北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【G3X撮影速報】航空学校創設71周年明野航空祭【3】観閲飛行参加機続々と展示(2022-09-05)

2024-01-18 20:23:40 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■明野ヘリコプター紹介
 ヘリコプターは大きく減ったもののそれでも航空学校だと納得できる程度の航空機は飛行しています。

 明野航空祭、祝賀飛行の大編隊は航過飛行してくれるのは一回だけですので、航空自衛隊の様に編隊を組みなおしてもう一度ということはなく、20年以上前にそれを知らず残念な思いをしたことが有ります、今回も例外ではなく、大編隊は旋回して着陸態勢へ。

 89号機、と大書されたAH-1S対戦車ヘリコプターが滑走路へ入ってきます、そうAH-1S対戦車ヘリコプターは96機が富士重工にてライセンス生産されていますので、練習機とは言えもう89号機が目の前に僅かな編隊を組んでいたというのは驚き、完全退役が近い。

 UH-2多用途ヘリコプター、富士重工といいますか現在の社名はスバルですが、スバルはベル社と1961年からUH-1シリーズのライセンス生産を行っている関係もありまして、今回はベル421EPIを元に軍用型としてUH-2を開発しています、地味に採用国も増えている。

 UH-Xとして川崎重工がOH-1観測ヘリコプター派生型のUH-Xを国産開発する構想がありましたが、防衛省が要求仕様書の性格に掛けなかった事で川重に相談した事が官製談合扱いとなり白紙に、この混乱でOH-1生産再開も実らず、観測ヘリコプターは皆無へ。

 OH-1にUH-1JにUH-2と自衛隊航空勢ぞろい、という。なお、UH-2は開発当時、一機13億円程度で500km以上飛行出来る双発の軍用機、ということで世界中を探したものの、そんな安価で高性能な航空機は存在せず、結局国産開発することとなった経緯があります。

 500kmの航続距離、師団飛行隊に配備する多用途ヘリとしては踏み込みすぎという指摘が当時はありましたが、今年元日の能登半島地震において、奥能登と近傍の航空拠点である小松基地とが往復で300kmあり、現地での飛行を考えれば500kmは必要だったとわかる。

 観測ヘリコプターは、しかし全廃は失敗でしか無かったように思うのです。特にOH-1はデータリンク装置開発も進められていましたし、有事の際は勿論ですが、現在はUH-1に搭載しているTV中継装置を搭載して、空中搬送しリアルタイムで情報収集が出来た筈だ。

 TV中継による情報衆主はUH-2でもUH-1でも可能だと反論されるかもしれませんが、多用途ヘリコプターを1機、いや搬送機を含めれば2機以上か、映像情報収集に割くということは、発災当初の貴重な時間に救援物資を運べる機体が2機以上減る事を意味するゆえ。

 AH-1Sについても、例えば観測ヘリコプターの場合は現在の厳しい防空環境にぽいて生存できないという指摘があるのですから、観測ヘリコプターと攻撃ヘリコプターを機種として統合する選択肢は合って良かったと思うのですが、両方とも廃止で機数が激減するのだ。

 能登半島地震では、ヘリコプターが足りているのか足りていないのかが、自衛隊が送る数のミクロ的な視点で揚げ足取りしている方が観られますが、それ以前に、対戦車ヘリコプターと観測ヘリコプターを廃止しつつあること、自衛隊を削った事が問題の骨子なのです。

 災害に際して何か、政権叩きに利用している方が、少なくない数、いや選挙では少数派なのですが揚げ足取り、ポピュリズム的に騒いでいる方を御見受けしまして、これでは政治は良くならないのではないかなあ、と思う。もう少し本質を検証して、理論化しなければ。

 南海トラフ地震という、明日起るかもしれない災害を抱えている日本なのです、いま調達計画を強いても間に合わないのかもしれませんが、それでもやらないよりはいい、観測ヘリコプターといいますか、しっかりとしたかつての航空部隊を再建して欲しいと願うのだ。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【京都幕間旅情】平野神社-初詣,能登半島元日地震-災害の無い一年でありますようにと祈りたいところです

2024-01-18 07:00:27 | 写真
■元日地震は起きたけれど
 祈るのは自由だと思いますので重ねて平穏な一年であってほしいものです、第三次世界大戦とか火山爆発指数8の大噴火とかがないようなね。

 新年の願い事は、といいますと災害の無い一年でありますように、という一年の最初の元日にお祈りし方には、初日かよ、と元日能登地震報道を受け止められないところなのかもしれませんが、それはそれこれはこれの精神で何かこう祈ってみたいところではある。

 2024年、さてどんな一年になるのでしょうか。自衛隊関連行事では早速入間基地航空祭が中止になりまして、なにしろ輪島分屯基地が入間基地の分屯基地ですのである意味当然といえば当然なのかもしれませんが、災害が元日というのは幸先の印象を変えてしまう。

 COVID-19新型コロナウィルス感染症は、ほぼほぼ、終息と言える段階には入ってきました、既にWHO世界保健機関の公衆衛生緊急事態宣言は終了し、わが国でも感染症法上の分類が五類に移行、もっとも能登の被災地では重症化の事例が出て心が痛みますが。

 ポストコロナといいますか、ようやく、いつも通りの、という疾病管理上の余裕は出ている一方、例えばアメリカの感染対策での大規模なバラマキ支援が経済再起動に際し膨大な人件費の上昇、バラマキよりも実りある人件費を確保した結果、インフレが凄いことに。

 インフレは、ポストコロナの世界では多少考えられていたリスクなのかもしれませんが、アメリカといえばハワイの観光地価格が日本の喫茶店でのモーニングサービス水準の軽食あっても、で円安も加わり一食だけで4000円以上、想定以上のものとなっています。

 円安も、元々は政策金利、昔の人には公定歩合というべきなのか、ここを抑えている為という背景がありますが、政策金利を抑えているのは融資を受けやすくしたうえで経済を回すためという一つの要素がありますので、軽々に上昇させられないという事情が。

 政策金利の影響から円安は続くが、ロイターを見てもAFPを見てもBBCを見てもG7各国のインフレは異常水準で、ドイツはようやく十数%が数%に落ち着いたが、例えばイギリスの賃借物件平均家賃が邦貨換算毎月42万円という中々凄い状況となっている。

 半導体不足も、コロナの最中には半導体不足はサプライチェーン崩壊という単語で説明されていたけれども、今は単純に物がない状態から再起動ができず、一例を挙げれば家電量販店でカメラを買おうとしても昔のように買うことは出来ず基本的に数か月待ち。

 いつも通りというには、先ず物価上昇ともう一つ物不足という状況が顕在化していまして、これが単一要素ではなく複合要素により成り立つ弊害ですので、何かで打開できる特効薬的な施策がありません、するとコロナ前の状態に戻ったのは疾病リスクのみ。

 神社で願うのは、インフレ抑制を願おうにも原因は日本の要素ではなく多分に外因的ですので八百万の神々でも如何ともし難い要素がありますし、政策金利上昇を願っても副作用として景気後退が来てしまっては何のための政策かわからなくなりますから。

 ポストコロナ、インフレと物不足はありましても、しかし全部だめかというと行事的なものはある程度元通りですので、今年の中盤以降はいろいろと出かけてみまして、様々なところで交友を深め、そして美しい情景を記録して紹介できればなあ、とは思うのです。

 平野神社にて、こう二列に並んだ個々人として本殿の方に作法通りの参拝をすませるとともに、拝んだ手にただただ平安を、と思いつつ今年の初詣、下鴨神社に続く初詣としました次第です。そして配り終わった祝い酒の机を眺めつつ、さて晩酌へと進んだのでした。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする