北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

海王丸 神戸港に佇む洋上の白い貴婦人

2007-06-24 21:22:25 | 写真

■独立行政法人航海訓練所所属の帆船

 先週、所用にて立ち寄った神戸市役所。その窓辺から何気なく見渡した神戸港に帆船が、なんと海王丸が寄港していた。同行のH氏にお願いし、次の目的地に向かう途中、急遽神戸港へ向かった。

Img_3746 海王丸は、1989年に就役した練習船である。

 総トン数2556㌧、全長は110㍍、全幅は13.8㍍。マストの甲板からの高さは最高部で43.5㍍に達する。先代に1930年就役の海王丸があり、1989年に交代した。

Img_3608_1  海王丸とともに練習船では日本丸があり、現在二世が就役しているが、初代日本丸は現在、横浜の日本丸メモリアルパークにて永久保存されている。実は本日が29枚の帆を全てボランティアの手により張る総帆展が行われる日であったのだが、昨日の晴天と異なり雨模様であったように思う。

Img_3749_1  神戸港のシンボル、神戸ポートタワーとカワサキミュージアムの写真。

 横浜マリンタワーと同じく港のシンボルとなっている。神戸ポートタワーとカワサキワールドとの共通券が800円(高校生以上)で好評とのことだ。

Img_3610_1  海王丸のマスト基部を中心に。帆走性能は、スクリュープロペラの抵抗軽減構造により124時間で1394マイルを航行したこともあり、最速の帆船が選ばれるボストンティーポットトロフィー賞を1990年、1991年、1994年、1995年に受賞している。

Img_3666_1  199名の人員(含実習員)が乗船できる。

 動力となる36枚の帆は全て広げると2760㎡の面積を有するがこの他、補助動力として1500馬力のディーゼル機関二基を搭載しており、13ノットでの航行が可能である。

Img_3775_1  ただ、2004年10月20日、富山に寄港中の海王丸が台風23号の激浪により座礁するという事故があり、重傷者も出る事態となったが昨年初頭に修理が完了し、今日に至る。大破し、船体構造の多くを取り替えるという大事故であったが、その事故の痕跡は無く、今尚海の白い貴婦人と呼ぶに相応しい形容だ。

Img_3747  梅雨の晴れ間、蒼穹の青空と群青の水面の境に停泊する帆船。

 2007年は、神戸港開港140周年であり、様々なイベントが計画されているという。神戸を訪れる機会があれば、一つ神戸港を見渡してみると、なにかの発見があるかもしれない。

HARUNA

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