パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

M君ありがとう。君のおかげでみんなが救われたよ!

2006年04月24日 22時15分12秒 | Weblog
昨日ではないけれど、子供たちのサッカーの試合がらみの話。

子供たちは試合が大好き。
しかし、夢中になる分だけ負けるのが大嫌い。
だから、負けたチームは負ける原因となったプレイをした仲間を
きつい言葉で攻めてしまう。

ある日、ゲームが終わって、その反省会をしようと
子供たち座らせ、何か言おうとした時、
ある子が急に仲間に取っ組みかかった。
明らかに彼は腹を立てていた。泣いていたようだった。

座っていた他の仲間はびっくりして、二人を引き離そうとした。
「どうした?」と聞くと
「???が、僕が悪いって言った」
「だって、あんなとこで、お前がグズグズしてるからいけないんだ」
「ぼくだって、どうしていいか分らなかったんだ」
そして、言葉で叱責された子は再び殴り掛かった。

また、仲間が止めに入った。
しかし、円くなって座っていた、多くの仲間の間に、
しらーっとした重い空気が流れた様に感じられた。

友に離された子は一人だけ離れたところに座った。

その時、思いもよらないことが起きた。
一人の男の子(M君)が、離れて座って泣いているように見える
彼の隣に、何も言わずに座ったのだ。
何も言わないけれど、明らかに彼を慰めているのが皆にわかった。

「M君、エライ!ありがとう」
思わず口に出てしまった。
「コーチはこんな風に仲間を思うことが、自然にできてしまうことが
とても嬉しいし、皆にも、そんな人間になってほしい」

話を聞いているのはまだ小さな子供たちで、少し難しかったかな、と思ったのだが
子供たちは、しっかり聞いていた。
(もしかしたら、サッカーの練習時よりもしっかり聞いていた?)
そして、先ほどまで立ち込めていた重い空気が、いつの間にか和らいで
冗談を言える雰囲気までに変わった。

子供たちは、よいこと、悪いことを、こんな風に経験していく。
そんな時、大人は本気になって、子供たちと接していかなくてはならない、と
改めて思ったのだった。

それにしても、今でも思う
「M君、ありがとうね。
きみのおかげで、みんな救われたよ」





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