北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

令和五年度十月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2023.10.14-2023.10.15)

2023-10-13 20:00:20 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 イスラエル情勢が緊迫度を増している中でもありますし明日は中谷元防衛大臣の誕生日と鉄道の日ですが金曜日という事で今週末の行事紹介です。

 第10師団創設61周年記念行事、今週末注目の行事は74式戦車を運用する師団祭としては最後の実施となります第10師団祭、というところでしょう。非常に残念な事となりますが、第10戦車大隊、第10偵察隊、第10特科連隊、この三部隊は今年度の師団行事が最後となり、中部方面特科連隊第2大隊と第10偵察戦闘大隊へそれぞれ改編されることとなります。

 師団から戦車も火砲も廃止され、司令部機能を残して有事の際に司令部機能へ統合任務部隊司令部より部隊を配属させ師団として運用する、これが陸上自衛隊改編の要諦となるのでしょうが、しかし、師団隷下に北部方面隊などは戦車を残しますし、なにより現状、定員の少ない師団が有事の際に即座に戦闘部隊の野戦司令部を編成できるのか、と思います。

 芦屋基地航空祭2023、第13飛行教育団と西部方面高射群及び第3術科学校が展開している航空自衛隊の基地で、航空自衛隊創設の際にT-33練習機が初めて配備され米軍教官の支援下で初めて飛行した、航空自衛隊ジェット機発祥の地であったりします。航空祭ではブルーインパルスも飛行展示を行うとのこと。まちがえても兵庫県芦屋市に行かない様に。

 西部方面混成団創設10周年久留米駐屯地祭、今週末は福岡県の方は大砲の行事か航空祭かで実に迷う週末となるでしょう。西部方面混成団は長崎県相浦駐屯地で新編された部隊ですが水陸機動団新編を迎え2017年に久留米駐屯地に移駐、他方長らく駐屯地の顔であた第4特科連隊は2019年に西部方面特科連隊へ統合され第4大隊のみが駐屯しています。

 分屯基地祭として高良台分屯基地開庁57周年記念行事と饗庭野分屯基地開庁51周年記念行事が予定されています。饗庭野分屯基地は今津の近く。芦屋基地と同じ福岡県で行われる高良台分屯基地開庁57周年記念行事ですが開門時間は1630時からですのであまり朝早く行きますと十時間並ぶこととなります、装備品展示と共に花火大会も行われるとのこと。

 キャンプ富士フレンドシップフェスティバル2023、静岡県では先日季節はずれの富士学校祭が執り行われましたが、この際に今年度参加しなかった第1機械化大隊に代わりアメリカ海兵隊がLAV-25軽装甲車などを参加させ盛り上げてくれました、その海兵隊がキャンプ富士一般公開を行います。滝ヶ原駐屯地のお隣で飛行場なども置かれている施設なのだ。

 米子駐屯地創設73周年記念行事、第13旅団隷下の第8普通科連隊の記念行事ですが、年度末に廃止改編予定の第13戦車中隊74式戦車の登場が見どころでしょう。74式戦車、そもそも戦車部隊そのものが中部方面隊と東部方面隊と東北方面隊から廃止されることとなるのですから、来年度以降九州へ渡るか富士学校を楽しみにするか北海道にいくしかない。

 別府駐屯地創設66周年記念行事、第4師団隷下の第41普通科連隊が駐屯しています。第4師団は戦車大隊を廃止していますが日本唯一の10式戦車だけの西部方面戦車隊が配属されています。普通科連隊は近年、普通科中隊に従来より射程の大きな中距離多目的誘導弾の配備が開始されており師団普通科連隊ですので重迫撃砲中隊など重装備も有しています。

 艦艇広報は全国で二つ行われまして、10月14日と15日に行われます水中処分母船1号富山県魚津港一般公開、そして10月14日のミサイル艇くまたか北海道紋別港一般公開です上甲板だけ公開されるのか、内部が公開されるのかにもよるのですがミサイル艇はベネリ自動散弾銃など謎の装備品を備えていまして、中の見学は非常に興味深いものなのですね。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・10月14日:ミサイル艇くまたか北海道紋別港一般公開
・10月15日:キャンプ富士フレンドシップフェスティバル2023
・10月14日・15日:水中処分母船1号富山県魚津港一般公開
・10月15日:第10師団創設61周年記念守山駐屯地祭
・10月15日:饗庭野分屯基地開庁51周年記念行事
・10月15日:米子駐屯地創設73周年記念行事
・10月14日:高良台分屯基地開庁57周年記念行事
・10月15日:芦屋基地航空祭2023
・10月15日:西部方面混成団創設10周年久留米駐屯地祭
・10月15日:別府駐屯地創設66周年記念行事

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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イスラエル情勢-邦人安全情報と周辺地域事態拡大懸念,総力戦へイスラエル挙国一致内閣結成と人道回廊確保

2023-10-13 07:00:20 | 国際・政治
■臨時情報-イスラエル情勢
 事態拡大の懸念はありますがイスラエル国内の邦人への邦人救出作戦の必要性は現時点では回避出来そうです。

 イスラエル在留邦人について。西村康稔経済産業大臣は10日の閣議後記者会見において、当該地域に就業する邦人について、ほぼすべてが退避を完了したと発表しました。ハマスによる攻撃開始の時点では約30の現地企業などで邦人が就業中であったとのことですが、今回のハマス攻撃による邦人被害は確認されていないという僥倖でした。

 邦人安全情報について。シリアへ緊張が拡大する懸念です。NHKは12日2130時報道においてシリア国営放送を引用する形で、イスラエル空軍が首都ダマスカスと北部アレッポの飛行場を攻撃したと報じました。イスラエル空軍は周辺国のイラン系軍事組織施設などを定期的に空爆していますが、北部のアレッポが空爆されるのは異例と言えます。
■挙国一致内閣を結成
 予備役30万以上の動員は東日本大震災の際の自衛隊被災地10万名の緊急展開の様に世界を驚かせました。

 イスラエルは挙国一致内閣を結成します。イスラエルは内政の混乱から短期間で連続し首相が交代する不安定な国内政治の時期が続いており、政権に返り咲いたネタニヤフ政権の権力基盤もかくたるものではありませんでした。しかしネタニヤフ首相は11日、最大野党で首相も経験したガンツ前国防大臣と会談し、挙国一致内閣結成で合意しました。

 40万名ちかい予備役兵力の動員が進み、総力戦体制に近づいているイスラエルにおいて、政権の安定を何より重視した形です。他方、ハマスについては、意見の一致に至っておらず、停戦交渉を呼びかけつつイスラエルへのロケット弾攻撃を継続し、拉致した人質の解放交渉さえ端緒についていません、このまま地上戦となるのか、人道的な懸念事項です。
■人道回廊設置の動き
 PKO国連緊急軍を派遣し人道回廊を確保するのが理想なのですがグテーレス国連事務総長は単に呼びかける以上のことをしていません。

 ガザ地区へのイスラエル軍地上侵攻懸念について人道回廊設置の動きです。アメリカのブリンケン国務長官は12日、イスラエルを公式訪問しイスラエルのネタニヤフ首相との間で意見交換を実施、ガザ地区はハマス大規模攻撃から3日を経て現在イスラエル軍が封鎖していますが、人道回廊設置をエジプト政府とともに協議中であると明らかにしました。

 ブリンケン国務長官は、ネタニヤフ首相との会談に続いて、ヨルダン川西岸地区のパレスチナ自治区暫定自治政府アッバス議長とも会談の方針を示しており、ガザ地区へのイスラエル軍攻撃が行われた場合の200万ちかい非戦闘員の保護について意見交換を行うものとみられています。人道回廊設置は地上戦開始準備についての最終段階も意味します。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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