北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

信太山駐屯地創立50周年記念行事 装備品展示編

2007-06-28 20:27:10 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

■陸上自衛隊装備が勢揃い

 駐屯地祭は、基本的に午前中に式典、観閲行進、訓練展示が午前中、そして午後は装備品展示、という流れが一般的である。そこで、本日は信太山駐屯地祭における装備品展示特集を掲載する。

Img_8785  訓練展示において活躍した74式戦車。訓練展示終了後、ハッチ脇に搭載されている12.7㍉重機関銃や74式車載機銃などを取り外し、装備品展示会場へ向かう様子。見上げる戦車はなんとも形容できない威容を示している。

Img_8666  車両などの装備品展示は式典終了後であるが、携帯装備などの装備品展示は開門と同時に、式典会場に向かう途中の、模擬店区画と並び展示されている。写真は誘導隊などが装備する戦闘防弾チョッキ2型。試着すると、カメラのシャッターも押してくれる。

Img_8671  01式軽対戦車誘導弾。少年、重いぞ!気をつけてね!と笑顔で手渡す隊員。軽という言葉がつくものの、やはり重いという印象であるが、射程や貫徹力、誘導方法などでは世界最先端にある装備の一つだ。

Img_8668_2  MINIMI5.56㍉機銃。小銃と同じ弾倉も使用可能な機銃で、軽量が最大の特徴。ベルギーのFN社により設計されたものを住友重機がライセンス生産したもので、200発箱型弾倉が装着されている。軽量な銃身を採用しており、交換も比較的素早く実施できるとのことだ。

Img_8906  装備品展示に向け、UH-1Jが着陸してきた。UH-1Jもお隣の第十師団が装備する機体には赤外線ミサイル追尾妨害装置やワイヤーカッターが装着されたものがある。背景には訓練展示で突入した想定重要建造物が見えている。

Img_8936  高い回転音を響かせて、観測ヘリOH-6Dの着陸。赤外線サーチライトなどが装備されており、限定的ながら夜間任務に対応できる機体、近年では操縦員を防護する防弾板なども装着可能となっている。地上には誘導にあたる隊員が両手を広げて着陸誘導を行っている。

Img_8948_1  着陸した二機。蛇足ながらこの時間帯に、三重県を震源地とする震度5の地震が発生しており、大阪府でも震度3を観測したとのことだが、いつもお世話になっているC.ジョニー氏と並んでヘリコプター撮影をしていたものの、気付かず、帰りの列車で地震を知ったという次第だ。

Img_8924  対戦車ヘリコプターAH-1Sの着陸。上の二機は八尾駐屯地より飛来したが、この機体は明野駐屯地から飛来したヘリコプターである。左下のモータープールでは、訓練展示の突入に参加した74式戦車が、整備を行っている様子が望見出来る。

Img_8952_1  装備品展示会場に向かう96式装輪装甲車。八つあるタイヤが物々しい。この車両は、戦車大隊本部の他、戦車中隊の中隊本部にも装備されている。信太山駐屯地祭には初参加の装備である。

Img_8964  昨年は、この場所に全車、車体前面をグラウンドに向けるかたちで展示されたが、今年は観閲行進の進行と同じ方向に向け停車している。やはり戦車と火砲は目立つことがよくわかる。いよいよ開始予定時刻が迫り、隊員がせわしなく装備品の周りを点検し、見学者に危険が及ばないように配慮している。

Img_8966  81㍉迫撃砲を準備する隊員。こちらを向いている単眼鏡のようなものは照準に用いるコリメーターと呼ばれる装備品で、迫撃砲の照準器と併せて見なければ何も見えない。迫撃砲の照準器からコリメーターを通して間接照準の観測基点を確認し、長距離射撃を行う。

Img_8856  第三高射特科大隊の81式地対空短距離誘導弾。第三特科連隊は第三特科隊に縮小改編されたが、高射特科大隊は大隊編成を維持できたようだ。特科連隊も特科隊も指揮官は1佐であるので、一つ縮小改編を行う際には、高射特科大隊を中隊に分け、昔のように単一編成に組み込めば部隊規模で特科連隊を維持できるのではないかと考えてみたりする。

Img_8864  第三特殊武器防護隊の化学防護車。部隊名称が新しくなっているのに注目。第三師団司令部付隊化学防護小隊から昨年度、人員や装備などを一部拡充し第三化学防護隊へ改編したが、今年度から更に人員を増強、生物偵察車や気密天幕などを新しく装備している。

Img_8869  第一中隊と書かれた車両より運ばれてきた64式対戦車誘導弾。通称MAT。低速で飛翔する弾体を双眼鏡を利用した光学装置で肉眼により追尾し、ワイヤーを通じてリモコンにより誘導する第一世代の対戦車ミサイル。今日となっては貴重な部類に入る装備であるが、貫徹力などは大きく陳腐化していることは否めないように思う。

Img_8861  軽装甲機動車。いわずとしれた陸上自衛隊のワークホースであるが、所属が重迫撃砲中隊となっていることに注目。バンパーから37連隊には本部管理中隊、第二中隊、第五中隊、重迫撃砲中隊へ配備されていることが判り、配備数は充実していることがわかる。

Img_8971  普通科装備、機甲科装備、野戦特科装備、高射特科装備、化学科装備、施設科装備などなどが並べられ、グラウンドには先ほど着陸した三機のヘリコプターが展示されていた。昨年と異なり、桜は駐屯地祭を待たず早咲きの後に散ってしまったが、桜を補うほどの観客が、駐屯地創設50周年記念行事に華を添えていた。

HARUNA

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コメント (2)
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