核密約/国家権力の“密約”よりも国民の判断を優先させる方法論とその効果

2010-03-14 05:06:39 | Weblog

   ――民主党に衆・参両院過半数のチャンスを――

 歴代自民党政権が「核兵器を持たず、つくらず、持ち込ませず」の非核三原則を日本の核政策としながら、「持ち込ませず」に関してアメリカ艦船の事前協議なしの日本の港への寄港や領海通過を容認した、いわゆる“密約”は当時の冷戦という国際状況や日本国民の反核感情を考慮した指導者たちの日本を守るための止むを得ない判断だった、あるいは我が国の安全保障を確立する観点に立った賢明な対応であり、結果として我が国の安全と繁栄が確保されてきた決して間違ってはいない選択だったと国家の側からの“密約”正当性の声が挙がっている。

 しかし国家が常に過たない保証はない。常に正しいとは限らない。国家権力が唱える正義が常に国民にとって正義である一体性が絶対保証されるなら、国家にすべての判断を委ねることはできるが、国民の正義と離れた正義が出来する可能性は否定できない。

 国際環境が核を主力武器とした米ソ軍事対立の冷戦下に置かれていたことから、日本の安全保障上アメリカの核の存在を欠かすことのできない戦略が絶対的状況として一方にあり、日本国民の反核感情がもう一方の状況として立ちはだかっていたことからの止むを得ない“密約”の選択は国家の正義としてあったは一見正当性ある最終判断に見えるが、日本国民の反核感情をつくり出した責任の大部分は戦前日本の国家権力にもある。

 国家権力が国民の反核感情をつくり出しておきながら、それが障害となるからと国民の反核感情に反した秘密の取り決めを国民の知らないところで結ぶ。このことを以って国家の正義と言えるのだろうか。

 日本の安全保障上、当時の国際状況に於いては最低限アメリカの核の持ち込が必要だと国家権力が考えた場合、それを果たすためには国民の反核感情が障害となったとしても、その障害をクリアする努力を最初に持ってくるべきであろう。

 説明し、同意を得るのも政治家の能力である。自らの望む方向に如何に説明をし尽くすか、政治家の説明の能力にかかっている。

 政治権力が自ら正しいと判断しているなら、説明して、その正しさを獲得すべきである。

 もしいくら説明しても国民には理解する能力がないと看做して秘密の取り決めを選択したというなら、一種の愚民政策となるばかりか、国民を下に置いて自らを上に置く危険な思い上がりとなる。政治権力が常に絶対でもなく、常に正義を体現するわけでもなく、往々にして過つ存在だからだ。

 同意を得る方法は選挙に諮る方法が一般的であるが、選挙は選挙区の利害等が絡んで争点を必ずしも一つに絞ることはできないというなら、このことは厳密には郵政選挙でも同じだったが、憲法改正に関わる国民投票のみならず、重要政策を諮る国民投票法を制定して、争点を一つに絞った政策についての国民の判断を仰ぐ方法もある。

 国民の判断が誤ったとき、勿論、国民の責任となる。だが、国民が責任の帰属を自らに直接課せられる判断を求められることによって、その政策に関わる判断に応じようとした場合、その政策についての政治意識を否応もなしに高めざるを得ず、それは他の政策に対しても反映され、役立つ効果を生むはずである。

 また国民投票の場合、是非の街頭説明に元人気芸能人議員や世襲議員が駆り出されることはあっても、基本的には立候補者が存在しない判断要求であることから、政策を横に置いて候補者で判断する要素が限定されて、例えそこに何らかの経済的な利害を絡める者が存在したとしても、大方は政策そのものを自律的に判断せざるを得ない機会となり、政治に対する責任、国家のありように対する責任も育つことが期待可能となる。

 こういった方法を取ることによって、すべての政治判断を国民の目に見える場所に置くことが可能となる効果も無視できまい。

 敗戦後、多くの国民が「国に騙された、国に騙された」と敗戦とそのことによる国土の荒廃、生活の破壊の責任を国に一方的に押し付け、騙された自らの責任、その愚かさを省みず、主犯ではなかったとしても、少なくとも従犯の関係にあったことを一顧だにしなかったが、自らの判断によって一億総動員と化した戦争ではなく、国家に強制された一億総動員であったことからの強制した者に対する全面的な責任転嫁でもあったろう。

 戦前と同様に敗戦直後も国家を上に置いてその命令に無条件に従う権威主義の行動性に絡め取られていて自律した存在ではなかったために「国に命令されてやったことだ」とのみ解釈し、国民が戦争遂行に果たした自らの役割に目を向けることができなかった。

 他に強制された判断ではなく、自らが下す判断によってこそ、責任意識は育ち自律した判断者となっていく。

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