北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

対領空侵犯措置任務と増大する緊急発進へ、量的強化の必要性Ⅶ JAS-39のリース運用

2015-03-28 22:57:33 | 防衛・安全保障
◆JAS-39のリース
 JAS-39についてスウェーデンでの運用と輸出の実績について前回紹介しました。

 すると、近代化改修が継続的に行われるのか、JAS-39のスウェーデン空軍での運用が、更にスウェーデン空軍が浮ける脅威に対応した戦闘機改修の必要性が低下するのであれば、これが鈍化し、第一線戦闘機としての能力を改修が行われないことで喪失する可能性があります。そして予備部品枯渇の心配さえある。

 ただし、本論のタイトル、緊急発進の件数増大に対応する、という当初の視点に立ち返りますと、まずは航空自衛隊がF-35戦闘機の配備までの期間を補う航空機とする、いわば高級手kな配備を行うのではなく暫定戦闘機に充てるという枠内で考えますと、多少難点は緩むかもしれません。

 具体的には40機程度をリースし、分散運用を想定しつつ那覇基地か嘉手納基地に配置する、ということ。整備器材などもリースしますし、その分散運用を必要に応じ戦闘機を飛行させ車両は勝連基地や那覇軍港から輸送艦により離島の基地へ運ぶという選択肢も考えられるところ。

 実際、スウェーデン空軍にはリース待機の機体として運用していないJas-39は40機程度あります、分散運用を訓練運用を考えた場合、40機でも5カ所、10カ所で運用できるでしょう。15機のリース費用が10年間で6億ドル程度、40機を10年間リースした場合16億ドル、年間に割れば170億円前後となる。

 ただ、リースを戦闘機輸出の中枢に置いた機種はあまりありませんし、例えばJAS-397と同世代戦闘機という意味から比較されるF/A-18EやEF-2000戦闘機等を見ますとリースという実績や売込みそのものが行われていません。このあたりもJAS-39の特殊性を際立てています。

 リース料金だけでこれだけというのは、その分F-35戦闘機の新規調達に影響が出ますから、非常に大きな負担ではありますが、一定期間リース後は低い費用で買い取る選択肢もあります。すると、JAS-39を調達し運用することとなりますし、リースを継続中に評価が高いならば、新規に調達する際リース機を契約解除し購入へ変更することも出来るでしょう。

 2016年より10年間リースした場合、2026年まで運用可能です、ただ毎年F-35一機分以上の費用がリース料金で発生しまして、更にここに運用費用が重なります。また、全く別系統の整備基盤と補給基盤が必要になりますので全体として負担は大きい提案ですが、ある意味、最悪使い勝手が悪い場合は契約解除という選択肢もありますので、検討し調整する意味はあるかもしれません。

北大路機関:はるな
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コメント (4)
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