――民主党に衆・参両院過半数のチャンスを――
新党目玉同調者に舛添要一と与謝野馨を皮算用していたが、皮算用どおりの食いつきを直ちに見せてくれないものだから、目玉商品から食べようと思えば食べることができないわけではない賞味期限切れ商品系の平沼を釣ろうと場所を変えのではないのかというだけの話。
鳩山邦夫は自民党に離党届を出したあとの記者会見で述べた連休前新党立ち上げ構想では舛添要一と与謝野馨以外の名前を挙げていなかった。(〈15日に自民党離党を表明した鳩山邦夫元総務相は一夜明けた16日午前、改めて新党結成への強い意欲をみせ、連携の相手として与謝野馨元財務相、舛添要一前厚生労働相のほか、無所属の平沼赳夫元経済産業相の名も挙げた。〉(msn産経))
15日の鳩山邦夫「やはり日本一頭のいい政治家、与謝野馨、国民の人気が一番高い、期待度の高い舛添要一。この二人を、オー、鳩山邦夫という坂本竜馬に薩長連合ではないが、結びつけることができたなら、最高ですけどね」(日テレNEWS24)
離党する前日のテレビで、「与謝野馨元財務相や舛添要一前厚生労働相ら皆が一緒になれるよう(幕末に薩長連合を仲介した)坂本竜馬になりたい」、「(政党要件を満たす国会議員数の)5人のメドは立っている。舛添氏を引き入れたい」(47NEWS)と成算あるかのように発言していたにも関わらず、3人で新党を立ち上げようと計って離党に走ったわけではなく、直ちに同調者が出ないまま離党に走ったのだから、「メドは立っている」とした5人とも計らずに(計りながら断られて離党したなら、無謀過ぎるし、計って承諾を得ていたなら、直ちに同調者が現れるはず)単独行動したあと、2人をメンバーに誘って新党立ち上げに華々しく持っていこうと皮算用した。
だが、2人は鳩山邦夫新党構想に直ちに食いつく積極参加姿勢を見せたわけではなかった。《期待の舛添氏ら様子見…同調広がらず視界不良》(スポーツニッポン/2010年03月16日 20:15)
題名が既に示しているとおりに順調とは反対のつまずき状態にあることを伝えている。そのことを示す言葉を拾ってみる。
「新党構想が早くも難航の気配」、舛添要一も与謝野馨も「様子見の構え」、「新党の旗頭に舛添氏を据え、有権者へのアピールを図る鳩山氏の思惑はあてが外れた格好」、〈2010年度予算案が成立する3月末まで推移を見守るという舛添氏に対し、鳩山氏周辺からは「ふられたに等しい」との悲観論さえ漏れた。〉等々――
そして消極的、もしくは否定的態度の発言。
舛添要一「政治情勢がどうなるか分からないから何も決めていない」
(与謝野氏や園田博之前幹事長代理に近い)藤田正純衆院議員「鳩山氏の唐突な離党に付き合う必要はない」
鳩山邦夫の秘書を務めた複数いる国会議員の一人(「邦夫新党」に参加する意思がないことを明言した上で)「今の状況でついていく議員はいないんじゃないか」
誰もが数は力だという認識を無意識下に常に抱えて行動しているはずである。社民党や国民新党等の少数政党が与党の一員としての力を発揮し得ているのは例えごく少人数であっても最大与党民主党に欠けている参議院過半数という力を補う力となり得ているからだろう。
衆議院5議席、参議院1議席のみんなの党の政党支持率が最近の毎日新聞世論調査で議席数が多い共産党や公明党の支持率を上回って第3位につけているというが、与党民主党が「政治とカネ」で支持率を下げているのに対して、対抗して野党第一党自民党の上げてもいい支持率が舛添や与謝野の批判で執行部が悪者の立場に置かれていることもあって逆に支持率低迷に役立っている状況を受けて相対的に人気を得ている高支持率であって、数そのものが力となっている支持率ではないはずである。
例え夏の参議院選挙で議席数を少しぐらい増やしたとしても、民主党が議席をかなり下げ、そこに公明党が割って入ったなら、与党政治に影響を与える数の力ともキャスティングボードを握る力ともなり得ない。
唯一の望みは民主党が公明党ではなく、みんなの党を選んでくれるケースである。みんなの党がそう望んでいればの話だが。
所詮、新党立ち上げであっても、選挙であっても、連携を形式とした政界影響力であっても、数の分捕り合戦である。数を分捕るための政策といっても過言ではない。だから、往々にして政策が大衆迎合(ポピュリズム)の形を取ったり、自党の政策を曲げるような極端な妥協をしたりする。
果して鳩山邦夫新党が政党要件を満たす5人(邦夫を除いて4人)を集め得たとしても、単独としての数の力は評価できないものの、少人数ながらに社民党や国民新党のように他党の補完勢力として数の力となり得るのか、あるいは他党と連携して政界再編の力となり得るのか、その有無が入党、もしくは連携の成否を握る条件となる。
そういった条件を満たすことによって、例え少人数であっても党としての存在価値が生じるが、そういった可能性がなければ、野党第一党の数の力をそれなりに誇り、その恩恵を受けている自民党から鳩山邦夫新党の数の一人となる者はなかなか出てこないに違いない。
あるいはみんなの党のように与党及び野党第一党からこぼれた支持者の受け皿となって(多くは無党派層に流れているが)相対的に支持率を上げて選挙で少しずつ議席を増やしていける魅力ある政策と顔ぶれを揃えることができるのか、あくまでも与党及び野党第一党の支持率低迷の持続が条件となるが、そういった可能性を与える準備ができなければ、逆にみんなの党が先行していることによって、新たな党の立ち上げの道を狭める可能性の方が強い。
スポニチ新聞が見出しで言っているように、「同調広がらず視界不良」という予期せぬ状況に見舞われたからではないのか、離党後の新党立ち上げを訴えた記者会見では口にしなかった平沼赳夫元経済産業相の名前が出てきたのは、新党立ち上げの食いつきが悪いから、早々に釣り糸を垂れる場所を変えて狙い相手を変えたように見えてしまう。
尤も最近年齢とパソコンと睨めっこばかりしているせいで老眼と乱視がひどくなって、元々浅い見通す距離が益々浅くなっているから、当てにはならない勘繰りではある。
《鳩山邦氏、新党へ始動 平沼氏らとも接触》(47NEWS/2010/03/16 18:43 【共同通信】)――
平沼赳夫(記者団に)「今の政治の流れを変えていくために新しい流れを起こすことには賛成だ。・・・・郵政民営化反対の考え方は近いと思うが、それ以外は分からない。機会があれば会って話してもいいかなと思っている」
乗り気とまでの積極性を見せているわけではない。大体が郵政民営化反対以外の政策は「分からない」とは何とメリハリなく見られていることだろうか。食いつきが悪いからと早々に釣り糸を垂れる場所を変えて見たものの、やはり食いつきの悪い場所に釣り糸を垂れてしまったといった状況に見えないこともない。
例え鳩山邦夫と平沼赳夫が連携したとしても、新鮮味を失った二人である。乾いた雑巾を絞るように支持率は出てこないように思える。