夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

「芝辻利右衛門家文書と堺の鉄砲鍛冶」(堺市博物館)

2024年06月08日 21時37分54秒 | Weblog
   →そして仁徳天皇陵古墳

 「尾張徳川家の至宝」展で尾張徳川家に鉄砲を納めていた鍛冶師がいたとい

うことで、その繋がりで今回は堺市博物館まで足を運んでみた。入館料は200

円。割引きが効くと160円になるというさすが、公的な会館だ。

 周りは大仙公園と百舌鳥古墳群ということで、まずは古墳の歴史からスター

トとなる。ボランティアの方が説明に付いてくれるので、ずっと付いてもらっ

てもいいし、自分のペースで観たいときはそれとなく伝えると良いと思う。

 江戸初期より堺の鉄砲鍛冶の代表者だった「五鍛冶」の一つを構成した芝辻

利右衛門家。とりわけ、近世初期の鉄砲生産については、徳川家康・秀忠・家

光の三人の将軍を始めとする幕府の御用をつとめ、砲術師の稲富家からも技術

的な指示を受けていたことが、この時期の古文書から具体的に知れる。

 この企画展は令和6年3月16日から6月9日までだが、令和6年3月3日か

らは鉄砲鍛冶屋敷がオープンしている。井上関右衛門家の、江戸時代の鉄砲鍛

冶の作業場兼住居が観ることができる。今回の企画展では、徳川の家紋がくっ

きり入った火縄銃を見ることができる。できれば、もっと見たかったので、鉄

砲鍛冶屋敷の方に行ってみたい。

 そして、ここまで来たら寄りたかった“仁徳天皇陵古墳”へ。ウォーキングコ

ースとなっているので、世界遺産へも足を運べる方はどうぞ。

  

『舞台 千と千尋の神隠し』

2024年06月05日 21時53分52秒 | Weblog
 6月4日大阪・梅田芸術劇場にて

 千尋が上白石萌音、ハクを醍醐虎汰郎で観劇。初演を鑑賞したときは、三浦

宏規(今年度の菊田一夫を受賞した。千と千尋の神隠しでの演技もその対象の

一つ)のコンビだったので、この二人で鑑賞して観たかった。ご存知のとおり

上白石萌音は『君の名は。』、醍醐虎汰朗は『天気の子』で新海誠アニメで声優

を務めたことがある。また、上白石萌音が主演を務めたTBSドラマ「恋はつづ

くよどこまでも」に醍醐虎汰朗はゲスト出演したことも。そのため仲が良いの

で、独特の雰囲気が伝わることもあるのではないかと思っていたからである。

 さて、初演での当方の鑑賞場所が帝国劇場3階の最後席。今回は、梅田芸術

劇場の前から15列目だった。かなり舞台に近い席。オペラグラスを使うと、超

近眼の当方でも演者の汗までわかる場所だ。ハクにおにぎりを貰って、泣きな

がら食べる千尋(千)の姿がはっきり見えた。このシーンは上白石萌音の真骨

頂だと思う。泣き方や細かい指の動きが上手。演じながら毎回泣いているので

は?とも思う。息を飲む場面だ。

 アニメの話と変わることはないので、本線はそのままだ。だが、今回は演出

や舞台の向き、見せ方を変えていたのではないかと思う。初演は湯婆婆の部屋

や舞台全体の動きを観て楽しむことがほとんどだったので、演者のしぐさや表

情は見えづらかった。そのため、どこがこう…とははっきりとは言えないが、

変化がわかる部分がある。また、演者の細かい動作や表情、感情の表現もブラ

ッシュアップしている。

10歳の少女がそこにいる。ストーリー展開なんてわかっているし、改めての感

動はないはずだが明らかに迫力を感じるし、感動し…座席が前方だから?? 

 走る。とにかく千尋が走る。そして、登る。それだけ動けば終演後は体重が

減っている。いや、これは個人の感想だ。ちなみに、舞台転換もススワタリの

動きもすべてが手動であることは変化なし。カオナシは今回も有名ダンサーが

担当。しなやかにやめらかに、銭婆の場所へ千尋と共に向かう。だからこそ、

この舞台の良さがある。なお、勘違いしている方もいるかもしれないので念の

ため。上白石萌音は歌いません。この作品はミュージカルではない、というこ

とを追記しておきます。

 さて、上白石萌音と醍醐虎汰朗のコンビについては思っていたとおり。あ・

うんの呼吸。ハクは千尋にだけ、優しく語りかける。その声も魅力的だ。釜爺

の言葉を借りれば“愛なのだ”。

 チケットは争奪戦だが、当方が観劇した日は当日券がわずかだが出ていた模

様。チャレンジできる人はやってみてはどうだろうか。

 初演と今回。二回を別の座席から観て初めて、一つの作品がどうなっている

のかわかったような気がする。
 
 上白石萌音は大阪公演が国内最後となる。このあとは、ロンドンだけの公演

が8月まで続く。その公演の半分と言っていい回数の千尋は、上白石萌音が演

じる(橋本環奈はすでに出演は終了している。次回の朝ドラ出演との兼ね合い

と思われる。川栄李奈、福地桃子は出演する。このあと国内組は北海道へまず

向かう)。ぜひ、無事に駆け抜けてほしい。
 

 


『尾張徳川家の至宝展』(あべのハルカス美術館)

2024年06月01日 22時14分32秒 | Weblog
館内の写真撮影禁止のため、展示の雰囲気を伝えられず残念。

初代尾張藩主・徳川義直着用の銀滝白糸威具足は息を飲むほど立派なもの。

村正の刀は迫力がある。

 尚武 もののふの備え

 清雅ー茶・能・香ー
  織部筒茶碗 銘冬枯の展示はこのコーナー

 求美
  振袖、将棋盤、純金葵紋蜀江文薬茶碗など

特別公開 国宝 初音の調度

特別公開 国宝 源氏物語絵巻

 →一部、写真を加工しています

どれも派手さは感じられないのに豪華。落ち着いた調度品が上品。将棋盤も

茶筒も香入れもすべてに葵紋が入る。その技術の何もかもに関心する。

『青春18×2 君へと続く道』

2024年06月01日 21時00分33秒 | Weblog

 自分で創業したゲーム会社を解任されたジミー(シュー・グァンハン)は、

故郷へ帰ると、日本からの懐かしい絵ハガキを見つける。

 18年前の台湾。大学の合格発表を待ちながら、カラオケ店でバイトをするジ

ミーは、日本からやってきたバックパッカー・アミ(清原果耶)と出会う。

財布をなくしたというアミはカラオケ店で働くようになり、教育係は少し日本

語が話せるジミーが担当することに。スラムダンクのファンで日本語が話せる

ようになったというジミーをアミは信頼する。一方、アミに一目惚れしたジミ

ーだったが、バイクに乗って一緒に出かけても、映画を観に行っても手を繋げ

ずにいる。

 そんなある時、アミが突然帰国することになる。意気消沈するジミーだが、

ある場所にアミを誘う。そして、アミはある提案をする。

 実家に戻り、絵ハガキを手にしたジミーは日本へと向かう。東京から鎌倉、

長野、新潟。そしてアミの故郷の福島へ。鈍行列車に揺られ、大学生の幸次

(道枝駿佑)やネットカフェの店員・由紀子(黒木華)、アミを知る地元の中

里(松重豊)など一期一会があり、アミの家へとジミーは辿り着く。
 
 アミの母・裕子(黒木瞳)に迎えられ、アミの真実を知るジミーは、閉じ込

めてきた自分の気持ちを見つめる。

 日本を感じさせる台湾の景色が懐かしく映る。美しい街並みと映像。人と人

との触れ合いにホッとする。激しい感情の起伏はないが、心の動きがわかる。

36歳になった主人公が、18歳の自分にさよならし、新たな一歩を踏み出すスト

ーリー。そしてところどころで、岩井俊二監督で中山美穂が主演していた映画

『Love Letter』のオマージュを感じさせる場面が描かれている。列車のトン

ネルを抜けると雪。川端康成の一説を思い出させるが、列車を降りたジミーは

「お元気ですかーー!」と叫ぶ。このシーンは後半の重要な箇所に繋がること

が後にわかる。

「Love Letter」がアジアで人気があったのを実感するものでもあった。中国

語では「情書」というタイトルとなっていた。ラストシーンも『Love Letter』

を彷彿させるものではあったと思う。心に入り込む展開は嫌いじゃない。うま

くまとめた秀作だと思う。

 監督・脚本は『余命10年』『新聞記者』の藤井道人。音楽は、これもジミー

とアミの台詞で出てくるMr.childrenで「記憶の旅人」。映画の主人公に寄り添

う歌詞となっている。

 ちなみに、我が家にある『Love Letter』のパンフレットを引きずり出して

あらすじを確認してみた当方であった。