北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

氷川丸 横浜市山下公園にて送る貨客船の老後

2007-06-25 20:21:19 | 写真

■港街横浜のシンボル

 先日、横浜に資料収集及び現地調査の為、展開したがその際にせっかく横浜にきたので、ということで、氷川丸を見るべく山下公園に立ち寄った。

Img_4021  氷川丸は三菱重工横浜造船所により建造され、1930年に就役した日本郵船の貨客船である。

 総トン数は12000㌧、全長は163㍍(氷川丸前の説明書を参考)。就役後はシアトル航路において新鋭船として活躍した。

Img_4024  太平洋戦争においては海軍に徴用され病院船、敗戦後は引揚船として復員者輸送に重宝された。

 1953年には日本唯一の外航客船として再びシアトル航路に就き、戦前戦後の現役時代にわたり、248回、太平洋を横断している。

Img_3936_1  1961年、横浜開港100周年記念事業の一環として横浜港で保存展示されている。2003年には横浜市指定有形文化財の指定を受けたものの、2006年10月に氷川丸マリンタワー株式会社が営業停止を宣言し、同年12月25日を以て営業を修了した。

Img_3937_1  横浜港みなとみらい地区の様子。

 撮影が早朝であった為、空は灰色、波音だけが響く静寂の中、鴎が群れを成して飛び回っていた。ちなみに、みなとみらい地区には帆船の初代の日本丸が永久保存されている。

Img_3942_1  横浜マリンタワー。ギネスブックにも登録される世界最高の高さを有する灯台として知られているが、氷川丸と共に2006年12月25日を以て営業修了となっている。ただし、入り口のポスターには2009年、横浜開港150周年とあわせ、リニューアルオープンを計画しているとのことである。

Img_3939_1  45年間の一般公開を経て、氷川丸も現在は営業終了となっているが、一般公開を目指し再開の為の準備を行っているとのことである。

Img_4019  山下公園の庭園越しにみた氷川丸。撮影は昼間であるが、青空を背景に庭園の緑、そして浮かぶ氷川丸はなんとも大きく、写真で見た往時の姿を連想させる。

Img_4026  横浜ベイブリッジと氷川丸。梅雨の晴れ間に飛び込んだかたちで、蒼穹と群青、ここまで理想的な写真が撮影できたのは幸いであった。船舶の維持というものは多くの予算を必要とするが、産業文化財としての意味も大きく、有形無形のさまざまなものを伝える。もう少し、日本は船舶の保存に関しても一考の余裕をもっても良いのではないかと思いつつ、再開の暁には見学を心に決めた次第である。

HARUNA

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コメント (3)
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