安倍晋三は昭和殉難法務死追悼碑がある同じ高野山を訪問、心の中でA級戦犯その他を追悼しなかったか

2015-05-18 06:08:58 | 政治


 安倍晋三が5月16日、世界遺産の高野山金剛峯寺を訪れて、観光振興の取り組みなどを視察し、高野山金剛峯寺の応接室で中西啓宝座主と談笑したという。

 座主(ざす)とは居並ぶ僧のうち最も地位の高い者だそうだ。いわば高野山金剛峰寺のボスである。

 高野山金剛峯寺奥の院には先の戦争でA級戦犯、BC級戦犯として処刑された者、あるいは収容所内で病死や自殺をしたりした者、計約1180人の名前を刻んだ「昭和殉難者法務死追悼碑」が建てられていて、毎年4月29日、座主が儀式の中心的役割を担う導師となって追悼法要が行われるという。

 戦犯たちを「昭和殉難者」(国家のために身を犠牲にした者)として祀っているのだから、その歴史認識は戦争を起こした国家とその戦争を正義の価値観で捉えていることになる。

 このことは、《昭和殉難者法務死追悼供養碑を守る会》のHPにある平成16年4月29日の追悼の詞の冒頭の文言が証明している。

 〈八葉の峰々満山新緑に映え、遅咲き桜吹雪の中 霊峰高野山奥の院のここ昭和殉難者法務死慰霊碑の御前で、高野山真言宗管長総本山金剛峯寺座主資延敏雄大僧正猊下を御導師に仰ぎ、本山式集の御出仕を賜り、御遺族を初め多数の皆様方の御出席を頂き、先の太平洋戦争で連合軍礼なく戦犯裁判により、尊い犠牲となられた千百八十余柱の第十一回年次法要が厳かに執り行われるにあたり、謹んで追悼の詞を捧げます。〉――

 戦犯として処刑された者も戦犯裁判中に病死や自殺した者もすべて「尊い犠牲」だと、その死を崇めている。

 当然、戦争も“尊い戦争”と言うことになり、戦争を起こした国家も、“尊い日本国家”と崇め、価値づけていなければならない。

 安倍晋三は一昨年2013年4月29日と昨年2014年4月29日の「昭和殉難者法務死慰霊碑」追悼法要に自民党総裁名でメッセージを寄せている。メッセージを寄せるからには追悼法要の主催者たちと同じ歴史認識を持ち、死者に対して同じ価値観に立っていることを意味する。

 2014年4月29日のメッセージ。

 安倍晋三哀悼メッセージ「今日の日本の平和と繁栄のため、自らの魂を賭して祖国の礎となられた昭和殉難者のみ霊に謹んで哀悼の誠を捧げる。恒久平和を願い、人類共生の未来を切り開いていくことをお誓い申し上げる」(TOKYO Web)――

 今年2015年4月29日の追悼法要でも、主催者はその日に合わせてメッセージを依頼したが、送られてこなかったと「asahi.com」が主催者の話として伝えている。

 安倍晋三は4月26日から5月3日まで米国を公式訪問している。アメリカ国内でも安倍晋三の歴史認識には何かと批判が多い。今年もメッセージを送って訪米中にマスコミに騒がれたり、中国や韓国から反発を受けたりしたら、アメリカ国内でも色々と騒ぎを起こすことになる。

 安倍晋三にしたら、このような雑音を避けたい気持ちがあって控えたに違いない。

 靖国神社の4月21日から23日迄の春の例大祭にしても直接参拝はせず、21日に真榊奉納に代えている。訪米を控えた時期にとても靖国神社を参拝できなかったに違いない。

 観光振興を目的に高野山金剛峯寺を訪れ、座主と歓談した。2013年と2014年にメッセージを送っていた「昭和殉難法務死追悼碑」がある高野山奥の院と間近な地続きの地を踏み、直接その碑の前に立って手を合わせなくても、金剛峯寺の正門に当たる大門を潜る際、あるいは参道の石畳を歩く途中、気持を奥の院の「昭和殉難法務死追悼碑」に向けて、「今日の日本の平和と繁栄のため、自らの魂を賭して祖国の礎となられた昭和殉難者のみ霊に謹んで哀悼の誠を捧げる。恒久平和を願い、人類共生の未来を切り開いていくことをお誓い申し上げる」と祈りと誓いを立てなかっただろうか。

 あるいは山王院本殿や拝殿所である山王院に手を合わせて頭を下げた際(金剛峯寺を訪れて、こういったことをしなかったことは考えられない)、心の中で併せて「昭和殉難法務死追悼碑」に思いを向けて祈りを捧げ、誓いを捧げなかっただろうか。

 安倍晋三のA級戦犯に対して「国内法的には戦争犯罪人ではない」とする強固な歴史修正と彼らを昭和殉難者と見る歴史修正の加担者の一人となっているその相互対応性から見ても、「昭和殉難法務死追悼碑」に名前が刻んであるA級戦犯以下に対して密かに今年の4月29日にはメッセージを寄せなかった追悼法要をしなかったはずなない。

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