■本土防衛と国民保護
国民は本土に居るという昭和型の、いや昭和でもそういった訳では無かったのですが一種の考え方として定着した認識から防衛を切替えねばなりません。

両用作戦能力と潜水艦作戦能力をどのように展開すべきか。おおすみ型輸送艦は一番艦おおすみ竣工が1998年であり艦齢を考えますとそろそろ後継艦というものを具体化せねばなりません。しかしそれ以上に掃海隊群の掃海母艦うらが型2隻も古く、やはり後継艦という計画が必要になる時代です。そして掃海隊群は転換期だ。

掃海隊群の最大の変革は、もがみ型護衛艦配備により掃海方式が水上戦闘艦を基点として行うオーガニック方式へ転換したことですが、おおすみ型輸送艦を所管する輸送隊の隷下編入という現在の変革の前にもう既に大きな変革、掃海任務に両用作戦能力の統合という、両用作戦に必要な指揮機能の統合が行われたばかりなのです。

FFMからFFGへ、もがみ型護衛艦について驚いたのは海上自衛隊部内の一部に武装が不十分という声が挙がっていることを側聞した点です。掃海艇の後継という部分をふまえれば20mm機関砲とせいぜい鮫よけ散弾銃が武装であった時代と比較しますと充分であるようにみえたのですが、はつゆき型護衛艦後継には不十分だという。

はつゆき型護衛艦、満載排水量4000t少々の護衛艦に予備弾つきのアスロックとハープーンにシースパローを搭載し哨戒ヘリコプターも搭載、駆逐艦初雪を含めた特型駆逐艦も驚くほどの重武装といえる護衛艦でしたから、考えてみれば基準排水量2900tとFFMは3900t、もっと重武装、という声は確かにあり得るのでしょうか。

もがみ型は22隻が量産される計画で、当初から全て同型艦となるのではなくバッチ1とバッチ2に改良されるとはいわれていました、そして2022年防衛力整備計画により護衛艦隊以外の護衛艦枠が24隻まで拡充していますが、どうもFFG多機能護衛艦からFFH防空フリゲイトへ、基準排水量で言えば4800tに拡大され重武装化する。

えのしま型掃海艇建造は継続され、ひらど型掃海艦の増強も行われるのですが、今後自衛隊の掃海能力方向性をどう展開させるのかについて、議論があるという。具体的には、オーガニック方式が現実的なのか、という急速な掃海任務方式変更による課題というものです。掃海艇は護衛艦とは別枠で確保すべきではないか、と。

パワープロジェクションというものを日本全体で考えてゆく必要がある。これは2023年という昨年一年間で邦人救出任務を二度も実施したほか、おそらく政治資金問題で機能不随となっている岸田政権でなければ安保法を適用したであろうアラビア海とインド洋における日本船舶への攻撃事案の発生、こうしたことが昨年は多かった点は記憶せねばならない。

パワープロジェクション、戦力投射とも訳されまして実際ここではパワープロジェクションシップという単語を戦力投射艦と訳しているのですが、要するに遠隔地へパワー、自衛隊でもほかの法執行機関でも、こうしたものを展開させる能力です。輸送艦やヘリコプター搭載護衛艦、いろいろ考えられるものですが手段はどんなものでも。

憲法の問題はどうするのか。こういう指摘はあるのでしょうけれども、まあ、なんとか解釈改憲で邦人保護や邦人救出と紛争拡大阻止を含む予防外交は対応できると考えます。もちろん、拡大阻止のなかでも中東戦争規模の有事に戦車部隊を派遣するのは議論余地があるかもしれませんが、PKO協力法でも実施できるものは多いといえる。

新しい88艦隊、としましてF-35運用能力をもつヘリコプター搭載護衛艦を遊弋させるという選択肢も、もちろん考えられるのですが、必要ならば自衛隊を緊急展開させる様々な枠組みを構築してゆく必要があります。もちろん、いくだけならば空挺団の即応性など頼れる部隊は多いですけれども、持続的に、と考えるとそれは厳しい点もあるでしょう。

交代要員の問題もありますし、最初の火消しとその後の監視任務などを考えますと、軽装備の普通科部隊や輸送機の増強と、現在検討されている輸送艦と補給艦の統合化したオランダ海軍が計画しカナダなども建造しているような戦力投射艦も選択肢でしょう。とにもかくにも、防衛力整備とともに防衛以外の邦人保護という新課題を突き付けられている。

潜水艦など、もちろん日本周辺地域において従来型の専守防衛、これにはトマホーク運用能力を持つ潜水艦による余裕のない厳しい戦いも含め、想定する必要はあるのですが、同時に本土防衛とは分けて、極めて遠隔地における日本の経済活動、資源の無いわが国を維持するための努力をどう支えるか、という点に自衛隊運用は二分化を求められるのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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国民は本土に居るという昭和型の、いや昭和でもそういった訳では無かったのですが一種の考え方として定着した認識から防衛を切替えねばなりません。

両用作戦能力と潜水艦作戦能力をどのように展開すべきか。おおすみ型輸送艦は一番艦おおすみ竣工が1998年であり艦齢を考えますとそろそろ後継艦というものを具体化せねばなりません。しかしそれ以上に掃海隊群の掃海母艦うらが型2隻も古く、やはり後継艦という計画が必要になる時代です。そして掃海隊群は転換期だ。

掃海隊群の最大の変革は、もがみ型護衛艦配備により掃海方式が水上戦闘艦を基点として行うオーガニック方式へ転換したことですが、おおすみ型輸送艦を所管する輸送隊の隷下編入という現在の変革の前にもう既に大きな変革、掃海任務に両用作戦能力の統合という、両用作戦に必要な指揮機能の統合が行われたばかりなのです。

FFMからFFGへ、もがみ型護衛艦について驚いたのは海上自衛隊部内の一部に武装が不十分という声が挙がっていることを側聞した点です。掃海艇の後継という部分をふまえれば20mm機関砲とせいぜい鮫よけ散弾銃が武装であった時代と比較しますと充分であるようにみえたのですが、はつゆき型護衛艦後継には不十分だという。

はつゆき型護衛艦、満載排水量4000t少々の護衛艦に予備弾つきのアスロックとハープーンにシースパローを搭載し哨戒ヘリコプターも搭載、駆逐艦初雪を含めた特型駆逐艦も驚くほどの重武装といえる護衛艦でしたから、考えてみれば基準排水量2900tとFFMは3900t、もっと重武装、という声は確かにあり得るのでしょうか。

もがみ型は22隻が量産される計画で、当初から全て同型艦となるのではなくバッチ1とバッチ2に改良されるとはいわれていました、そして2022年防衛力整備計画により護衛艦隊以外の護衛艦枠が24隻まで拡充していますが、どうもFFG多機能護衛艦からFFH防空フリゲイトへ、基準排水量で言えば4800tに拡大され重武装化する。

えのしま型掃海艇建造は継続され、ひらど型掃海艦の増強も行われるのですが、今後自衛隊の掃海能力方向性をどう展開させるのかについて、議論があるという。具体的には、オーガニック方式が現実的なのか、という急速な掃海任務方式変更による課題というものです。掃海艇は護衛艦とは別枠で確保すべきではないか、と。

パワープロジェクションというものを日本全体で考えてゆく必要がある。これは2023年という昨年一年間で邦人救出任務を二度も実施したほか、おそらく政治資金問題で機能不随となっている岸田政権でなければ安保法を適用したであろうアラビア海とインド洋における日本船舶への攻撃事案の発生、こうしたことが昨年は多かった点は記憶せねばならない。

パワープロジェクション、戦力投射とも訳されまして実際ここではパワープロジェクションシップという単語を戦力投射艦と訳しているのですが、要するに遠隔地へパワー、自衛隊でもほかの法執行機関でも、こうしたものを展開させる能力です。輸送艦やヘリコプター搭載護衛艦、いろいろ考えられるものですが手段はどんなものでも。

憲法の問題はどうするのか。こういう指摘はあるのでしょうけれども、まあ、なんとか解釈改憲で邦人保護や邦人救出と紛争拡大阻止を含む予防外交は対応できると考えます。もちろん、拡大阻止のなかでも中東戦争規模の有事に戦車部隊を派遣するのは議論余地があるかもしれませんが、PKO協力法でも実施できるものは多いといえる。

新しい88艦隊、としましてF-35運用能力をもつヘリコプター搭載護衛艦を遊弋させるという選択肢も、もちろん考えられるのですが、必要ならば自衛隊を緊急展開させる様々な枠組みを構築してゆく必要があります。もちろん、いくだけならば空挺団の即応性など頼れる部隊は多いですけれども、持続的に、と考えるとそれは厳しい点もあるでしょう。

交代要員の問題もありますし、最初の火消しとその後の監視任務などを考えますと、軽装備の普通科部隊や輸送機の増強と、現在検討されている輸送艦と補給艦の統合化したオランダ海軍が計画しカナダなども建造しているような戦力投射艦も選択肢でしょう。とにもかくにも、防衛力整備とともに防衛以外の邦人保護という新課題を突き付けられている。

潜水艦など、もちろん日本周辺地域において従来型の専守防衛、これにはトマホーク運用能力を持つ潜水艦による余裕のない厳しい戦いも含め、想定する必要はあるのですが、同時に本土防衛とは分けて、極めて遠隔地における日本の経済活動、資源の無いわが国を維持するための努力をどう支えるか、という点に自衛隊運用は二分化を求められるのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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