「5年生か!」
久しぶりに出会った彼がつぶやく
「大丈夫か?」
「ううん、わからない」
「自信は?」
「あまりない」
(彼は忘れ物が多いから、こちらも心配)
今日は小学校の始業式と入学式
月曜日、木曜日のあいさつ推進運動の今期スタートの日
いつもの場所に集まって、いつものように出かける
一学年上になっても習慣は変わらないようで
遅れてくる子はやっぱりのんびりしている
口元を手で隠している女の子がいる
「学校につくまでマスクしないように、、てママが言ってたから」
「マスクしてないと恥ずかしい?」
「うん」
「でも〇〇ちゃん、可愛いから良いじゃん」
しまった、ルッキズムみたいな発言か?
そこで、急いで話を変える
「可愛いときれいだと、どちらが言われて嬉しい?」
「うーーん、可愛いかな」
「L君、おはよう」
少し心配だったブラジルにルーツを持つ3年生の彼も
遅れずに集合場所にいた
その他のメンバーもみんないる
ひとまず安心で、話しながら校門まで歩く
そういえば、今日はゴーグルを付けていた子がつけていない
「花粉症は大丈夫?」
2年生になった女の子に話しかけると大きく頷く
この子は女の子なのにあまり話さない
こんなふうに少し前の日常と同じことの繰り返しが始まった
少し見なかっただけだがみんな身長が伸びている気がする
この挨拶運動の校門までのウォーキングは彼らのためというより
自分の精神的な健康のために行っているのかもしれない
自分勝手でも、悪気がない彼らの話はどこか救われる
彼らと歩く校門までの道は短く感じるが、帰り道は長く感じる
これは一般的な行き帰りの時間感覚のパターンと違うが
行きは心が楽しんでいるからだろう