北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

令和五年度一月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2024.01.13-2024.01.14)

2024-01-12 20:06:20 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 能登半島地震はいまなお孤立地域や孤立が解消するものの実質的に一般車両が通行できない地域があるなど状況は深刻です。

 今週末の自衛隊関連行事は行われません。また消防関連では幾つかの消防出初式が予定されていたと聞きますが、中止されているものも甥ので最新の情報に御留意下さい。自衛隊関連行事が行われない際には、基地を巡ってみては、という内容をこれまで紹介して参りましたが、現状では災害派遣が行われている最中です。先週の横須賀は平常でしたが。

 災害派遣、その概況を報道や公式発表などを概括していますと、大変だなあ、の一言に尽きるのですが、一方で自衛隊関連行事などを見続けていますと、例えば、輸送艦が大きくはなったものの、数の方はどんどん減っていまして、今回の地震発生前から、一応陸上自衛隊海上輸送群は新編されると聞いていましたが、艦艇不足は不安な要素ではありました。

 OH-6観測ヘリコプターは、かつては編隊飛行が名物でしたが、同時に過去の災害を見ていますと、災害派遣要請が出る前にいち早く離陸し情報収集をおこなうという常連のような航空機で、もちろん今回の震災では戦闘機の緊急発進とともに航空機の情報収集は行われているのですけれども、兎に角数が揃っていたOH-6の後継機無き全廃は不安を感じた。

 声を上げなければならないのは、街宣右翼のような危機感をあおるのでも、駅前左翼のような非現実の理想論を現実に無意味に突き付けるのでもなく、もう少し、防衛力、巨額の予算が用いられると共に、国家が、非常時、こうした状況に際して国民を守るもしくは救う事が出来るリソースの存在について、もう少し国民全体で関心を持つべきでは、という。

 政治を絶対的に信頼しているので不安はない、こういう自信を以て日常を過ごしている方ならば疑問を挟む事はないのでしょうが、例えばもう一つ、災害時になにかあった際に最初に離陸して情報を収集するRF-4戦術偵察機の全廃、後継機なき全廃も、もう少し疑問符を挟むべきものだったのではないかな、この危機感を共有する努力をすべきでなかったか。

 RF-4偵察機については、漸く昨年RQ-4無人偵察機が配備されましたが、高解像度の極致というべき映像情報は、防衛秘密の壁を越えて被災地情報を行政として自衛隊が共有できるのか、という視点は忘れられているようなきがしますし、F-35戦闘機なども映像を撮影できる性能はありますが、偵察用ではなく日米の協定もあり一般に映像開示はできません。

 自衛隊行事はアトラクションでは無い。先ずこの認識をもう少し示すべきなのかなあ、と思うのです。もちろん募集広報というものが先頭に立つのですけれども、併せて、自衛隊がどういう装備を保有しているかというものは、数を知りたければ財務省国有資産台帳、性能を知りたければ装備年鑑があるのですが、自衛隊そのものを知るのが行事なのだ、と。

 政治を絶対的に信頼しているので不安はない、こういう方がどの程度いるのかはわかりませんが、政治が絶対に間違えないなんてことは有得ない、という認識をお持ちの方であれば、防衛力についてもう少し関心を以て、それを政治に反映させる努力というものを、民主主義国家なのですから思い切って一歩踏み出す勇気というものが必要なのだと考えます。

 民主主義なのだから。併せて想うのは、井の中の蛙で居てはならない、という事です。それは防衛力に考えるならば、自衛隊は必要か不要か、という不毛な議論を挙げる方などは、外国の政治を絶対的に信頼しているので不安はない、そんな楽観的な方なのでしょうが、新聞の国際欄を、いやロイターやAFPやCNNにBBCの日本語版をみるだけでもいい。

 自衛隊行事紹介、というかたちで毎週の行事紹介を行っていますが、今週末には確かに何も行事は行われません。ただ、巨額の税金が防衛費という形で使われていますが、同時に防衛費程、透明性と云いますか一般書籍での分析を含め情報を得られるものも少ないものですから、是非、お近くの駐屯地や基地が一般公開される際には、見学をおすすめします。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・行事予定:特になし

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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ウクライナ情勢-イギリス国防省ウクライナ戦況報告全般概況とクレミンナ周辺・アウディイフカ周辺の戦況

2024-01-12 07:00:20 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 ロシア軍の犠牲を厭わない攻撃が続く中ですが我が国は今年本州に残る全ての師団と旅団から戦車部隊を廃止する方針で、大丈夫なのか少々不安になります。

 ウクライナ地上戦における全般的な概況について、イギリス国防省ウクライナ戦況報告1月5日付発表によれば、年末年始の期間において地上戦の様相は前線がおおむね停滞しており、若しくは例外的に重要地域においてロシア軍が緩慢な前進を行ったと分析しています。ロシア軍攻撃はロシア軍西部軍集団が総力を挙げクピャンスクを包囲する状況という。

 バフムト周辺では、逆にウクライナ軍は断続的な攻撃には曝されているものの概して前線は安定しており、この点でクピャンスク地区での西部軍集団は集結して包囲しているものの、攻勢作戦への積極性が不十分となっている。一方でもう一つの激戦区アウディイフカでは、昨年末に制圧したマリンカを起点に10年目となる攻略を緩慢に進めているとのこと。
■アウディイフカ周辺
 やはり航空打撃力の重要性を痛感するところなのですが間もなく開始されるF-16配備はこの概況にある程度楽観的要素を与えるのでしょうか。

 ロシア軍はアウディイフカとドネツク市周辺において距離は短いものの前進している、ISWアメリカ戦争研究所2024年1月3日報告によれば、ウクライナ陸軍司令官シルスキー大将の発言として、ロシア軍は再編成と共に滑空爆弾をライマン方面において効果的に使用し、ウクライナ軍前線防空の圏外から航空支援をおこなっているとのこと。

 アウディイフカ近郊では、南西のペルヴォマイスケ近郊の池泉地帯において前進が確認されたという。一方、ロシア軍はバフムト近郊でも前進が確認されていて、バフムトとフロモフを結ぶ道路付近で、第98空挺師団所属と思われる部隊の前進を確認したという。ただヘルソン州などの前線ではウクライナ軍とロシア軍が対峙したまま前進していない。
■クレミンナ周辺
 両翼包囲されている状況でも粘るというのはウクライナ軍の士気の高さ故なのでしょうが危険な状況も。

 クレミンナ周辺とアウディイフカ周辺でのロシア軍攻撃概況によれば、ISWアメリカ戦争研究所1月4日付発表として、クレミンナ北西にあるテルニー東部とアウディイフカ北東の廃棄物山地区においてロシア軍が前進しているという。ウクライナ軍タヴリスク地区司令官タルナフスキー准将によれば、ロシア軍はこの数日間で攻撃を倍増させた。

 アウディイフカ近郊でのロシア軍攻撃は、統率の取れた攻撃よりも散発的な攻撃が繰り返されているものの、アウディイフカの後方連絡線に当たるステポヴェを攻撃目標としているとのこと。アウディイフカは両翼包囲されている状況ではあるものの、市街地を中心にウクライナ軍は防御を維持しており、しかしステポヴェ攻撃は危険な前兆ともいえます。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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