■泥縄式防衛力整備の限界
B-17はもともと爆撃機ではなく哨戒機であり沿岸防衛用であった、実際アメリカは第二次大戦緒戦に誤報でしたが戦艦榛名撃沈を発表しています。

自衛隊は地上配備型として、その射程から射程内の周辺国に敵意を突きつける地対地ミサイルを大量配備するという現在の施策を採るよりも、安全保障協力法により活動範囲が拡大したことを受け、敢えて航空防衛力に現在整備されている反撃能力を転換してゆくべきではないのか、という視点でミサイルキャリアーを整備すべきと思う。

B-21爆撃機、アメリカのノースロップ社が現在開発しているB-2爆撃機の後継機は爆撃機としての運用に加えて空対空ミサイルを大量に搭載し、DMO分散型ドクトリンに基づいた、ほかの警戒監視システムが標定した目標に対して空対空ミサイルを大量投射する運用を模索しているという。肝心のB-21初飛行はもう少しさきのようだが。

C-17輸送機をミサイル母艦のように運用するラピットドラゴン計画やKC-130空中給油輸送機にミサイルを搭載するハーベストホーク計画など、輸送機をミサイル運用に、つまりミサイルキャリアーとして運用する計画は既に複数存在していて、防衛装備庁もC-2輸送機ミサイルキャリアー化の研究を開始したことが2023年に報じられた。

C-2輸送機、アメリカが輸送機をミサイルキャリアーとして運用する計画の背景には、もはやアメリカ軍が将来想定する戦場では超長射程のミサイルが乱れ飛ぶ厳しい戦場となるため、安穏とヴェトナム戦争のように最前線へ輸送機が物資を輸送できるような状況ではないという念頭に、では輸送機の有事の任務とは、という視座がある。

ラピットドラゴンやハーベストホークのような運用は日本でももちろん考える必要があると思う。いやそれ以上に、入間と美保に配備されているC-2輸送機はC-1輸送機と同程度まで機数を回復させるべきであるし、小牧のC-130Hも、取得費用が高騰しているC-130JなどではなくC-2を配備すべき、そしてもう一個飛行隊増やすべき。

しかし、そのさきに、です。日本としてはこのまま地対地ミサイルを増強する、陸上自衛隊のミサイル自衛隊化というべき状況を進めるべきなのだろうか、それよりは様々な地域へ展開させるための装備であると方便が成り立つ、オーストラリアが一応検討したB-21爆撃機のようなものを導入すべきではないか、とおもうのですね。

F-35戦闘機とともにイギリスとともに共同開発を進めるGCAP次期戦闘機計画と、F-15戦闘機近代化改修計画、航空自衛隊の防空能力は大きく強化されてゆく過程にはあるのでしょうけれども、それ以上に我が国周辺ではJ-20戦闘機の量産強化や既に膨大な数となっているJ-16戦闘機と、日本の防空強化は既に後手となっている状況だ。

爆撃機とは、と反論される方もいるのかもしれませんが、これは都市爆撃など、日本で記憶されているB-29のような運用を念頭としたものではなく、海洋哨戒と対艦攻撃を念頭としたB-17のような運用、というべきなのでしょうか。もちろんB-17は使い方によっては爆弾搭載能力も大きく、というよりもドイツでは都市攻撃に用いられましたが。

航空優勢を確保できる戦闘機、といいますか要撃機、これを確保することが理想なのでしょうけれども。かつて中国空軍が4000機と世界最大の空軍を保持していた時代にはその戦闘機はJ-6やJ-7,日本は沖縄県を含めその戦闘行動半径外でした。しかし現在は機数こそ大幅にコンパクト化しましたが、Su-27やJ-10などは西日本まで戦闘行動半径に含む。

F-2戦闘機でも充分な数が合れば、中国軍に対して、反撃能力とか、敵基地攻撃能力というような踏み込んだ防衛力を整備せずとも、つまり今までの種類の装備で充分対抗できるのかもしれませんが、それはF-2戦闘機をかつてのF-86F戦闘機のような数、F-86Fは420機ほど名古屋で製造されましたが、これくらいなければ足りません。

年産36機程度、というところでしょうか。もちろんF-35の配備やGCAPの開発と並行して量産して、なんとか中国空軍の圧力に対抗できる、という印象です。ここまでの大幅な拡張は非現実的である、と成りますと、何か選択肢を変える必要はないか。ここでB-21のような航空機とC-2のラピッドドラゴン運用を提示しました次第です。

結局のところ、防衛力は現状では不充分なのですが、継ぎ足し方式の戦闘機定数のような泥縄式の防衛力整備だけで十分なのか、ゲームチェンジャーのような画期的な防衛力の核心を行う必要はないのか、と考えるのです。もっとも、これは今政府が進める反撃能力こそがこれに当るのですが、そのほかにも選択肢はないのか、考えてみました次第です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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B-17はもともと爆撃機ではなく哨戒機であり沿岸防衛用であった、実際アメリカは第二次大戦緒戦に誤報でしたが戦艦榛名撃沈を発表しています。

自衛隊は地上配備型として、その射程から射程内の周辺国に敵意を突きつける地対地ミサイルを大量配備するという現在の施策を採るよりも、安全保障協力法により活動範囲が拡大したことを受け、敢えて航空防衛力に現在整備されている反撃能力を転換してゆくべきではないのか、という視点でミサイルキャリアーを整備すべきと思う。

B-21爆撃機、アメリカのノースロップ社が現在開発しているB-2爆撃機の後継機は爆撃機としての運用に加えて空対空ミサイルを大量に搭載し、DMO分散型ドクトリンに基づいた、ほかの警戒監視システムが標定した目標に対して空対空ミサイルを大量投射する運用を模索しているという。肝心のB-21初飛行はもう少しさきのようだが。

C-17輸送機をミサイル母艦のように運用するラピットドラゴン計画やKC-130空中給油輸送機にミサイルを搭載するハーベストホーク計画など、輸送機をミサイル運用に、つまりミサイルキャリアーとして運用する計画は既に複数存在していて、防衛装備庁もC-2輸送機ミサイルキャリアー化の研究を開始したことが2023年に報じられた。

C-2輸送機、アメリカが輸送機をミサイルキャリアーとして運用する計画の背景には、もはやアメリカ軍が将来想定する戦場では超長射程のミサイルが乱れ飛ぶ厳しい戦場となるため、安穏とヴェトナム戦争のように最前線へ輸送機が物資を輸送できるような状況ではないという念頭に、では輸送機の有事の任務とは、という視座がある。

ラピットドラゴンやハーベストホークのような運用は日本でももちろん考える必要があると思う。いやそれ以上に、入間と美保に配備されているC-2輸送機はC-1輸送機と同程度まで機数を回復させるべきであるし、小牧のC-130Hも、取得費用が高騰しているC-130JなどではなくC-2を配備すべき、そしてもう一個飛行隊増やすべき。

しかし、そのさきに、です。日本としてはこのまま地対地ミサイルを増強する、陸上自衛隊のミサイル自衛隊化というべき状況を進めるべきなのだろうか、それよりは様々な地域へ展開させるための装備であると方便が成り立つ、オーストラリアが一応検討したB-21爆撃機のようなものを導入すべきではないか、とおもうのですね。

F-35戦闘機とともにイギリスとともに共同開発を進めるGCAP次期戦闘機計画と、F-15戦闘機近代化改修計画、航空自衛隊の防空能力は大きく強化されてゆく過程にはあるのでしょうけれども、それ以上に我が国周辺ではJ-20戦闘機の量産強化や既に膨大な数となっているJ-16戦闘機と、日本の防空強化は既に後手となっている状況だ。

爆撃機とは、と反論される方もいるのかもしれませんが、これは都市爆撃など、日本で記憶されているB-29のような運用を念頭としたものではなく、海洋哨戒と対艦攻撃を念頭としたB-17のような運用、というべきなのでしょうか。もちろんB-17は使い方によっては爆弾搭載能力も大きく、というよりもドイツでは都市攻撃に用いられましたが。

航空優勢を確保できる戦闘機、といいますか要撃機、これを確保することが理想なのでしょうけれども。かつて中国空軍が4000機と世界最大の空軍を保持していた時代にはその戦闘機はJ-6やJ-7,日本は沖縄県を含めその戦闘行動半径外でした。しかし現在は機数こそ大幅にコンパクト化しましたが、Su-27やJ-10などは西日本まで戦闘行動半径に含む。

F-2戦闘機でも充分な数が合れば、中国軍に対して、反撃能力とか、敵基地攻撃能力というような踏み込んだ防衛力を整備せずとも、つまり今までの種類の装備で充分対抗できるのかもしれませんが、それはF-2戦闘機をかつてのF-86F戦闘機のような数、F-86Fは420機ほど名古屋で製造されましたが、これくらいなければ足りません。

年産36機程度、というところでしょうか。もちろんF-35の配備やGCAPの開発と並行して量産して、なんとか中国空軍の圧力に対抗できる、という印象です。ここまでの大幅な拡張は非現実的である、と成りますと、何か選択肢を変える必要はないか。ここでB-21のような航空機とC-2のラピッドドラゴン運用を提示しました次第です。

結局のところ、防衛力は現状では不充分なのですが、継ぎ足し方式の戦闘機定数のような泥縄式の防衛力整備だけで十分なのか、ゲームチェンジャーのような画期的な防衛力の核心を行う必要はないのか、と考えるのです。もっとも、これは今政府が進める反撃能力こそがこれに当るのですが、そのほかにも選択肢はないのか、考えてみました次第です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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