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海上自衛隊退役砕氷艦しらせ 解体から一転、保存の可能性浮上

2009-02-08 22:13:51 | 海上自衛隊 催事

◆ウェザーニューズが名乗り

 海上自衛隊の砕氷艦として活躍をつづけ、2008年7月に除籍された砕氷艦しらせ、ですが、保存をめぐり引き取りを希望する企業が出た、とのことです。

Img_2470  解体処分が決定し、錨など一部の部品を保存し、廃棄される予定であった砕氷艦しらせ、であるが、この、しらせ、を管理する文部科学省南極地域観測統合推進本部に、気象情報会社ウェザーニューズが買い取りを提案していたことが1月27日わかったとのこと。もともと、自治体での受け入れを募集したものの改修に10億円、年間維持費に1億円を要する砕氷艦の受け入れ先はなく、一旦は廃止解体が決定していた。文部科学省は、一旦解体は決まったとしていて難色を示しているが、解体したのちの鉄材の中古価格が下落しており、解体もままならない状況である。

Img_2407  ウェザーニューズは、気象や環境問題の情報発信や議論の場として活用したい、と表明している。解体にも費用がかかり、2008年12月にも払下げされ、解体される予定であったのだが、前述のとおり、鉄材としての価値よりも解体費用の方が大きく、ここにウェザーニューズ社は、解体するにはあまりに惜しい、として名乗りを挙げており、一時決定した解体が撤回された場合は買い取りたいとの姿勢を示しているとのこと。

Img_2467  船舶の保存や中途半端に古い建物には非常に冷淡な日本、もう少しこの種の船舶の保存について考えてみてもいいのでは、と思ったりもする次第。なお、非常に蛇足ながら、しらせ、は小説日本沈没第二部に、調査船しきしま、として登場している。小松左京の日本沈没には、国民退避計画(D2計画)の本部が置かれている艦として、当時海上自衛隊最大の護衛艦である、はるな、が登場している。

HARUNA

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