余分に払い過ぎた教員給与の「国庫負担金」はどこへ行ったのか

2010-03-15 03:34:39 | Weblog

   ――民主党に衆・参両院過半数のチャンス――

 3月12日の「NHK」記事――《教職員給与の負担金 払いすぎ》(10年3月12日17時51分)――

 全国の17の都府県で、平成19年度までの4年間に公立の小中学校の教職員151人分を誤って集計、給与に充てる国庫負担金あわせて3億9000万円余りを余分に受け取っていたことが判明、会計検査院が都府県に返還させるよう文部科学省に求めたと伝えている。年平均9750万円の多額の金額となる。

 尤も記事は、〈全国の17の都府県で、公立の小中学校の教職員の数が誤って集計され、給与に充てられる国庫負担金あわせて3億9000万円余りが余分に支払われていたことがわかり、会計検査院は、都府県から返還させるよう文部科学省に求めました。〉と書いている。

 果たして、〈誤って集計され〉たのだろうか。例え人数の集計に誤魔化しがなかったとしても、国から〈余分に支払われていた〉ことから先の〈17の都府県〉が〈余分に〉受け取っていた、その行為自体が問題となる。

 誤った集計の内訳は、国の基準で給与が支払われない休職期間が1年を超える教職員が8都府県、「NHK」記事には人数は出ていないが、「msn産経」記事――《小中教員の国庫負担、4億近く払いすぎ 会計検査院指摘》(2010.3.12 17:24 )には計110人分と出ている。

 次に出産や育児で休暇中の教職員の代わりとなる補充者の数が多く報告されていた自治体が9県に上っている。人数は「msn産経」記事が41人分としている。

 両記事とも、この二例しか紹介していないが、「msn産経」記事には、〈国は都道府県が負担する教職員の給与のうち、3分の1を負担するよう義務教育費国庫負担法で定められている。〉との解説が載っている。

 余分に払い過ぎた「国庫負担金」はどこへ行ったのだろうか。「休職期間が1年を超える教職員」の場合の給与支払い規則を国に申告する担当者が新人で知らなかった、あるいは迂闊に失念して1年超の休職教職員分まで誤って申告してしまったとしても、休職教員自体が給与支払いのうち国の負担分がどうなるか知っているはずだろうから、もし本人に誤って支払われたとしたら、本人が誤魔化して受け取ったことになる。

 本人に渡っていなかったなら、誰のところに渡ったのか。余剰金として会計に残るというのもおかしい。残れば、収支のどこに間違いがあったか調べ直すだろうから、人数の余分な集計に行き着くはずであるし、国の負担金を正確に管理するためにも行き着かなければならないはずである。

 だが、会計検査院の指摘があるまで誤った集計と余分な支払いのまま放置されていた。

 〈9つの県では、出産や育児で休暇中の教職員の代わりとなる補充者の数が多く報告されていた〉ということも不自然である。msn産経記事は、〈育児休暇などを取った教職員の数より代用教員の数の方が多く、実数に合わない県が岩手、宮城、神奈川、栃木、滋賀、兵庫など9県であり、41人分が過大に交付されていた。〉と書いているが、なぜ41人分も過大に人数計算することになったのだろうか。

 また、41人分の国負担分給与を誤魔化して請求したのでなければ、会計のどこかの段階で宙に浮いて残ったはずである。

 やはりプラスマイナスゼロとなるように収支のやり直しをする、それでも余剰分が出るようなら、請求人数に誤りがなかったか、あるいは請求金額に誤りはなかったか、最初の段階にまで戻って調べ直して適正化することが国の負担金を管理する者の責任であろう。

 17の都府県が共通して給与管理が杜撰だったとしたら、これもまた問題である。国の金を預かる云々以前の問題となる。

 ゴマカシでなければ、会計検査院の指摘がある前に正しておかなければならない約3億9000万円ではなかったろうか。返還すれば、それで済むといった問題では決してないと思う。

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