◆地対空ミサイル警報装置と防御装置
先日、本当に久々に岐阜基地の日常風景を撮影する機会に恵まれた。その中で、本日は陸上自衛隊の輸送ヘリコプターについて掲載したい。
CH-47JA輸送ヘリコプターは、完全武装の一個小銃小隊を同時に空中機動させることができる大型ヘリコプターで、車内に高機動車を、吊下輸送で軽装甲機動車を輸送することが可能だ。この種のヘリコプターは高価であるが、広大な国土を防衛する陸上自衛隊には、世界的に見てもかなり多数の大型輸送ヘリコプターが配備されている。
ヘリコプター全般に言えることであるが、最大の脅威は敵性航空機と潜む高射機関砲などの対空火器である。航空機による脅威は排除が可能であるが、秘匿された対空火器は即座の排除が難しく、飛行経路にこの種の脅威がないかを綿密に情報収集し、運用する。しかし、個人で携行できる携帯地対空ミサイルは、発見が非常に難しい。
写真の中央に取り付けられている四角いものは、ミサイルを回避するミサイル防御用のチャフ・フレア投射装置。チャフとは、ガラス繊維にアルミをコーティングしたもので、レーダー波に反射しやすく、これを空中に拡散させることで、レーダー誘導方式のミサイル誘導を阻害する。フレアとは、強力な赤外線を放出する高熱の物体で、エンジン排気等を狙う赤外線誘導ミサイルの誘導を阻害するもの。
携帯式地対空ミサイルの脅威は、現在かなり広く拡散しており、ミサイルの接近を感知するミサイル警報装置と、ミサイルの誘導を阻害するミサイル防御装置の必要性は年々高まっている。なお、写真のCH-47JAには後部に“WH”という記載があったため、西部方面隊直轄の西部方面ヘリコプター隊の機体のようだ。
HARUNA
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