■臨時情報-ウクライナ情勢
ウクライナ情勢ではミサイル巡洋艦モスクワ撃沈など本日も大きな動きが在りましたが先ずは我が国の対応について。
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政府はウクライナ支援強化へ、週明けにもウクライナ周辺国に対し自衛隊輸送機による物資輸送を開始すると発表しました。この輸送は国際機関であるUNHCR国連難民高等弁務官事務所からの要請が在ったとされ、ウクライナ周辺国とはポーランドを示すものとされています。輸送機の任務は支援物資の輸送とされていますが、武器や弾薬は含まれません。
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UNHCR国連難民高等弁務官事務所からの要請である為で、UNHCRは軍事行動などとは関係せず、この限りにおいて武器弾薬などを輸送することはありません。また、日本には海上保安庁や国土交通省も固定翼航空機を運用していますが、輸送機を運用するのは自衛隊機のみ。更に政府は緊急人道支援として3億ドルの資金協力を実施するとしています。
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PKO国際平和協力法、今回の輸送機派遣は自衛隊法に基づくPKO協力法が根拠とされています。なお、政府は難民キャンプ支援などに自衛隊を緊急人道支援として派遣する方針を示していますが、今のところ大規模紛争などにおける難民キャンプはなく、市民個人単位が受け入れる欧州一体の連帯感により支えられ、難民キャンプ支援の需要はありません。
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モスクワ沈没、ロシア国防省が公式に発表しました。黒海艦隊旗艦であるロシア海軍のミサイル巡洋艦モスクワはスラヴァ級ミサイル巡洋艦一番艦となっています。ウクライナ海軍のネプチューン対艦ミサイルが命中、火災の末に沈没したという。ロシア海軍は火災は起きているが原因は無発表であり、曳航中と発表していたものの、撃沈を認めた構図です。
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スラヴァ級巡洋艦は巡航ミサイル16発を搭載、と説明されますがこれは説明不十分で、アメリカ空母攻撃用にP-1000という重量9.3tの超音速対艦ミサイルを16発搭載していますが、更に射程200kmのS-300F艦対空ミサイル64発、4K33艦対空ミサイル40発を搭載した広域防空艦でもあり、これ即ち黒海艦隊では唯一の広域防空艦が撃沈されたかたちだ。
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黒海艦隊には大打撃であり、ウクライナ海軍にはどの程度の地対艦ミサイルが備蓄されているか未知数ですが、黒海艦隊にはアドミラルグリゴロヴィチ級に射程が個艦防空用の9M317ミサイルを搭載されている以外は防空能力が限られ、今までの様に洋上からカリブル巡航ミサイルを発射すると、ネプチューン地対艦ミサイルにより反撃を受ける事となる。
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地上戦では、しかし緊張が続く状況となっています。アメリカ国防総省の分析では、ロシア軍はキエフ北方からベラルーシ国内まで後退したことは確かであるが、現在も再度キエフを地上攻撃可能な位置にいると分析しています。この意味するところはウクライナ軍が首都近郊から東部の激戦地へ兵力を抽出できない、兵力が拘束されている事を意味します。
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南部のアゾフ海沿岸マリウポリではウクライナ軍が厳しい戦闘を続けており、弾薬枯渇によりロシア軍の浸透を阻止できない状況となっている。ただ、こうした中でアメリカのバイデン政権はウクライナへの8億ドルの軍事援助追加が発表され、これはウクライナの国防費の半分に当るという膨大な援助であり、更なる強力な装備品の供与も行われるもよう。
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アメリカの軍事援助には既に発表されているジャベリン対戦車ミサイルの追加供与と、スイッチブレード徘徊式弾薬の供与ハンヴィー装甲型のような汎用車両にM-198榴弾砲、また特殊作戦用に調達した旧ソ連製Mi-17ヘリコプター等が含まれているとのこと。ただ、ロシア軍も東部地域へ戦力を集中し始めている兆候があり、激戦の懸念がつづいています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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ウクライナ情勢ではミサイル巡洋艦モスクワ撃沈など本日も大きな動きが在りましたが先ずは我が国の対応について。
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モスクワ沈没、ロシア国防省が公式に発表しました。黒海艦隊旗艦であるロシア海軍のミサイル巡洋艦モスクワはスラヴァ級ミサイル巡洋艦一番艦となっています。ウクライナ海軍のネプチューン対艦ミサイルが命中、火災の末に沈没したという。ロシア海軍は火災は起きているが原因は無発表であり、曳航中と発表していたものの、撃沈を認めた構図です。
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スラヴァ級巡洋艦は巡航ミサイル16発を搭載、と説明されますがこれは説明不十分で、アメリカ空母攻撃用にP-1000という重量9.3tの超音速対艦ミサイルを16発搭載していますが、更に射程200kmのS-300F艦対空ミサイル64発、4K33艦対空ミサイル40発を搭載した広域防空艦でもあり、これ即ち黒海艦隊では唯一の広域防空艦が撃沈されたかたちだ。
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黒海艦隊には大打撃であり、ウクライナ海軍にはどの程度の地対艦ミサイルが備蓄されているか未知数ですが、黒海艦隊にはアドミラルグリゴロヴィチ級に射程が個艦防空用の9M317ミサイルを搭載されている以外は防空能力が限られ、今までの様に洋上からカリブル巡航ミサイルを発射すると、ネプチューン地対艦ミサイルにより反撃を受ける事となる。
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地上戦では、しかし緊張が続く状況となっています。アメリカ国防総省の分析では、ロシア軍はキエフ北方からベラルーシ国内まで後退したことは確かであるが、現在も再度キエフを地上攻撃可能な位置にいると分析しています。この意味するところはウクライナ軍が首都近郊から東部の激戦地へ兵力を抽出できない、兵力が拘束されている事を意味します。
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南部のアゾフ海沿岸マリウポリではウクライナ軍が厳しい戦闘を続けており、弾薬枯渇によりロシア軍の浸透を阻止できない状況となっている。ただ、こうした中でアメリカのバイデン政権はウクライナへの8億ドルの軍事援助追加が発表され、これはウクライナの国防費の半分に当るという膨大な援助であり、更なる強力な装備品の供与も行われるもよう。
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アメリカの軍事援助には既に発表されているジャベリン対戦車ミサイルの追加供与と、スイッチブレード徘徊式弾薬の供与ハンヴィー装甲型のような汎用車両にM-198榴弾砲、また特殊作戦用に調達した旧ソ連製Mi-17ヘリコプター等が含まれているとのこと。ただ、ロシア軍も東部地域へ戦力を集中し始めている兆候があり、激戦の懸念がつづいています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)