組織が、まだ主流でしょう。そういった事情を変えて行くということも課題ではありますが、きれい事や理想論で簡単に動くほど、世の中は甘くありません。
本ブログでも何度か言っていますが、都会での開業ではなく、地方、特に需要に対し弁護士が少ない地方を狙って積極的に進出するのが、現実的かつ有効な方策でしょう。都会には必要に応じて遊びに行けば十分、という割り切りも必要だと思います。


 全く同感であり、バーディーが常々考えていたことと一致する。
 やはり、落合先生もいきなり「開業」もやむなしと考えていらっしゃるようである。

 ちなみに、ボツネタコメント欄:
 # 地方弁 『地方にも求人はそれほどないです。去年の秋ぐらいから、就活に来てくれる修習生全員の就職先を確保することはとても無理な状況になってきています。』
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死人に口無し

2007年01月08日 18時02分47秒 | Weblog
切断の短大生、「学歴巡って兄と不仲に」 事件前語る
 東京都渋谷区幡ケ谷2丁目、女子短大生武藤亜澄さん(20)が自宅で切断された遺体で見つかった事件で、亜澄さんが事件前、知人に「私は家族から嫌われている」などと話していたことがわかった。学歴などを巡り、2人の兄との関係が悪化したことを打ち明けていた。警視庁は、こうした家庭内の関係が事件の背景にあった可能性もあるとみて、家族らから慎重に事情を聴いている。捜査1課の調べでは、亜澄さんは事件の数日前、周囲に「うちの中で大きな問題が起きている」と家庭内にトラブルがあった趣旨の話をしていた。亜澄さんの次兄で予備校生の勇貴容疑者(21)=死体損壊容疑で逮捕=は、「妹から夢がないとなじられ頭にきた」と供述している。

 責任能力の問題は別として、量刑については、まず行為の類型(本件では木刀による殴打→首絞め→風呂場で窒息)が、その次に狭義の犯情(動機、行為態様、被害結果)が重視されるのが一般的である。犯情事実については、本件では動機と行為態様が主な論点と思われる。
 行為態様についてはある程度の物証がある。だが、動機については依然不明といわざるをえない。被疑者の内心の出来事ゆえ、そもそも測りがたい性質のものでもある。そこで、ある検事は、「(軽微な犯罪なら)疑わしきは被告人の利益に、で供述どおりの事実があったとして考えろ」と助言する。
 だが、本件は重大事件である。警察も、動機についての裏付け捜査を徹底して行うに違いない。「死人に口無し」という難問にもかかわらず。
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