北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【日曜特集】海上自衛隊60周年観艦式【19】こんごう型後継-日米韓駆逐艦共同開発の論調(2012-10-08)

2023-10-29 20:22:15 | 海上自衛隊 催事
■いまの駆逐艦は凄いぞ
 ミサイル防衛専用艦改めイージスシステム搭載艦をアメリカも採用しようという流れなのでしょうか。

 アメリカと日本と韓国の駆逐艦を統合共通設計とできないか、アメリカではこうした論調があるようです。日米間の駆逐艦共通化、日本の場合は駆逐艦ではなく護衛艦ですが、その論調の背景にはやはりといいますか中国海軍に対応するインド太平洋戦略がある。

 いまの駆逐艦は凄いぞ最高だ、という台詞がSF映画にありましたが、日本の場合は実際に全通飛行甲板型護衛艦という、DD艦隊駆逐艦の符号を有する艦艇としては満載排水量で三万tちかい“駆逐艦”なんてものが存在する、ただアメリカはもう少し違うものを。

 こんごう型ミサイル護衛艦の後継か、若しくは汎用護衛艦として一時代を築いた護衛艦むらさめ型の後継艦などを想定しているのでしょう。韓国は長らく陸軍国ではありましたが、先ごろセジョンデワン級ミサイル駆逐艦の4番艦が公試開始の一方が記憶に新しい。

 海上自衛隊の場合は今後、ミサイル防衛専従艦改めイージスシステム搭載艦が建造、基準排水量1万2000t前後のかなり大型の水上戦闘艦を整備します、長期の警戒監視とミサイル防衛を見込んだ結果であり、満載排水量は1万7000t規模くらいとなるのでしょう。

 ひゅうが型護衛艦が基準排水量1万3500tで満載排水量が1万9000tですので、こうした全通飛行甲板型の護衛艦と比較しますと、多少は収まっているような印象が生まれるのですが、それでも、これぞ水上戦闘艦、という艦容を備えた艦艇の中では破格の大きさ。

 タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦の後継艦研究がアメリカでは開始されています、アーレイバーク級ミサイル駆逐艦で対応できるものではなく、空母打撃群を防衛する防空中枢艦は相応の指揮能力と司令部機能を求められるため、やはりどうしても大型艦が、と。

 セジョンデワン級、しかし問題はセジョンデワン級4番艦の公試を開始したばかりの韓国で、イージスシステム搭載艦の大きさ、有名なドクト級揚陸艦に排水量で迫る水上戦闘艦となると大きすぎるとともに、4番艦はバッチ2の1番艦、設計は変えられない。

 まや型護衛艦として日本はイージス艦の整備をひと段落していて、いや決してイージスシステム搭載艦が、こんごう型代替艦になるという決定は無い故に、どう展開するのかは分からないのですが、インド太平洋を中心に考える日米と歩調は合うのか、という疑問も。

 むらさめ型後継艦が大型化する可能性、ここで考えるのは海上自衛隊幹部学校記事など内部での自由な議論に、オールイージスという、汎用護衛艦の艦隊防空能力を抜本的に強化しなければ中国海軍の海軍力増強に対応できないという危機感に基づく提言が。

 蘭州型ミサイル駆逐艦から始まった艦隊防空艦整備は、既にDDGに当たる広域防空艦が基本であり、江凱Ⅱ型フリゲイトなど艦隊護衛艦の段階でスタンダードSM-2ミサイルの射程を凌駕する長射程の艦対空ミサイルをVLS垂直発射装置に常備し、普及する。

 あさひ型護衛艦の満載排水量は7000tに達しており、イージス艦フリチョフナンセン級よりも五割大型であり、アルバロデバサン級ミサイル駆逐艦より若干大型となっている、続く汎用護衛艦が、これまで通り一割五分大型化すると、イージスシステム搭載は。

 日本で建造し、アメリカ海軍のアーレイバーク級駆逐艦を補完する艦隊防空艦を、FMS域外調達の逆方式でアメリカに供給し、コンステレーション級ミサイルフリゲイトとともに運用する選択肢はあるのかもしれませんが、向こうの識者の視座、実に興味深い。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【G3X撮影速報】小松基地航空祭2023【2】イーグルとイーグルそしてイーグルのおおぞら(2023-10-07)

2023-10-29 20:00:15 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■大編隊ではないけれど
 浜松基地航空祭の日に小松基地航空祭の話題とは一文字違う印象かもしれませんが浜松の速報はもう少しお待ちください。

 F-15戦闘機の4機編隊、小松基地航空祭はこれまで私が撮影した範疇で最も大きな編隊飛行は12機編隊飛行でした。いや、実は今年度航空祭もF-15戦闘機は10機離陸していたのですが、飛行隊ごとに4機編隊、飛行教導群から2機、合計10機という陣容だった。

 F-35戦闘機とF-15戦闘機の編隊飛行、を撮影してみた。結果はご覧の通り、編隊飛行が規模が小さいのでF-35のほうが目立ってしまったかな、という構図でした。これはF-35から少し距離を置いて望遠レンズを使い、圧縮効果で編隊に絡める構図とすべきだったか。

 10機編隊、F-15戦闘機は10機離陸しましたので10機編隊を組むものとばかり思っていたのですけれども、10機が、4機と4機と2機で分かれて飛行するというところまで考え及ばず、やはり予行の編隊飛行をしっかりみておかなければならないのかなあ、と実感する。

 編隊飛行、異なる飛行隊ごとに大きな一つの編隊を組むにはある程度の練習が必要という、それは戦闘機部隊の任務は航空祭で密集した編隊を組む事ではないので、実任務に向けた訓練飛行とは別に航空祭の予行に向けて、その前段階での訓練が必要、という意味でして。

 実任務増大により広報にまで時間を確保出来ないという事情があるのは理解しているのですけれども、2019年の、つまりCOVID-19新型コロナウィルス感染症世界拡大の前の航空祭の時代と比較すると、台湾海峡やウクライナにカフカス地方、国際情勢は緊迫している。

 飛行教導群の独特の迷彩、新田原基地に長らく展開していました飛行教導群が広大な日本海の訓練空域を活用すべく小松基地に移駐し、結果的に3個のF-15飛行隊が展開する事となりました小松基地、この独特の迷彩を撮影出来るだけでも、小松基地航空祭は面白い。

 基地へ編隊飛行を終えて続々と着陸します。今年の小松基地航空祭は脚立禁止に椅子禁止が徹底されていまして、こう、カメラを手にぐんと伸ばして適当に、勘を頼りというが場数を踏むとそれでもある程度良い構図を収められる、そんな撮影をしてみましたが、さて。

 最前列で戦闘機の発着を撮影しておきますと、北大路機関が散々紹介する時事情報の際に、航空自衛隊の戦闘機のイメージ写真として活用できるのですが、そちらは普段撮りとして今年は充分撮影出来ましたので、そう、人がいっぱいいるぞ、というお祭りの様子を撮る。

 救難飛行展示の開始、さて。撮影位置ですが、選んだ場所は、少々間延びした雰囲気に、よーく目を凝らしてみるとF-15のキャノピーの奥に救難ヘリコプターへ収容される想定要救助者が見えます、なにかこう、UFOにゆうかいされているような構図になってしまうなあ。

 UH-60J救難ヘリコプターが少し移動しましたが、迫真の飛行展示とともに整備に当る隊員さんという、これは考えれば航空祭らしい構図、といってしまっていいのかな、みようによっては面白い構図の写真を撮影できた。小松名物VADS機関砲展示はVADS廃止で無し。

 飛行教導群飛行展示が続いて開始されました。F-15戦闘機は1970年代に量産された戦闘機で自衛隊は1980年代から運用、改良と能力向上を重ねているとはいえ2020年代において最新鋭とはまったく言えない機種ですが、戦闘機としての機動性の高さは今なおたかい。

 混雑度をみますと、それほど混雑していない様子が見えます、そう、最前列付近は確かに混雑しているのですが。最前列、小松基地は小松空港に隣接していますから、普段の日常訓練はそれなりに発着する迫力の構図を小松空港展望デッキから撮影できるのですよね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都発幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌-東海道新幹線,シンカンセンスゴイカタイアイスカウントダウン

2023-10-29 18:22:06 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 東海道新幹線車内販売終了は今月31日でもう間もなくです。

 東海道新幹線、普通列車でのんびりと東京まで行くのも実は大好きなのです、途中下車して美味しいものを頂き、平素には兎に角買って積むだけの小説を目いっぱいバッグに詰め込んで、ロングシートに座りレールの音に揺られながらひたすらに読むという。

 シンカンセンスゴイカタイアイス。まあそんな風に言われる、ドライアイスで徹底的に冷やして車内販売するアイスクリーム、東海道本線は好きなのですがこればかりは東海道新幹線でしか味わえない、前は北陸本線特急でも普通に売られ、雷鳥で食べた思い出の。

 十月末日、つまりもお直ぐじゃないかあ、東海道新幹線は車内販売を全面的に終了します。そしてシンカンセンスゴイカタイアイスというのは、車内販売で溶けないようにするためにドライアイスで徹底的に冷やしているのだから、もう食べられない。最後、か。

 感傷的になっていましたが、さっそく滋味あふれたスジャータのアイスクリームを頂こうじゃあないか、と、スプーンを刺したところ、刺さった。スゴイカタイ、防災用の缶飯を思い出す、でもこれがこの醍醐味なのですよね、ゆったりと新幹線でアイスを頂く。

 ゆったりと。ゆったりと。ゆった、り、と。って次京都じゃないか、そう月末で販売終了という事を思い出して大急ぎで買ったときにはもう新幹線は名古屋を出て岐阜羽島や米原を過ぎて、そうここもう滋賀県か京都府か、というところなのだ、は、早くしないと。

 アイスが固い場合はしばらく待ってから。有難い解説があるんですが、そんなことしたら京都駅ついちゃうんだってば、醍醐味じゃなくてさっき車窓に見えたの醍醐寺じゃない、もう山科区入ってる、シンカンセンヤマシナクハイッテル、でもスプーン刺さらない。

 京都、京都です。わかってるよ。まもなく京都です、みりゃあ分かる。でもシンカンセンスゴイカタイアイスはスプーン刺さるだけで削れないんだってさ、あとドアはこっちが開くのね。と。こういう緊張感でアイスを愉しめるのも、もうあと僅かなのですよ、ね。

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【京都発幕間旅情】伊豆箱根鉄道3000系電車,Aqoursラッピング電車受け継ぐ幻日のヨハネラッピング電車

2023-10-29 07:00:06 | コラム
■幻日のヨハネ
 鹿島臨海鉄道がガルパン列車運行を終了した事が先日報道されましたが。

 伊豆箱根鉄道、ラブライブ電車で有名な鉄道といいますか、ラッピング電車と大ヒットしたコンテンツとの相関関係でここまで成功し、旅客需要を掘り起こしているというのは珍しいなあ、と思います。ちょうど鹿島臨海鉄道が昔同様の成功をおさめたが。

 幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR、長いので幻日のヨハネラッピング電車というほうが通りが良いのでしょうか、ラブライブsunshineのスピンオフ作品がアニメーション化されまして、スピンオフ作品に対応したラッピング電車を早速運行中です。

 大雄山線と駿豆線、この大雄山線は小田原駅を起点とする路線なのですが、幻日のヨハネラッピング電車が運行されているのは三島駅と修善寺駅の19.8 kmを結ぶ駿豆線、特急踊り子号が東京駅から東海道本線軽油で乗り入れることでも知られる温泉街の路線で。

 幻日のヨハネ、というのは、学校廃校系アニメーションの金字塔というラブライブsunshineが現在の沼津市を舞台としているのに対して、スピンオフ作品は別の世界にヌマヅという街がある、要するに異世界が舞台なのですが、今はやりの異世界転生ではないもの。

 伊豆箱根鉄道3000系電車がラッピング電車として活用されているのですが、Aqoursラッピング電車として所謂ラブライブ電車が運行開始されたのは2016年であり、これは現在の幻日のヨハネ電車とは異なる、本編の方のラッピング電車として一部好評でした。

 ヌマヅも沼津も作品世界に描かれている、アニメーション愛好家が言うところの“聖地”であり、こうしたコンテンツによる需要掘り起こしと話題というもので地方鉄道が工夫し活況化に頑張っているというのは、ある種注目出来る事例かな、と思うのですね。

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