パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

餅つき現場で

2022年12月30日 09時26分34秒 | 子どもたちのこと

昔は30日には近所のどの家も餅つきをしていた
どこからもペタンペタンと音が聞こえていた
10人家族の我が家は8臼ついて
最後は大根おろしで生餅を頂いたり
子どもも中に餡をいれて大福餅をみんなで作った

年末の忙しい30日に餅つきをしたのは
前日の29日では音に「苦」がつくから縁起が悪いとされていたからだ
ところが今は「福がつく」という語呂合わせで
29日の餅つきも問題なしとされている

昨日(29日)、知り合いのところで餅つきがあった
有機農法をしているひとに、のし餅を注文した人たちが集まって
自分でついたり、ついてもらったりして、その時間を楽しんでいた

自分もお誘いを受けて出かけた
外国をルーツに持つ子どもたちの日本語の勉強に尽力されている人が
子どもたちに餅つきを見せてあげたいとして、中学生になった子どもに
会場に来るように伝えていた

「久しぶり、卓球はどうだった」(彼は中学は卓球部だったので)
「ベスト16までいった」
「偉いじゃん、日本のワールドカップみたいだね。
 ところで、ワールドカップは日本とブラジルとどっちを応援した?」
「ブラジル」

この彼が6年のときは、友達から借りた傘を壊したとする事件があって
当事者同士がそれぞれの言い分を戦わせる裁判のようなものをしたことがあった
それは楽しい思い出だが、それより前に彼を強く叱ったことがある
禁止用語とされる4文字を自分に向かって発したときのことだ
彼は勉強をする気持ちが全然見られず、いつまでもノートを開こうとしない
何か一言二言交わしたときに彼は投げやりにそういった

「ちょっと来い!」
少しばかり怒気を込めて勉強している場所から外に出るように彼に伝えた
そこにいた他の子は何事か?と緊張した空気が流れた

教室の外のベランダのようなところに座って彼を叱責した
今はどのように叱ったのか、、覚えていない
多分、何故、怒ったのか、、
何故、勉強を手伝う人は彼らのために時間を費やしているのか
そんなところを話したのだと思う

その時、彼は自分を怖い人の印象を持ったのかもしれない
もっとも叱ったのはその一回だけで
後はもう少し叱ってほしいと声が出そうな、緩い接し方だった

「先生、もっと大きい人だと思ってた
 以前は、大きくて怖くてそんな感じだったのが
 並んでみると今は同じくらいで、、」
彼との接し方はもう以前の大人と子どもの関係ではなく
お互い人間同士の関係の様になっている
彼も言葉の意味だけでなく、そこに込められた気持ちも
理解できる様になっているようだ

Youtubeで見ただけの餅つきだけでなく、
実際に重い杵を振り上げて腕がパンパンになるまで餅をつく
彼は「重い!」を繰り返しながら最後まで頑張る

今日になれば彼はいろんなところが筋肉痛だろう
だが、久しぶりに見た彼はちゃんと成長していて
それなりの尊敬の気持ちをもって接してくれるように
なっているのが嬉しかった
(もう怖いとは思わないだろう)

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