■舞鶴から京都へ
天橋立など、京都府日本海側には厳寒の大海原が生んだ風光明美な観光地が多くあり、海水浴や風景見物、海釣など多くの観光客が訪れる。しかしながら、新幹線が未整備であり、JR西日本のアーバンネットワークや高速施設網から外れた日本海側へは快速新快速などの便は良くない。こうした中で、特急網は重要な交通手段となっている。
護衛艦隊集合訓練を見学するべく特急まいづる号にて東舞鶴に向かい、海上自衛隊 舞鶴基地 護衛艦隊集合訓練 2006.4.22、海上自衛隊 護衛艦隊集合訓練 夜間電飾 2006.4.22、海上自衛隊 舞鶴基地 護衛艦隊集合訓練 2006.4.23と撮影を行った後の帰路である。
C.ジョニー氏一行の計らいで、東舞鶴駅まで送ってもらった小生、当初は、まいづる号にて京都に戻る予定であったが、考えた末、帰りは別の特急を利用しよう、ということにした。意表をついて敦賀まで移動し、サンダーバード乗車も考えたが、さすがにそれはという考えもあり、タンゴディスカバリー号へ目標を定めた。
タンゴディスカバリー号は、京都府庁西別館に本社を置く第三セクター鉄道、北近畿タンゴ鉄道が運行する特急電車で、JR西日本京都駅から綾部、西舞鶴を経て宮津線に入り、城之崎温泉とを結ぶ特急である。
タンゴディスカバリー号はディーゼル方式のKTR8000形気動車により運行され、この他に北近畿タンゴ鉄道ではKTR001形気動車を用いて新大阪から大阪、三田、福知山、天橋立を経て豊岡に至るタンゴエクスプローラー号が運行されている。
KTR8000形は1996年より運用が開始されたということで、小生が乗車した年は10周年にあたる。利用区間は西舞鶴駅から二条駅までの間。シートの間隔は、1.05㍍と、広く、そこまで乗車率も高くなかったことから車内はゆったりとしていた。
北近畿タンゴ鉄道は、第三セクター鉄道であり、KTR700形やKTR800形などといったレールバス方式の列車を運行しているが、地域鉄道としての特性と、特急体系を介した旅客輸送の特性を上手く調和させた車両体系であるといえる。
喫煙コーナー。JRにおいては喫煙施設がほぼ消えつつあるが、このJR乗入というタンゴディスカバリー号の喫煙設備が今日どうなっているか、浅学にして知らないが、嫌煙権を主張するならば喫煙権というものもあってしかるべきだと思うのだ小生だけではないだろう。
乗務員室の後方に設けられたフリースペース。この他、専用シートやトイレなどが設置されているが、残念ながら自販機は装備されていなかった。二両編成ということもあり、車内販売は期待しないが、せめて飲み物の自動販売機はあってもよかったのかな、と思ったりもした。
二条駅へ到着。乗客が降車後、発射までの短い時間を利用し記念撮影を行っている。時間帯が時間帯だけに、夜の帳が丹後を覆い、車窓の風景を楽しむことは出来なかったが往復を異なる特急列車により移動することは、楽しい思い出となった。
数量に上限がある京都舞鶴間の特急補完という旅客輸送の他にもこのタンゴディスカバリー号、そしてタンゴエクスプローラー号により、宮津、天橋立、城之崎といった観光地と京阪神を結んでいる。宮津線での営業速度は80km/hほどということで決して早くは無いが、その分、日本海の風景を満喫できるのだろう。
HARUNA
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