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ウクライナ東部戦線-ロシア軍一ヶ月の停滞,砲兵奮戦-バフムート市とアウディーイウカ市正面でロシア軍後退

2022-08-06 07:00:11 | 防衛・安全保障
■臨時情報-ウクライナ情勢
 自衛隊は今あるMLRSを廃棄せずもっと大事にすべきだしMLRSだけでは任務は達成できない、そんな状況がこの一ヶ月間のウクライナ東部で展開しています。

 ロシア軍のウクライナ東部における攻勢が一ヶ月以上停滞しており、逆にウクライナ南部ではウクライナ軍の反撃が始りました。これは七月五日に“戦場はドネツク州へ,セヴェロドネツクとリシチャンシク失陥”という話題をお伝えし、クラマトルスクへのロシア軍侵攻兆候を紹介しましたが、その前のバフムート市近郊で数回に渡り撃退されています。

 ウクライナ軍参謀本部は8月3日、バフムート市近郊での戦闘についての概況を発表し、先ず第一次攻勢はバフムート北西部からの信仰を試みたもののロシア軍が撃退され、続いて西に30km離れた近郊で再度攻撃を試みるも前進できず、後退に転じたとしています。攻勢は続いているが、ウクライナ軍火砲が優勢にありロシア軍を撃退する原動力という。

 アウディーイウカ市に対してもロシア軍は転進を試みたが撃退されているとのこと。注目すべき点はロシア軍が戦果を挙げずに後退を始めているとの事です、何が有ったのでしょうか。ロシア軍は南部のマリウポリを占領した後に東部地域に戦力を抽出し集中していましたが、東部は現状の通り。こうした中でウクライナ軍は南部地域でも反撃を開始した。

 砲兵の優位が逆転しつつある、ウクライナでのロシア軍攻撃失敗は、元々強力なウクライナ軍砲兵に対してロシア軍砲兵が充分な火力を発揮出来なくなったために対抗出来なくなっている、ということです。ウクライナには旧式火砲が多数あり、しかしロシア軍にも新旧の膨大な火砲やロケット砲があったために当初はウクライナ軍砲兵を封じていたかたち。

 HIMARS,やはり今回のウクライナ軍砲兵が逆転しつつあるのはアメリカが供与した20両のHIMARSでしょう、GPS誘導ロケット弾により長距離を誤差1m前後で正確に射撃しています、これがロシア軍の弾薬集積所を正確に射撃しており、弾薬集積所はBBCがイギリス戦争研究所の分析として70カ所が破壊されているという。ロシア軍は弾薬不足に。

 ロシア軍の砲撃は精度がもともと低いのを大量の砲撃により精度を補っていた為、弾薬集積所を破壊されると分散する必要が生じ、膨大な弾薬消費に対応できなくなります、するとウクライナ軍砲兵が火力投射量の低下したロシア砲兵に対抗出来るという構図です。砲兵が優位を保っている為、ウクライナ軍歩兵部隊や戦車部隊も優位を保てる構図なのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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