◆二つの特急
舞鶴基地のまわりを散策するべく東舞鶴へ、そして田辺城を見学するべく西舞鶴へ。その道中、お世話になった特急車両についての写真と感想が本日のお題。
北近畿タンゴ鉄道がJRに乗り入れる形で運用するKTR-8000形気動車、タンゴディスカバリー号。二条駅に到着する様子。ディーゼル機関を内蔵する車両で、非電化区間での運行に対応している。この車両は、1996年に運用が開始された車両で、JR西日本において運行される車両としては新しい部類にはいる特急用車両だ。
183系特急電車にて運行される特急まいづる号。特急らしい風格と共に二条駅に停車する様子。車両は導入が1973年から、と古いものの、ヘッドマークを中心として、これこそ特急車だ、という風格を兼ね備えている車両だ。綾部駅にて、まいづる号の後ろには、特急たんば号を連結している。
タンゴディスカバリー号、比較的新しく、そして全面展望が多少は可能な配置から、車両として好きな部類に入るのだけれども、自販機のような設備は無く、編成の長さが短いことからか、車内販売は行われていない。この車両は、1~4号車が福知山行き、5~6号車が東舞鶴行となっていて、東舞鶴行は5号車が指定席、6号車が自由席という設定。
タンゴディスカバリー号は、運転台後方に、サロンスペースのような、オープンデッキを備えており、座席はないものの、テーブルと特大の側面窓が配置、途中の保津峡をはじめとして美しい情景を楽しむことができる。お手洗い周辺の設備も間接照明を採用するなど、JR時代の特急らしい設備を誇る。
ただし、これは気動車だからなのだろうか、翌日に乗った、まいづる号と比べると騒音が大きいようにも感じた。振動は、音と重なって心なしか大きく感じる。これは心理的なものだろう、ブレーキ特製からは、車輪がすり減りやすく、独特の振動が生じる183系とくらべれば揺れるはずはないのだけれども、つまり、内装では上なのだが、音は如何ともしがたいというところか。
終点の東舞鶴駅の様子。舞鶴線が結ぶ福知山京都方面、小浜や敦賀方面とを結ぶ小浜線ともに、本日は終了しました、という表示が、時計を見ても、2200時をやや過ぎた時間帯。隣の西舞鶴駅まで、また、隣の松尾寺駅までも距離があり、一杯やって家路につくには、やや早い終電の時間帯のようにも思う。
183系特急まいづる号が留置線に停車している。撮影したのは所変わって西舞鶴駅。183系というと、冒頭に記したような特急らしい面持ちとはかけ離れた印象であるが、これは編成の真ん中に中間運転台を設けたからである。乗客が比較的少ない嵯峨野山陰線での運用にはこうした工夫が必要ということだろうか。
この中間運転台は、名鉄7500形の中間運転台を思い出す。自販機がないのは、タンゴディスカバリー号にて運用されるKTR8000も、この、まいづる号に運用されている183系にも共通するところで、これは特急料金を撮って運行する特急として劣る点のようにも思うのだがどうだろうか。
もともと本数が少ない舞鶴線では、短距離の移動であっても特急も重要な移動手段だ。しかし、園部駅に近づくまで、特急は比較的ゆったりと走っている。園部を出ると、これぞ特急、これが特急というような速い速度で運行する。まあ、サンダーバードや、しらさぎ号に比べると振動はあるのだけれども、音は昨夜に比べると静かなような印象。
ただし、車内の古さは否めない。リクライニングシートひとつとっても、まいづる号の183系は、タンゴディスカバリー号のKTR-8000と比べれば古く、水周りもステンレスが強調された古い印象のもの。しかも、窓の高さがあるので、もう少し窓を大きく、そして縁を低くしてくれるとありがたい。
二条駅を出発する、まいづる号。これまでは、タンゴディスカバリー号と、まいづる号を24時間以内に両方とものることはなかったのだけれども、乗ってみると、183系にも古い良さがあることが実感できた次第。可能ならば、水周り付近や照明、リクライニングシートなどをリニューアルして、もう少しオープンスペースを考えてくれるといいとも考えるのだが、それでもこれぞ特急というべき車両は、新しいKTR-8000に十分対抗できるという感想だ。
HARUNA
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