■防衛フォーラム
今回も空軍関連の話題です。
フランス空軍はA-330-MRTT空中給油輸送機10号機を受領しました。10号機の納入は5月17日、フランス国防省軍備総局DGAに対して行われ、2023年内に11号機と12号機を続いて納入することとなります。フランス空軍がエアバスA-330-MRTT空中給油輸送機の導入を発表したのは2013年5月、10年目にして10号機の納入となりました。
A-330-MRTT空中給油輸送機について、導入計画では2013年に12機から14機の導入計画を検討し、2014年2月20日に景気後退を受け12機以下となる可能性が示唆、しかし複数年度に分け30億ユーロ、米貨換算33億ドルに上る調達計画が正式成立し、初号機は2018年に納入されました。フランス空軍の戦略展開能力を飛躍的に高める装備です。
■KC-46Aペガサス
KC-46Aペガサスは不具合も伝えられたけれども。
アメリカ空軍はKC-46Aペガサス空中給油機15機を22億ドルで追加調達します、新しい契約はすでに量産が開始されていますKC-46A空中給油機の第九次生産分としてボーイング社との間で成約したもので、これは2023会計年度の固定価格契約として結ばれたものとなり、今回契約された15機は2026年8月31日までに納入される契約となっている。
KC-46Aペガサス空中給油機は従来の空中給油機に対して画期的な点として、従来の航空機では給油オペレータは機体後部において直接給油対象の航空機に対してフライングブームを操作していましたが、KC-46Aペガサス空中給油機からは給油オペレータは操縦席近くのAROSオペレーションルームより画像を介して給油を行う方式へと改良されました。
■偵察航空隊
時間はかかったけれども偵察航空隊は名実ともに復活という訳だ。
航空自衛隊はRQ-4グローバルホーク無人偵察機3号機の三沢基地配備を完了しました。これは航空自衛隊が導入する3機のグローバルホーク納入完了を意味し、偵察航空隊での運用が本格化します。RQ-4グローバルホークは、高高度を長時間にわたり滞空でき、警戒監視任務や大規模災害時の情報収集や即時の画像情報共有などで期待されています。
RQ-4グローバルホーク無人偵察機、航空自衛隊はRF-4戦術偵察機全廃に当たり偵察航空隊を廃止しましたが、別組織としてRQ-4グローバルホーク無人偵察機とともに偵察航空隊を新編しています。旅客機の巡航高度よりも高い空域を飛行することで長時間にわたり飛行が可能、そのセンサーは半径120㎞以遠を正確に画像撮影し情報伝送が可能という。
■軽戦闘機用AESAレーダー
韓国は4.9世代戦闘機を国産化するのだけれどのこのまま日英伊戦闘機開発にも参加するのだろうか。
韓国のハンファエアロスペース社はイタリアのレオナルド社との間で軽戦闘機用AESAレーダー開発で提携を発表しました、この点についてパリエアショー2023において発表されるとともに6月19日に両社代表による覚書締結に進んでいて、これにより今後、世界の高等練習機派生軽戦闘機の標準的なレーダー開発へと進む可能性が出てきました。
レオパルド社はM-346高等練習機の軽戦闘機型を開発、元々は純粋な練習機となっていましたが源流が同じYak-130が軽攻撃機型を開発しており、これに触発された構図です。そしてハンファエアロスペース社はFA-50戦闘機を開発、T-50超音速練習機の改良型で初期のF-16を凌駕する軽戦闘機ながら安価であるとして近年注目を集めている航空機です。
■アレクシス電子戦システム
アレクシス電子戦システムを検討しているもよう。
ドイツ空軍はタイフーン戦闘機電子戦型の開発にサーブ社案を採用しました。第4.5世代の多目的戦闘機であるユーロファイタータイフーン戦闘機、ドイツ空軍ではこの中の15機について電子戦機への改修計画を進めています。この中で部内選定によりスウェーデンのサーブ社が製造供給するアレクシス電子戦システムが最適と判断されたかたち。
タイフーン戦闘機電子戦型として選定を行ったのはBAAINBwドイツ国防調達局で、市場調査によりサーブ社のアレクシスを有力候補と位置付けたかたち。なお、今回の機種選定はあくまでBAAINBwが独自の市場調査により行ったもので、ドイツ政府とサーブ社の正式契約に至った訳ではありません。アレクシス電子戦システムはポッド式です。
アレクシス電子戦システムについて詳細は公表されていませんが、AI人工知能を応用した敵対勢力による電子攻撃に対するアルゴリズム構築により回避経路と対抗電子手段を即座に展開する電子戦システムで、BAAINBwはこの決定をサーブ社に通知しており、サーブ社ではタイフーン戦闘機への適合など、次の段階に進むことを期待しているという。
■12.7mm機関銃ポッド
機関砲ではなく機関銃です。
イタリアが生産するM-346FA軽戦闘機に新型機関砲ポッドの搭載研究が開始されました。これはフランスのネクスター社が提案したもので、M-346練習機、元々は高等練習機として開発されたM-346を安価な亜音速軽戦闘機へ改良する試みの一つです。現在搭載されているのはKNDS社が開発した12.7mm機関銃ポッド、威力がたりません。
ネクスター社は同社が多数を生産しているM-621機関砲をポッド化し、M-346FAへ搭載する構想で、現在開発されているものは機体の胴体下部一杯を使ったポッド、この位置に搭載することで主翼下の増槽装着などの冗長性は残されるとのこと。近年、世界の戦闘機市場は高価な機種が目立ち、安価な軽戦闘機を求める諸国には一定の需要が見込めます。
■デリラ巡航ミサイル
射程250kmでも有用であるのはウクライナでストームシャドウが証明しています。
モロッコ空軍はイスラエル製デリラ巡航ミサイルの取得交渉を実施中です、デリラ巡航ミサイルは射程250㎞で巡航ミサイルではあるものの中間指令誘導能力を持ち、一種の徘徊式弾薬として発射後に目標を変更することが可能であるとともに、移動目標に対しても命中させることが可能となっており、元々は無人標的機として設計されていたもの。
デリラ巡航ミサイルは、徘徊式弾薬として運用可能であり特に競合地域や国境地域において哨戒飛行のように徘徊させることも可能とのこと。発射システムは航空機やヘリコプターからの発射に加え地上発射システムも開発されています。射程250㎞は巡航ミサイルとしては短距離型となりますが、アフリカ地域における大きなポテンシャルでしょう。
■ELM-2060PES-AES
こういうものを見ると海洋監視航空機はセンサーだけなのだなあとおもう。
イスラエルのIAI社は画期的なELM-2060PES-AESA-SAR/GMTI偵察ポッドを発表しました。正確にはIAIイスラエルエアロスメースインダストリアル社の子会社であるエルタシステムズ社が発表したもので、ポッド方式にてAESAレーダーとGMTI目標指示装置を統合したもので、合成開口レーダーにより地上を画像のように合成する能力を持つ。
ELM-2060PES-AESA-SAR/GMTI偵察ポッドの特筆すべき点は、雲などを貫通して地上の画像情報を写真のように合成できる点とともにもう一つ、形状が航空機用増槽の形状を採用しており、どのような航空機にも搭載可能である点を挙げており、エルタシステムズ社はこの点を強調しイメージ画像にユーロファイタータイフーン戦闘機を挙げています。
■F3R-Form/Fit,/Function/Refresh
AMRAAMの更なる一歩です。
アメリカ空軍はF-16戦闘機からの最新のAIM-120D3空対空ミサイルの発射実験を成功させました。これはレイセオンミサイルアンドディフェンス社とともに開発していた最新型のAMRAAMミサイルであり、第四世代戦闘機の性能底上げと第五世代戦闘機の優位性確保を念頭に2025年までに完成を目指している空対空ミサイルです。
F3R-Form/Fit,/Function/Refreshという従来のAMRAAMから一歩前進した空対空ミサイルは、メーカーであるレイセオンミサイルアンドディフェンス社では詳細を示していませんが、飛翔時間の関係上射程が延伸している可能性があり、特に近年課題となっている中国やロシアの空対空ミサイルの射程延伸によるギャップに配慮している可能性が。
AIM-120D3空対空ミサイルは従来のAIM-120Dではすでに射程が180㎞とかつてのF-14戦闘機が運用したフェニックス空対空ミサイルを凌駕する射程を実現していますが、既に中国とロシアは350㎞級の空対空ミサイルを実戦配備しており、アメリカは新しくAIM-260ミサイルを開発中、その完成までの間AIM-120D3の役割が期待されます。
■A-29スーパーツカノ
A-29スーパーツカノのような航空機がウクライナにあれば第一線の近接航空支援委寄与するのかカモmにされるだけなので榴弾砲だけの方がマシなのかを考えてしまう事がある。
ブラジルのエンブラエル社はA-29スーパーツカノについて欧州での販路を確信している、7月13日から開催されているイギリスのロイヤルエアタトゥー2023国際航空祭に際して強調しました。現在同社ではスーパーツカノのNATO仕様機を開発しており、その最終組み立てや定期整備の拠点としてポルトガルを想定しているとのことです。
A-29スーパーツカノはCOIN機であり、正規軍を想定した戦闘には対応しないとされ、またこの種の任務は無人航空機が担うとされています。しかし、ウクライナの戦場を見れば無人航空機は攻勢作戦に威力を十分発揮できず、高価過ぎる戦闘機は不足し近接航空支援には殆ど対応しません。COIN機はこうした想定に対し需要を見込むのでしょう。
■JAS-39戦闘機機種転換
JAS-39はブラジルではF-39というけれども肝心のJAS-39写真が手元にないので代用で。
ブラジル空軍はスウェーデン空軍によるJAS-39戦闘機機種転換訓練を修了させたとのこと。ブラジル空軍は次期戦闘機としてJAS-39戦闘機をF-39戦闘機として選定、順次スウェーデンから航空機が納入されています。これにあわせてスウェーデンでの機種転換訓練が実施され、6月13日に第一期訓練生が機種転換訓練を修了したとのことです。
JAS-39戦闘機の機種転換訓練は11週間、座学から航空機飛行訓練までが組まれ、50回にわたる飛行訓練は昼夜の飛行訓練と計器飛行、また編隊訓練などを実施、これが第一段階に当たり、第二段階は9週間にわたりシステム運用訓練など25回の飛行訓練が行われます。飛行訓練はブラジルが導入したものより古いJAS-39C/Dがも用いられました。
■カナダ製哨戒機売り込み
海洋哨戒機で対潜能力を確保したものを想定するならばグローバル6500の派生型は良い選択肢に見えますね。
カナダ空軍の次期哨戒機選定に向けボンバルディア社がカナダ製哨戒機売り込みを強化しました。ビジネスジェットやリージョナルジェットなどを多数製造するボンバルディア社はリージョナルジェットの分野において世界市場第三位の座をブラジルのエンブラエル社に明け渡していますが、依然として世界第四位の旅客機メーカーとなっています。
ボンバルディア社はグローバル6500ビジネスジェットへ、主翼にハープーンミサイル最大4発の運用能力と、胴体下部に兵装庫を追加しソノブイなどの格納スペースを加え、また胴体に広くセンサー部を装着し尾部にMADを設置した海上哨戒機のイメージ図を作成、カナダ軍のP-3オライオン哨戒機後継機としてカナダ製航空機を売り込んでいます。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
今回も空軍関連の話題です。
フランス空軍はA-330-MRTT空中給油輸送機10号機を受領しました。10号機の納入は5月17日、フランス国防省軍備総局DGAに対して行われ、2023年内に11号機と12号機を続いて納入することとなります。フランス空軍がエアバスA-330-MRTT空中給油輸送機の導入を発表したのは2013年5月、10年目にして10号機の納入となりました。
A-330-MRTT空中給油輸送機について、導入計画では2013年に12機から14機の導入計画を検討し、2014年2月20日に景気後退を受け12機以下となる可能性が示唆、しかし複数年度に分け30億ユーロ、米貨換算33億ドルに上る調達計画が正式成立し、初号機は2018年に納入されました。フランス空軍の戦略展開能力を飛躍的に高める装備です。
■KC-46Aペガサス
KC-46Aペガサスは不具合も伝えられたけれども。
アメリカ空軍はKC-46Aペガサス空中給油機15機を22億ドルで追加調達します、新しい契約はすでに量産が開始されていますKC-46A空中給油機の第九次生産分としてボーイング社との間で成約したもので、これは2023会計年度の固定価格契約として結ばれたものとなり、今回契約された15機は2026年8月31日までに納入される契約となっている。
KC-46Aペガサス空中給油機は従来の空中給油機に対して画期的な点として、従来の航空機では給油オペレータは機体後部において直接給油対象の航空機に対してフライングブームを操作していましたが、KC-46Aペガサス空中給油機からは給油オペレータは操縦席近くのAROSオペレーションルームより画像を介して給油を行う方式へと改良されました。
■偵察航空隊
時間はかかったけれども偵察航空隊は名実ともに復活という訳だ。
航空自衛隊はRQ-4グローバルホーク無人偵察機3号機の三沢基地配備を完了しました。これは航空自衛隊が導入する3機のグローバルホーク納入完了を意味し、偵察航空隊での運用が本格化します。RQ-4グローバルホークは、高高度を長時間にわたり滞空でき、警戒監視任務や大規模災害時の情報収集や即時の画像情報共有などで期待されています。
RQ-4グローバルホーク無人偵察機、航空自衛隊はRF-4戦術偵察機全廃に当たり偵察航空隊を廃止しましたが、別組織としてRQ-4グローバルホーク無人偵察機とともに偵察航空隊を新編しています。旅客機の巡航高度よりも高い空域を飛行することで長時間にわたり飛行が可能、そのセンサーは半径120㎞以遠を正確に画像撮影し情報伝送が可能という。
■軽戦闘機用AESAレーダー
韓国は4.9世代戦闘機を国産化するのだけれどのこのまま日英伊戦闘機開発にも参加するのだろうか。
韓国のハンファエアロスペース社はイタリアのレオナルド社との間で軽戦闘機用AESAレーダー開発で提携を発表しました、この点についてパリエアショー2023において発表されるとともに6月19日に両社代表による覚書締結に進んでいて、これにより今後、世界の高等練習機派生軽戦闘機の標準的なレーダー開発へと進む可能性が出てきました。
レオパルド社はM-346高等練習機の軽戦闘機型を開発、元々は純粋な練習機となっていましたが源流が同じYak-130が軽攻撃機型を開発しており、これに触発された構図です。そしてハンファエアロスペース社はFA-50戦闘機を開発、T-50超音速練習機の改良型で初期のF-16を凌駕する軽戦闘機ながら安価であるとして近年注目を集めている航空機です。
■アレクシス電子戦システム
アレクシス電子戦システムを検討しているもよう。
ドイツ空軍はタイフーン戦闘機電子戦型の開発にサーブ社案を採用しました。第4.5世代の多目的戦闘機であるユーロファイタータイフーン戦闘機、ドイツ空軍ではこの中の15機について電子戦機への改修計画を進めています。この中で部内選定によりスウェーデンのサーブ社が製造供給するアレクシス電子戦システムが最適と判断されたかたち。
タイフーン戦闘機電子戦型として選定を行ったのはBAAINBwドイツ国防調達局で、市場調査によりサーブ社のアレクシスを有力候補と位置付けたかたち。なお、今回の機種選定はあくまでBAAINBwが独自の市場調査により行ったもので、ドイツ政府とサーブ社の正式契約に至った訳ではありません。アレクシス電子戦システムはポッド式です。
アレクシス電子戦システムについて詳細は公表されていませんが、AI人工知能を応用した敵対勢力による電子攻撃に対するアルゴリズム構築により回避経路と対抗電子手段を即座に展開する電子戦システムで、BAAINBwはこの決定をサーブ社に通知しており、サーブ社ではタイフーン戦闘機への適合など、次の段階に進むことを期待しているという。
■12.7mm機関銃ポッド
機関砲ではなく機関銃です。
イタリアが生産するM-346FA軽戦闘機に新型機関砲ポッドの搭載研究が開始されました。これはフランスのネクスター社が提案したもので、M-346練習機、元々は高等練習機として開発されたM-346を安価な亜音速軽戦闘機へ改良する試みの一つです。現在搭載されているのはKNDS社が開発した12.7mm機関銃ポッド、威力がたりません。
ネクスター社は同社が多数を生産しているM-621機関砲をポッド化し、M-346FAへ搭載する構想で、現在開発されているものは機体の胴体下部一杯を使ったポッド、この位置に搭載することで主翼下の増槽装着などの冗長性は残されるとのこと。近年、世界の戦闘機市場は高価な機種が目立ち、安価な軽戦闘機を求める諸国には一定の需要が見込めます。
■デリラ巡航ミサイル
射程250kmでも有用であるのはウクライナでストームシャドウが証明しています。
モロッコ空軍はイスラエル製デリラ巡航ミサイルの取得交渉を実施中です、デリラ巡航ミサイルは射程250㎞で巡航ミサイルではあるものの中間指令誘導能力を持ち、一種の徘徊式弾薬として発射後に目標を変更することが可能であるとともに、移動目標に対しても命中させることが可能となっており、元々は無人標的機として設計されていたもの。
デリラ巡航ミサイルは、徘徊式弾薬として運用可能であり特に競合地域や国境地域において哨戒飛行のように徘徊させることも可能とのこと。発射システムは航空機やヘリコプターからの発射に加え地上発射システムも開発されています。射程250㎞は巡航ミサイルとしては短距離型となりますが、アフリカ地域における大きなポテンシャルでしょう。
■ELM-2060PES-AES
こういうものを見ると海洋監視航空機はセンサーだけなのだなあとおもう。
イスラエルのIAI社は画期的なELM-2060PES-AESA-SAR/GMTI偵察ポッドを発表しました。正確にはIAIイスラエルエアロスメースインダストリアル社の子会社であるエルタシステムズ社が発表したもので、ポッド方式にてAESAレーダーとGMTI目標指示装置を統合したもので、合成開口レーダーにより地上を画像のように合成する能力を持つ。
ELM-2060PES-AESA-SAR/GMTI偵察ポッドの特筆すべき点は、雲などを貫通して地上の画像情報を写真のように合成できる点とともにもう一つ、形状が航空機用増槽の形状を採用しており、どのような航空機にも搭載可能である点を挙げており、エルタシステムズ社はこの点を強調しイメージ画像にユーロファイタータイフーン戦闘機を挙げています。
■F3R-Form/Fit,/Function/Refresh
AMRAAMの更なる一歩です。
アメリカ空軍はF-16戦闘機からの最新のAIM-120D3空対空ミサイルの発射実験を成功させました。これはレイセオンミサイルアンドディフェンス社とともに開発していた最新型のAMRAAMミサイルであり、第四世代戦闘機の性能底上げと第五世代戦闘機の優位性確保を念頭に2025年までに完成を目指している空対空ミサイルです。
F3R-Form/Fit,/Function/Refreshという従来のAMRAAMから一歩前進した空対空ミサイルは、メーカーであるレイセオンミサイルアンドディフェンス社では詳細を示していませんが、飛翔時間の関係上射程が延伸している可能性があり、特に近年課題となっている中国やロシアの空対空ミサイルの射程延伸によるギャップに配慮している可能性が。
AIM-120D3空対空ミサイルは従来のAIM-120Dではすでに射程が180㎞とかつてのF-14戦闘機が運用したフェニックス空対空ミサイルを凌駕する射程を実現していますが、既に中国とロシアは350㎞級の空対空ミサイルを実戦配備しており、アメリカは新しくAIM-260ミサイルを開発中、その完成までの間AIM-120D3の役割が期待されます。
■A-29スーパーツカノ
A-29スーパーツカノのような航空機がウクライナにあれば第一線の近接航空支援委寄与するのかカモmにされるだけなので榴弾砲だけの方がマシなのかを考えてしまう事がある。
ブラジルのエンブラエル社はA-29スーパーツカノについて欧州での販路を確信している、7月13日から開催されているイギリスのロイヤルエアタトゥー2023国際航空祭に際して強調しました。現在同社ではスーパーツカノのNATO仕様機を開発しており、その最終組み立てや定期整備の拠点としてポルトガルを想定しているとのことです。
A-29スーパーツカノはCOIN機であり、正規軍を想定した戦闘には対応しないとされ、またこの種の任務は無人航空機が担うとされています。しかし、ウクライナの戦場を見れば無人航空機は攻勢作戦に威力を十分発揮できず、高価過ぎる戦闘機は不足し近接航空支援には殆ど対応しません。COIN機はこうした想定に対し需要を見込むのでしょう。
■JAS-39戦闘機機種転換
JAS-39はブラジルではF-39というけれども肝心のJAS-39写真が手元にないので代用で。
ブラジル空軍はスウェーデン空軍によるJAS-39戦闘機機種転換訓練を修了させたとのこと。ブラジル空軍は次期戦闘機としてJAS-39戦闘機をF-39戦闘機として選定、順次スウェーデンから航空機が納入されています。これにあわせてスウェーデンでの機種転換訓練が実施され、6月13日に第一期訓練生が機種転換訓練を修了したとのことです。
JAS-39戦闘機の機種転換訓練は11週間、座学から航空機飛行訓練までが組まれ、50回にわたる飛行訓練は昼夜の飛行訓練と計器飛行、また編隊訓練などを実施、これが第一段階に当たり、第二段階は9週間にわたりシステム運用訓練など25回の飛行訓練が行われます。飛行訓練はブラジルが導入したものより古いJAS-39C/Dがも用いられました。
■カナダ製哨戒機売り込み
海洋哨戒機で対潜能力を確保したものを想定するならばグローバル6500の派生型は良い選択肢に見えますね。
カナダ空軍の次期哨戒機選定に向けボンバルディア社がカナダ製哨戒機売り込みを強化しました。ビジネスジェットやリージョナルジェットなどを多数製造するボンバルディア社はリージョナルジェットの分野において世界市場第三位の座をブラジルのエンブラエル社に明け渡していますが、依然として世界第四位の旅客機メーカーとなっています。
ボンバルディア社はグローバル6500ビジネスジェットへ、主翼にハープーンミサイル最大4発の運用能力と、胴体下部に兵装庫を追加しソノブイなどの格納スペースを加え、また胴体に広くセンサー部を装着し尾部にMADを設置した海上哨戒機のイメージ図を作成、カナダ軍のP-3オライオン哨戒機後継機としてカナダ製航空機を売り込んでいます。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)