北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

臨時情報-イスラエル情勢,ガザ地区から武装勢力ハマス大規模攻勢-展開次第では世界危機に繋がる要素

2023-10-09 20:23:04 | 国際・政治
■ヨムキプール戦争再び
 日本では平和に小松基地航空祭が開かれ曇天が晴天となった幸運を喜んでいた最中に中東では懸念すべき状況が始りました。

 日本では小松基地航空祭が盛り上がっていました土曜日、突如としてイスラエルのパレスチナ自治区ガザ地区から大規模な攻撃がイスラエル本土へ仕掛けられました。NHKは速報で緒戦数時間の間に五千発のロケット弾が発射されたと報じ、数百発や数日間で一千発というものは過去に聞くが毎時数千発近い規模の攻撃は過去に無い、と驚いたもの。

 イスラエル情勢とイラン情勢にウクライナ情勢が重なる第三次世界大戦の懸念、こうしたことを表現しますと考えすぎ、といわれるかもしれません。ただ、ガザ地区における武装闘争というゲリラ戦から、ロケット砲による攪乱攻撃に留めていた武装勢力ハマスが、今回、非常にまれにみる規模での地上侵攻に打って出たことは、留意されるべきだ。

 小松基地からの帰路にサンダーバードの車内で報道に驚きましたが、しかし、パラグライダー空挺部隊によるイスラエル本土への越境攻撃が行われ、これに呼号しガザ地区からの歩兵部隊浸透攻撃が実施、警戒哨所に配置されたメルカヴァ戦車が撃破されイスラエル本土の警察施設や飛行場などの軍施設に攻撃が加えられたという続報が届きました。

 ヨムキプール戦争という、もう50年前ですがわが国では第一次石油危機による高度経済成長時代の終焉を迎えたあの第四次中東戦争から、今年が開戦50年という節目の年であり、しかもヨムキプール、贖罪の日というイスラエルの連休を狙って開戦した第四次中東戦争の、その今の期間がヨムキプール連休であった、ということも今考えてみれば、と。

 武装勢力ハマスによるイスラエル本土攻撃はパラグライダー空挺部隊と地上部隊に加え、海上部隊もボート等を用いてイスラエル沿岸部へ浸透作戦を開始しイスラエル海軍部隊との戦闘が発生していましたが、非常に組織化された作戦であり、例えばイスラエル第二の発電所であるルーテンベルク火力発電所への攻撃、例えば自治体首長の暗殺など。

 ガザ地区からの攻撃は一時的なものではなく、スデロット市やネティボト市、オファキム市などガザ地区から離れた地域でも攻撃が確認され、キスフィムやマゲンにエレスといったガザ地区に隣接している地域では組織的な市民拉致が行われ、ガザ地区へ連れ去られ人間の盾にされているとも、またSNS上ではリンチ被害に見舞われるようすも投稿され。

 ネタニヤフ首相はイスラエル軍に予備役4個師団を動員し即応できる35個旅団の派遣を命じています。これは1973年第四次中東戦争以来の動員規模であり、1981年レバノン侵攻などの過去の事例と比較した場合でも最大規模の軍事作戦となるでしょう。しかしガザ地区から93㎞離れたイスラエルのテルアビブへもロケット攻撃という情報があります。

 イランの軍事支援、今回ガザ地区から緒戦三時間で五千発もの記録的なロケット弾攻撃を行い、パラグライダー空挺部隊による組織的な攻撃を行ったハマスですが、少なくともパラグライダー空挺部隊は今回の実戦投入まで存在が知られておらず、ガザ地区において訓練された部隊ではない事が一目瞭然ですし、どこかの国の軍事支援の存在が不可欠です。

 ハマスをこれまで公然と軍事支援を行ってきたと、自ら発表しているのはイラン革命防衛隊ですので、関与がないという事の方が無理があります。そしてイランは、イラン核開発に伴い経済制裁とイラン核合意の破棄を受けて制裁対象になっていることから、これ以上の制裁がないと判断したのでしょうか、ロシアへ武器提供をおこなったのが2022年で。

 ロシアはイラン製シャヘド無人機を8000機以上、ウクライナ攻撃に用いていますが、その見返りとしてSu-35戦闘機やYak-130軽攻撃機を提供、軍事協力を強化しています。平和憲法のある日本からは理解が難しいのですが、イランは1979年のイスラム革命の際、国是としてイスラエル廃滅を掲げており、ハマス支援はその達成への一環ということ。

 イスラエルが警戒しているのは、イラン核開発として将来導入を望む核兵器の標的はイスラエルであるという事で、これまで事ある度にイラン核開発を妨害していました。イランは核開発を平和用のため、としていますが、発電用核燃料よりも濃縮を進め核兵器用にしか使えない核物質濃縮は、平和用が発電ではなく別の意味の爆発的平和なのでしょう。

 イランは表立って参戦する可能性は未知数ですが、同じくイラン革命防衛隊が支援するレバノン武装勢力の展開地域からこの24時間以内に砲撃がイスラエル本土に向け行われているとの報道もあり、ほかに選択肢がない場合、これはイスラエルがイラン本土という策源地攻撃に、きわめて“強力な打撃力”を用いて乗り出す懸念が皆無とは言えないのです。

 ロシアとイランの関係、問題はこの点です。イランとイスラエルの関係、これらは共に連環はしていません。しかし、イスラエルはロシアのウクライナ侵攻に際して近隣の東欧諸国や西欧諸国が多連装ロケットシステムなどの再整備を行う際、韓国と並んでイスラエルの軍需産業は重要な生産国で、何故なら冷戦後、西欧軍需産業は縮小されすぎましたから。

 イスラエルでの戦闘が長期化、100時間以内に終息するのかそれとも長期化するのか、一概に結論が出せない二分化する問題なのですが、仮に長期化した場合、欧州地域NATO諸国の防衛力再編が遅れ、これはウクライナと共にバルト海沿岸での軍事圧力を2022年から強化しているロシアには利点ともなり得るのです、第三次世界大戦の危機だ。

 東欧へのアメリカを除けば最大の武器供給国となりつつあるのが韓国ですが、仮に親ロシア政策を強化し、武器援助も開始した衛星写真などから懸念されている北朝鮮が韓国へ圧力を強化するようになった場合には、欧州情勢へこのガザからはじまった危機が一気に世界大戦に発展する懸念も内包するのです。大きな戦争程原因が複雑となるものだが。

 百年以上前にセルビアの少年がオーストリア皇太子に銃撃を加えたことで、ドイツとフランスが宣戦布告し世界大戦になるということは、先ず最初の当事者にドイツとフランスが居ないじゃあないか、と混乱することとなりましょう。そして現状のガザの問題も、背景にイランとロシアとの関係性が絡むことで特効薬のある解決策がない複雑な状況だ。

 邦人救出の必要性について。差し迫った問題は現在のイスラエル在留邦人とともに、今後この戦闘が戦争に、そして地域的な戦争に拡大した場合の様々な状況を想定したうえで、邦人退避勧告と邦人救出を行う必要性のある地域を洗い出す必要があるでしょう。世界大戦の話題から急に局所的な話題ですが、先ずできることを模索しなければならないのです。

 双方に停戦を、という教科書的な書き方を挙げつつ、しかし、空爆による不随被害や戦闘による巻き込まれ、ではなく今回、ハマスが実施した攻撃のいくつかは軽歩兵が非戦闘員を意図的に標的として、しかも特定人物ではなく無差別に標的としており、看過できません、手段は目的を正当化できない。そして現状はもっと日本にも関心を持つべき事態です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都発幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌-滋賀,長浜駅前で頂くクラフトコーラを傾け対岸の戦車を想う

2023-10-09 18:10:52 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 台風一過の雨は今の暑さも吹き飛ばしてくれるのかなという今日この頃ですが少なくとも先週は未だ暑かった。

 護衛艦はるな退役が2009年というのは今考えると、もうそんなに経つのか、と驚くところでして考えるとファントムも75式自走榴弾砲も北大路機関創設当時に旧式ながら主力装備の一翼を担っていた装備がどんどん退役し、なにかこう取り残されたような気がします。

 74式戦車が、その幕を閉じる装備の仲間に加わろうとしているところでして、先週執り行われました今津駐屯地創設71周年記念行事は、考えれば2001年まで第3戦車大隊には61式戦車が残っていたのだけれど、74式戦車の大団円が近いことを運命づける展示でした。

 長浜へ。さて、こういうときはぱあっと気分転換したいものです、がしかし、湖西線のダイヤが乏しく京都方面は40分先だということでしたので5分後に到着する敦賀行に乗りまして、ちょっと今津駐屯地の対岸にあります長浜に立ち寄る事としてみました、駅前にて。

 小麦畑さん、クラフトコーラを長浜駅前で頂けるお店です。タコスはじめお洒落なグルメも頂けるのですが、先ず、まだまだ暑い、もう少し涼しいと思っていた一日で失われた水分をここで補充することとした、自家製ピクルスなども扱っているが、まずコーラのもう。

 カレーの香辛料で知っているような、ブイヤベースに含まれている香辛料のような、アイリッシュシチューで感じた様な、カオカーガイやケンペのような、知っている香りが甘みと共に炭酸でじわっと問いかけてくる、しかしこの味わいは初めてだ、というそんな感じ。

 クラフトコーラというのは、ブドウ糖などの甘味料と独自に選んだ香辛料やハーブと、そして柑橘類などを煮込むことで抽出するシロップを炭酸水などで割るのですが、この取り合わせは無数に種類があり、これをクラフトして独自色を出すという、そんなのみもの。

 小麦畑さん。実は少し前にやはり長浜を探訪した際、クラフトコーラ半額というセールをやっていて、ちょっと気になったのだけれども時間が無く素通りした、その再訪ということで店頭を見た際に半額の表示があったので頂いたのですが、爽やかを実感できましたね。

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【京都幕間旅情】阪急9300系電車,昔はそんなに大変だったか?完全クロスシート車の6300系を想う

2023-10-09 07:00:41 | コラム
■マルーンの9300系
 古いカラー写真を見るとマルーンの阪急電車は磨きの足りなさが目立つのですが現代の阪急電車はしっかりと磨かれている。

 阪急93000系特急電車、老朽化した6300系特急を置き換えた電車です。ただ、6300系は完全な転換式クロスシート車で2扉車、対してこの9300系はセミクロスシートの3扉車です。いや、新しい分だけシート形状などは人間工学に配慮されて座りやすいのですが。

 日本人の労働時間は減った、とか、昔はもっと長時間労働していた、といういわゆる昭和世代の方の論調があるのですが、しかし6300系を見ていると、座れるだけ座れるように座席を確保する、という、いわば人間に配慮した電車が昔から運行されていたのですよね。

 6300系は例外だ、といわれるのかもしれませんが、京阪の3000系特急についても、名鉄の7000系パノラマカーも、いや近鉄はビスタカーでダブルデッカー構造により定員を確保していたのですし、いうほど、酷使する時代では無かったのかもしれないと電車でわかる。

 昭和の時代は時間外労働が少なかったからではないのか、もしくは長距離通勤が多かった故に拘束時間が長かったように思われたのかなあ、と。そもそも女性の就労増加により日本全体の就労時間は、人口あたりでは増大しているのではないあ、ともおもうのですよね。

 労働時間よりも社会構造が、例えば意思決定の多様化と責任の事業評価などによる明確化により忌避する為の合意形成の会議時間など、時間浪費により生産性を低下させている事が社会の停滞を実感させるようになっているだけではないのかな、ともかんがえるのです。

 ただ、鉄道の安全管理などは現在の方が徹底している為に、昭和中期の様に軽瓶鉄道まで通勤に動員するなどの無理矢理は出来なくなるために、安全管理の為のコストも生じているのかな、とも考える。電車一つ見て、昭和時代というものを少し思い返しました。

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