◆日韓合同救難訓練2009参加
7月3日から6日にかけて、韓国海軍駆逐艦第11戦隊が、日韓共同救難訓練実施のために、海上自衛隊舞鶴基地に寄港した。今回は、その出航の様子を速報にてお伝えしたい。
舞鶴基地を日本海に向かう駆逐艦ヤンマンチュン。韓国海軍近代化の柱、いわゆるKDX-1計画に基づき建造された、クワンデドデワン級駆逐艦の最終艦(三番艦)として2000年に就役した駆逐艦で、満載排水量は3855㌧。韓国海軍の艦艇として初めて艦載ヘリコプターを搭載し、兵装をVLSに収めているのが特徴。
クワンデドデワン級は、満載排水量で、海上自衛隊の、はつゆき型護衛艦よりも一割近く(後期艦と比較)小さいものの、5インチ砲を始め、強力な兵装を施しているのが特徴で、搭載できるギリギリまで、各種装備を並べており、この結果、かなり重心が上に、つまりトップヘビーとなっている印象をうける。
ミサイル駆逐艦ワンゴン。KDX-2として2003年から2008年まで、毎年1隻、計6隻が建造されたチュムンゴンイスンシン級ミサイル駆逐艦の四番艦で、満載排水量は5500㌧。スタンダードSAMなどを収容する32セルのVLSを搭載しており、海上自衛隊では、たちかぜ型や、はたかぜ型に相当する一隻で、加えてヘリコプターを搭載する。
ミサイル駆逐艦であるが、対空レーダーはアクティヴフューズドアレイ方式ではなく、従来型のSPS-49を採用しており、厳しい財政状況を背景に建造されたことがわかる。こののち、イージスシステムを搭載したセジョンデワン級ミサイル駆逐艦の整備を始めており、一番艦は就役、2012年までに3隻を建造する構想とのことだ。
KDX-1,KDX-2の計9隻により、装備的には90年代の海上自衛隊1個護衛隊群8隻に比肩しうる能力を有しており、加えて、ゆうばり型を上回るウルサン級フリゲイト9隻、やや小型のポハン級コルベット24隻を整備し、北朝鮮海軍の膨大な魚雷艇、砲艇を中心とした海軍力と対峙している。海上自衛隊のような大洋海軍の建設は、国力的に厳しいものの、少数精鋭、中堅海軍として着々とその装備の近代化を進めていることが端的に示された2隻だ。本日は速報ということで詳細は、後日掲載したい。
HARUNA
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