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DDH141 はるな 海上自衛隊最古参の護衛艦は舞鶴に健在!

2009-02-09 18:04:08 | 海上自衛隊 催事

◆舞鶴の象徴

 佐世保基地から舞鶴基地に移り、日本海防衛の重鎮として活躍した護衛艦はるな、2月8日撮影の近況を本日は掲載したい。

Img_7720  海上自衛隊最古参の護衛艦はるな。海上自衛隊にヘリコプター搭載護衛艦という新しいシーレーン防衛の方法を定着させ、今日の海上自衛隊艦隊航空の基礎を築いた護衛艦である。そして、1973年の就役時から2009年まで36年の長きにわたって護衛艦種別として第一線にあり、これは水上戦闘艦としては、特務艦や海防艦などに種別変更された艦船を除けば、旧海軍から海上自衛隊に至るまで俯瞰しても最長といえる。

Img_8185  はるな、第二次大戦の敗戦を大破した状態ではあったが生き延びた旧海軍の戦艦榛名より受け継いだ名である。機動部隊とともに常に第一線にいた名前を受け継いでいる。3機のヘリコプターを搭載できる護衛艦はるな、は海上自衛隊の貴重な戦力投射集団として今日までそのポテンシャルを維持することができたといえる。

Img_8175 はるな艦尾に掲げられた自衛艦旗。自衛艦旗が掲げられている限り、本艦は現役の護衛艦である。とはいいつつも、冒頭の写真からもご覧のとおり、乾舷がかなり高くなっており、燃料は既に多くが取り出されているようで、海上自衛隊の護衛艦としていよいよ最期の時を迎えようとしていることも確かである。

Img_8080  ヘリコプター護衛艦はるな、その象徴の一つが後部のヘリコプター格納庫と飛行甲板と共に、前甲板に搭載された背負い式の二門の5インチ砲である。対空対地対水上に万能の5インチ砲ではあるが、見てみると除籍後に砲身を取り外すための作業用の足場が組まれているのがみえる。

Img_8143  はるな、が護衛艦として必要な搭載された様々な装備があるのだが、これも取り外すための足場が組まれているのがみえる。第3護衛隊群旗艦として活躍した護衛艦であるのだけれども、ううむ、と考えさせられる一こまだ。艦首から艦尾にかけて満艦飾の準備が為されていたのが印象的であった。

Img_8191  マックとともに掲げられているのが、第3護衛隊の司令旗がみえる。ここには本来、群司令旗が掲げられているのだが、現在は3護隊司令旗。しかし言いかえれば、はるな、はこの時点でも護衛隊の旗艦であるということを象徴的に示している一枚。ちなみに、機関は動いていたようで、白煙が昇っていた。

Img_7709  第3護衛隊群旗艦として、群司令旗をマストに掲げていたのは、はるな、の向かい側に停泊していた護衛艦あたご、である。はるな、と同じく第3護衛隊に所属するミサイル護衛艦で、海上自衛隊で最も新しいイージス艦である、あたご型のネームシップだ。はるな、の1.5倍もの満載排水量を誇る一隻だ。

Img_7842  舞鶴の美しい青空を背景に見上げる巨大な艦橋。あたご、は満載排水量10000㌧、海上自衛隊の護衛艦としては、現在最大の護衛艦であり、ひゅうが型ヘリコプター護衛艦の一番艦ひゅうが、が三月に就役するまでは、二番艦あしがら、とともに海上自衛隊最大の護衛艦である。

Img_7883  あたご、はイージス艦としての高い戦闘能力とともに、設計が新しいこともあり旗艦としての機能も充実している一隻である。昨年の千葉県沖での漁船との衝突事故は残念な出来事ではあったが、その後、衝突回避の技術を研磨し、その技量を以て、領海侵犯した国籍不明潜水艦の潜望鏡を発見したことは有名だ。

Img_8104  あたご、の全容。舞鶴基地の第3護衛隊群には、テポドンミサイルの飛来を探知したり、海上自衛隊発の海上警備行動命令を受け日本海に北朝鮮の工作船を追尾したことで知られる、みょうこう、が配備されている。艦橋の周りの様子などは、あたご、と、みょうこう、やや違っているのだが、全体でみるとよりスマートな印象を与える。

Img_8244_2  ヘリコプター護衛艦はるな。出来ることならば、雪景色の舞鶴基地と、はるな、という情景を望んでいたのであるが、この舞鶴基地一般公開の日は、清涼な朝風が吹き、叢雲がゆっくりと動いていた。遠く山の頂には峯雪が残り、桟橋には漣が打ちつける。かつて、この護衛艦とともに防衛の重責にあたった護衛艦の由来、この列島を包む大自然とともに、最後の日を待っていたのが印象的だ。

HARUNA

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コメント (8)
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