フジテレビの連続ドラマとして、2003年と2006年に放送された「Dr.コトー診療所」が16年
ぶりに映画として戻ってきた。Dr.コトーを演じるを演じるのは吉岡秀隆、診療所を支える看
護師であり、コトーの妻となった彩佳を柴咲コウが演じる。さらに、子役で大事なところで出
演していた富岡涼は役者を引退していたが、本作のためだけに復帰している。
東京から離島の診療所に赴任してきた医師・五島建助(吉岡秀隆)は“Dr.コトー”として島に
は欠かせない存在となっていた。数年前に看護師の星野彩佳(柴咲コウ)と結婚し彩佳は妊娠7ヶ
月となっている。そこに、新米医師の織田判斗(高橋海人)と島出身の看護師・西野那美(生田絵
梨花)がやってくる。しかし、志木那島でも過疎高齢化が進み、本土と近隣諸島との医療統合の話
が出ていた。
そんなとき、島に台風が近づいていた。そして、コトー自身に降りかかる問題。
だが、とうとう台風がやってきて、被害が広がる。診療所に次々と運びこまれる患者。コト
ーは、すでに“家族”となっている島民をすべて助けるために、諦めずに奮闘。織田もコトーのそ
の姿をみて、人の命と向き合うこととなる。
と、細かい描写は省かざるを得ない。この物語には、剛利(時任三郎)、剛洋(富岡涼)親子や
漁港の人たち、役所の和田さん(筧利夫)、彩佳の両親(小林薫、朝加真由美)の存在は欠かせな
い。その人たちの変化と変化のなさにも注目を。また、蒼井優や神木隆之介、堺雅人というドラマ
シリーズに出演していたメンバーもいるので、どこで登場するかお楽しみに。
見方によってはラストシーンが気になるが、ドラマシリーズからの集大成となっているので、ドラマ
ファンとしては観ておきたい1本。
剛洋のセリフの間合いが懐かしい。この人がいなければ“Dr.コトー”はあり得ないとも言える。