北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

CB90/Stridsbåt90H【3】襲撃艇,グリフィンミサイルやAMOS自動迫撃砲搭載で強力な哨戒艇となる

2023-10-21 20:21:41 | 防衛・安全保障
■地方隊の警備隊用
 CB90/Stridsbåt90Hは調べれば調べるほど興味深い装備ですし充分日本の造船能力ならばライセンス生産も可能という。

 CB-90,海上保安庁すずかぜ型巡視艇の後継に最適な性能、と強調しましたがもう一つ、自衛隊においても有用な装備です。例えば基地警備、海上自衛隊の警備隊にSBU特別警備隊などの支援には最適な装備の一つです。RHIB特別機動船のSB-25型などが支援に充てられていますが、特殊作戦の支援能力としてSB-25には限界があることも事実です。

 ひうち型多用途支援艦が基地防衛訓練では12.7mm機銃を搭載して警備支援に当たっていますが、さすがにあの多用途支援艦で、相手が特殊部隊という想定であっても携帯無反動砲などを装備していると仮定するならば対処は無理というものでして、はやぶさ型ミサイル艇なども警備隊に装備されていますが、もがみ型護衛艦に代替され退役が遠くない。

 CB-90の強みは3名で運用できるという点と、警察でも運用できるほどに後方支援が必要ない点、そして防弾装甲を加えられる点と元々沿岸砲兵用の装備であり、重機関銃をはじめ有力な武装を有している点です。まあ、12.7mm機銃を標準装備型で3丁も搭載していますので、射撃をしましたならばその機銃の分解清掃だけでかなり面倒ですけれども。

 日本海側の舞鶴基地などへのゲリラコマンドー対処を考えた場合、64式小銃を以て車両で警戒するという選択肢もあるのでしょうけれども、CB-90はこの点で有用な装備です、何より跳弾被害を局限しなければならないようなものが多数ありますので、12.7mm機銃をRWSにより正確な射撃を行うことができる点だけでも有用といえるでしょう。

 武装については、いろいろ搭載できる。AMOS-120mm自動迫撃砲システムを搭載することもでき、変な言い方ですが11㎞先に艦砲射撃を加えることができる、もっともAMOSを搭載しますと後部区画が何も載せられなくなりますが。アメリカ軍はペルシャ湾での警備任務にM-240機銃をこれでもかというほど搭載して撃ち負けないようにしている。

 AGM-176グリフィンミサイルは、CB-90に搭載できる有用な装備です。AGMとありますので空対地ミサイルと思われるかもしれませんが、地上発射が可能である空対地ミサイルであり、発射システムはジャベリン対戦車ミサイルを流用、シーカー部分の一部はサイドワインダーミサイルを流用していて、ミサイルは15㎏、発射システムも軽量です。

 ジャベリンミサイル程度の大きさのもので、しかし見通しの良い海上で運用する場合にはジャベリンミサイルの射程1.5㎞では短すぎる最近は4kmに伸びたが、故にサイドワインダーの部品などを用いて地上発射で射程6.5㎞、航空機から発射する場合は23㎞まで延伸する、という発想で開発されています。戦車を破壊できる弾頭はありませんが舟艇は一発で無力化できる。

 サイクロン級哨戒艇を筆頭にアメリカ海軍では特殊部隊作戦支援に当たる舟艇へ搭載しています、その射程は艦砲と比べればなにしろ57mm艦砲でも射程は15㎞以上ありますから十分ではないのですが、機関砲などよりは射程が大きく、しかもミサイルですので命中精度は高い、こうしたものを搭載していると知れば相手が警戒する、という点で重要です。

 はやぶさ型ミサイル艇、もともと海上自衛隊のミサイル艇は極地防衛としてソ連軍上陸船団などに一撃離脱を考えた魚雷艇の後継、ミサイル艇の運用は基本的に単体で運用した場合、相手が哨戒ヘリコプターを装備していた場合、生き残ることは出来ません、だから先進国では普通、沿岸の地対空ミサイル部隊の掩護下で航空攻撃に備えつつ運用します。

 スウェーデン沿岸砲兵がまさにそうでしたが、RBS-15地対艦ミサイルやホーク地対空ミサイル、RBS-70携帯地対空ミサイル、120mm沿岸榴弾砲と40mm機関砲とともに沿岸に接近できない体制を構築し、しかし見えないままでは抑止力といいますか示威運用ができないためにミサイル艇を巡回させてプレゼンスを行使する、という運用が為された。

 海上自衛隊の場合は、沿岸砲兵任務としては陸上自衛隊の地対艦ミサイル連隊が対応しています、そして護衛艦の大きさを見ればわかるように、ゲリラ的に沿岸部に隠れての運用というものはそれほど考慮されていません。唯一の任務は不審船という名の武装工作船対処で、かなりの部分、海上保安庁が対応するようにはなっていますが任務としては残る。

 地方隊の警備隊用にCB-90は2隻か4隻程度あっていいように思うのですね。そして、海上保安庁と自衛隊にCB-90は必要だ、と提唱したのですが、この装備は陸上自衛隊にも有用であると考えますし、もう一つ海上自衛隊にも哨戒艇、特に無人哨戒艇の原型として有用な装備ではないかと考えるのです。なにしろ自動化が進んでいる装備ですからね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【M-5撮影特報】小松基地-武士道23日豪共同訓練,ミラーレス一眼でもこれくらい撮れる(2023-09-07)

2023-10-21 20:00:57 | 詳報 陸海空自衛隊関連行事
■ミラーレス時代の挑戦
 土曜日という事で時間が有りますので記事を二つ載せる事としまして前半は先月撮影しました小松基地の情景などをお伝えしましょう。

 オーストラリア空軍が訓練展開したりイタリア空軍が大幅に遅刻して台風を乗り越えてやって来たり、いろいろありましたが、ここはM5ミラーレスカメラにて撮影した写真を紹介します。そしてWeblog北大路機関の、部内でもわかり難い管理の話題について一つ。

 陸海空自衛隊関連行事詳報(220)、詳報 陸海空自衛隊関連行事(111)、というカテゴリについて。この話題が220の記事と111の記事があるということは分かると思うのですが、どう使い分けるか、片方はコンデジともう一つは一眼レフという使い分けでしたが混同する。

 一眼レフでしっかりと撮影した話題は、ちゃんと解説記事とともに時間をかけ掲載したいものの、その為には時間が必要なので折角撮影した写真を生地にするまでに事案が掛かり過ぎてしまう、その為に速報記事を作成していますが、もう一つ一眼レフの写真として。

 過去に撮影したものの紹介しきれていない話題を、12枚に厳選して特報記事を載せる場合とコンデジで撮影したものは分けて載せよう、と二つに分けた事が混乱に繋がりました、更にそこにサブカメラとしてミラーレス一眼を2017年に導入してしまい、更に混乱へ。

 詳報 陸海空自衛隊関連行事は一眼レフとミラーレス一眼で撮影した話題を載せる、陸海空自衛隊関連行事詳報についてはコンパクトデジタルカメラで撮影した写真を載せる、今回こう決定しました、詳報 陸海空自衛隊関連行事、レンズと本体の様に分かれている。

 詳報 陸海空自衛隊関連行事、レンズと一眼カメラか一眼レフの本体の様に分かれているので、見た目分りやすい、といえるでしょうか。EOS-M5にレンズアダプターを装着し70-300mmDOレンズにて撮影したのが、今回の記事に掲載しました写真たちなのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【京都幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌:京都-錦市場,旨い牡蠣でも頂こうじゃあないかという日常風景

2023-10-21 14:44:14 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 練習艦隊遠洋航海部隊が横須賀に帰国し補給の後に帰国式典に向け晴海へ向かったという。練習艦隊はコロナ禍下でも日常の様に継続された自衛隊関連行事でしたね。

 京都散歩、さて散策していますと2020年と2021年というのは大変な時代ではあったのだけれども、混雑していない静かな街という意味では京都にはよかったのかもしれないなあ、と思うのです、こういうのも2005年のWeblog創設時よりも2019年の混雑は凄かった。

 錦市場、ここも元々人の多い場所ではあったけれども、2005年のWeblog北大路機関創設当時と違い2019年には歩くにも限度があるほど混雑してきました、ただ、ここはNHKなどで京都市民の台所ともいわれ、観光客だけが散策するのではないのですが、例えば。

 牡蠣だなあ、という気分の際にはすぐ立ち寄れるお店があるのです。いや市場のお店ですので夕方には閉まって仕舞うのですけれど、ちょっと今日は仕事が早く片付いた、という時には、粋な焼き牡蠣で清酒を一献、とか瀟洒なフライでワインを一杯、とかをお安く。

 江田島の練習艦隊出航、艦隊が単縦陣にて旗艦かしま先頭に堂々出航する緊張と感激の瞬間を、牡蠣いかだの曳航船が1ノット未満で航行して出航できないと舌打ちが聞こえてきますが、牡蠣を思い出してごくりとするのは私、ヲタク貸船が同じ事をすると舌打ち。

 だいやす。大安という屋号ですので大安吉日の大安と読んでしまいそうなのですが読みは、だいやす。ここは美味しい牡蠣を、牡蠣だけ食べたい、というときちょっとお勧めな場所でして、市場の軒先にカウンターがありますが、昨年コロナ禍下に改装工事に踏み切る。

 牡蠣のお店、改装工事を行いまして奥にはちょっとした坪庭も建設されました。十年前は180円くらいだったとおもう、ただ、満々と焼き上げる牡蠣の蒸気と湯気とが少々素通りするには魅力的過ぎます香りを放ち、空いているなら一寸だけという感じは昔と同じ。

 カキフライは冬の食べ物、というよりも牡蠣が旬の季節に入りますといろいろなお店が始めるのですが、ここのは当然のように粒が大振りで、800円ほどでしたか。ほおばるとじゅうじゅうと海のミルクと呼ばれる所以の牡蠣汁がぷりぷりした実から染み出す。

 北海道厚岸産、岩手県釜石産、徳島県鳴門産、日本列島は欧州の地図に転じれば北海道の稚内が北欧コペンハーゲンの位置ならば沖縄は波照間が北アフリカのアルジェあたりに来る、だから日本中を俯瞰すると、どこかが牡蠣の旬を迎えていて、いまはこの三か所、と。

 ワインな気分なのだよねえ。土佐鶴や海風山に八海山、地酒で洛伝や富翁にあらばしり、なんてものもあるのですが、ちょっと翌日の予定から生ガキは慎重に避けていて、カキフライとともに合わせるには今夜は日本酒よりもワインとしよう。グラスに牡蠣が透く。

 鉄板蒸し牡蠣、このじゅうじゅういう鉄板の一皿はクロッシュ、金属製の蓋を載せたまま熱々で目のまえに運ばれ、ボナペティ、と仏語は飛び出しませんが、代わりに蒸された熱々の牡蠣が殻付きで目の前に。急いでかぶりつくと火傷しそうなので気を附けて。

 殻付きの牡蠣というのは特別な感じがします、こういうのも牡蠣汁という牡蠣の身そのものに湛えている極上の出汁をそのまま湛えているのですからね、ここをこじ開けて、蒸されたことで多少弾力を増した牡蠣そのものを、こう盃を傾けるように頂くのですよね。

 錦のだいやすさん、聞けば昨年創業100周年ということで、100年前といえば日本が初めて空母を建造し艦載機の運用試験を開始したのが102年前、だいやすさんは牡蠣の行商として広島から京都へ上ったのが101年前といいますので、ここで頑張っているなあ。

 旨い牡蠣でも食べようじゃあないか、そんな気分の際には錦通りの錦高倉、四条高倉の大通りを北の方へ歩み進めますと直ぐのところで、毎日焼き上げています。広島の産地よりは確かに値段は張りますが、まあ、この古い市場の片隅で牡蠣の一献も、楽しいものです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【京都発幕間旅情】N700系新幹線-007ジェイムズボンドガンバレルシークエンス的情景と共に小田原駅を通過

2023-10-21 07:00:14 | コラム
■小田原駅の新幹線
 700を逆に読めば007、鉄道の素敵な構図を見つけると舞い上がってしまうのですが2020年に混雑する新横浜駅を避けて小田原駅を利用した際にこの構図に気付きました。

 007のガンバレルシークエンスのような構図でN-700系新幹線を撮ってみました。007のあのセンス、ドクターノオが公開されたのが1962年でしたか、あのガンバレルシークエンスからジョンバリー作曲ジェイムズボンドのテーマに遷る一連の流れ、いい。

 小田原駅、新幹線撮影をそれほど熱心に撮影位置研究していない事が分ってしまいそうなのですが、駅のホームからトンネルを見通すことができる新幹線駅は、ここ小田原駅しか知りません。だから横須賀へ所用がある際には新横浜駅ではなく小田原駅をつかう。

 007は二度死ぬ、短歌のように原題は“You Only Live Twice”という作品となりましたが、イアンフレミング原作の作品で日本が舞台となるジェイムズボンドシリーズは“007は二度死ぬ”の一作のみ、しかし1967年に映画化されて有名となった作品でもあるのですが。

 You Only Live Twice、原作発表は1964年だった訳ですが映画化の際には東海道新幹線が開通していたわけで、東京から神戸まで、なにもトヨタ2000GTで下道を走らずとも新幹線で新大阪へ行けば、と思ったものです。シンカンセンは日本的乗り物ですし。

 東海道新幹線の1964年開業は東京オリンピックとともに有名になりましたが、意外に知られていないのは東名高速道路はその時点で完成はもちろん起工式さえ1965年、東京ICが完成し小牧ICで名神高速道路まで結ばれたのは1968年という工期でした。

 ジェイムズボンドシリーズを、ついこういう小田原駅の新幹線通過でガンバレルシークエンスのように構図を決めてしまいますと、どうしても語りたくなってしまうのです。N-700系新幹線、そんな思いをよそに次々と通過し東京へ京都へ、走り抜けてゆきます。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする