■■■防衛フォーラム■■■
今回は陸軍関連の話題を集めました。自衛隊が導入するパトリアAMV装甲車に関連する話題もありますし要人輸送ヘリに限定されている機種の発展という話題など参考となる点は多い。
フィンランド軍はパトリア6×6装輪装甲車91両を新規調達します、このパトリア6×6はパトリア社がかつて生産していたパシ装輪装甲車の延長線上にあるもので、スウェーデンやドイツとラトビアが参加するCAVS共通装甲車両システムとして開発しているもので、AMV装甲車のような第一線戦闘用ではなく各種支援任務などに当たる装甲車です。
パトリア6×6装輪装甲車は既に試験用に3両が2022年にフィンランド軍へ納入されていて、今回の契約は本格量産への調達であるとともに70両のさらなる追加オプション契約を含むもの。パトリア社ではパトリア6×6について今回発注分は2023年内に納入、2060年代まで運用する将来装甲車両としてフィンランド軍を支援することが期待されている。
パトリアAMV装輪装甲車のような高い防御力をもつモジュラー装甲車は装甲戦闘車や自走迫撃砲に自走防空システムや戦車駆逐車など様々な任務に対応することが可能ですが、同時にその取得費用は高価であり、物資輸送や戦闘支援用まで十分な数が調達できない現実があります、パトリア6×6はこうした支援用として開発された汎用装甲車です。
■エイタン装甲車配備開始
装甲車の防御力を国単位で考えるイスラエル、徴兵制でわが子が乗るのかもしれないという意図があるのだろうけれども我が国のアルミ製73式装甲車はしかし。
イスラエル国防軍は新型のエイタン装輪装甲車の受領を開始しました。最初の配備部隊となったのはナハル歩兵旅団で1948年に創設されたイスラエルで最も古い歩兵旅団のひとつ。イスラエル軍ではさすがにM-3ハーフトラックは退役しましたが膨大な数を導入したM-113装甲車の後継車両が喫緊の課題で、エイタン装輪装甲車が開発されました。
エイタン装輪装甲車はM-113装甲車が原型車では薄いアルミ装甲を有しているのみで、あらゆる対戦車火器に対する脆弱性が指摘されていました。この為イスラエルではゼルダ増加装甲システムを開発し装着しましたが、増加装甲の過剰な装着は懸架装置や駆動系に負担を与え続け、結果的にM-113装甲車の寿命を縮めることとなってしまっている。
M-113装甲車の後継であるエイタン装輪装甲車はM-113にゼルダ増加装甲を装着した場合と同等以上の防御力を付与し、2014年ガザ治安作戦における戦訓などが反映されています。イスラエルでは人的資源の乏しさから重装甲車両志向があり、メルカヴァ戦車車体を応用したナメル装甲車が開発されていますが、エイタンは半分の費用で調達可能です。
■パトリアAMVを改良
自衛隊が導入するパトリアAMV装甲車にも搭載すべきと思う様な操縦手にも車長にも戦闘能力を底上げでⓀる装備と思う。
クロアチア陸軍はパトリアAMV装甲車のVegvisir周辺状況認識システム実験を実施しました。これはAMV装甲車を開発したパトリア社がオプションとして最近開発したもので、車体上部に複数のカメラを配置し疑似合成的に360度すべての空間画像を一体化、社内でゴーグルを装着した操縦者や車長に車外にいるような光学情報を供します。
Vegvisir周辺状況認識システムの試験にはクロアチア陸軍機械化旅団第1機械化大隊、通称タイガース大隊が協力、4両のAMV装甲車に装着し12時間にわたり走行しました。具体的には走行中の待ち伏せ攻撃などを車内から、従来のペリスコープによる狭い視界ではなく広い視野で把握し、必要ならばRWS遠隔操作銃塔により対応する試験です。
■ヴィクトール防空システム
自衛隊のような高度な装備ではなくしかし航空自衛隊が廃棄した140基ものVADS機関砲は維持保管しておいた方が無人機攻撃を受けた場合に安心だ。
ウクライナ軍はチェコ製ヴィクトール防空システムの追加配備を実施しました。ヴィクトール防空システムはトヨタ製ランドクルーザー70の車体に大部分にチェコ製ZPU-2-14.5mm重機関銃を双装装備したもので、一見して安普請な、途上国などで武装勢力が多用するテクニカル武装ピックアップトラックを連想させるものですが実際は違う。
ヴィクトール防空システムに搭載されるものはチェコのエクスカリバー社が開発した見越し角計算機と暗視装置を併用した照準器が搭載され、有効射程は2㎞です。一見非力には見えますが、ロシア軍ら数千機をウクライナに向け投射しているイラン製シャヘド無人機に対しては極めて高い性能を発揮し、15両が今回募金で製造され譲渡されました。
■エストニア製無人車
現実問題で今の普通科隊員の装備は戦闘防弾チョッキの普及を踏まえて徒歩機動では重すぎる為にこうした装備化、それを買えないならばいっそ騾馬でも飼うべきだ。
エストニアのミルレムロボティクス社製無人車両が欧州国際共同計画i-MUGSプロジェクトにおいて実用試験に成功しました。i-MUGSとは統合モジュラー無人車両システムを示し、エストニア、ラトビア、フィンランド、そしてベルギーとフランスが開発計画に参加、今回は先行開発された実証車両が歩兵部隊との共同試験に成功しています。
i-MUGS統合モジュラー無人車両システムは1/4tカーゴと同程度の多目的無人装軌車両で、現段階では歩兵に随伴し必要な装備の運搬支援に当たるものとされています。将来には無人地上戦闘システムや工兵支援車両への応用され、機甲部隊に先行して地雷原などの啓開任務や歩兵を支援する無人自走対戦車ミサイル発射器などが期待されます。
■ドイツ,プーマ再試験
プーマの取得費用が89式装甲戦闘車の倍以上と聞いた際に真剣に再生産すべきと思ったのは十年前の話です。
ドイツ連邦軍は不具合の相次いだプーマ装甲戦闘車の強度実戦評価試験を実施しました。強度実戦評価試験は第33装甲擲弾兵大隊第2中隊がムンスター戦車学校射撃訓練場において実施し、プーマ装甲戦闘車18両とレオパルド2A6主力戦車5両及び工兵部隊などが参加、その支援に第9装甲旅団と第21装甲旅団などが訓練支援に当たったとのこと。
強度実戦評価試験の実施期間は2週間、初期には機能別訓練や初歩的な訓練は行われ、徐々に戦闘射撃や降車戦闘などを組み込み、最後の二日間は総合訓練として実戦を想定した一連の流れを演練、この評価試験では良好な成績を収めたという。プーマ装甲戦闘車は今年初めのNATO演習で演習中に全車が故障機能不随に陥ったという苦い経験があります。
プーマ装甲戦闘車は冷戦時代に大量生産されたマルダー装甲戦闘車の後継車両であり、マルダーの戦闘重量は33t、プーマは戦闘重量42tであり開発当時は卓越した防御力を誇っていましたが、駆動系や火器管制システムとデータリンクシステムに不具合が相次ぎ、更に車体管理システムの不具合から運用中に動かなくなるなどの致命的な問題がありました。
■オランダ,カラカル導入
自衛隊では要人輸送ヘリコプターとして装備していますが、UH-2なんかよりは方面航空隊単位でこの機種を装備する又はライセンス生産して配備できれば輸送能力は画期的な程に強化される。
オランダ軍は新ヘリコプターとしてエアバスH-225Mカラカル特殊戦ヘリコプターを導入します、ユーロコプターEC-725のエアバス型式名称であるH-225Mは、現在運用されているユーロコプターAS-532クーガー中型ヘリコプターの後継として導入され、納入は2028年から、14機を導入するとのこと。なお、AS-532は28年間運用されてきました。
H-225Mカラカル特殊戦ヘリコプター導入の背景は、AS-532クーガー中型ヘリコプターについてメーカーによる延命改修により2030年までの運用延長が可能と示唆されていましたが、オランダ軍任務の拡大を考えた場合に新型ヘリコプターの必要性が示されたという。ヘリコプターはSOF特殊作戦軍に配備されギルゼライジェン基地に配備されます。
■チェコ,ジャッカル
これこそ軽装甲機動車の後継で一つの選択肢となり得るのだけれども敵砲兵の曳火射撃に対する脆弱性をどうかんがえるべきなのか。
チェコ陸軍はイギリススパキャット社製ジャッカル耐爆機動車両の導入を検討中です。これはブルノで開催中の国際防衛技術展においてジェームズカートリッジ国防大臣がイギリス防衛企業ブースを視察した際に示されたもので、ジャッカル耐爆機動車両はイギリスとチェコとの合同演習においてイギリス軍が派遣する定番の装備でもあるとのこと。
ジャッカル耐爆機動車両、チェコ軍が導入を検討しているのは24両、珍しいオープントップ式の戦闘室を有する耐爆車両であり、自走に加えCH-47輸送ヘリコプターによる空輸に対応した機動性と、地雷原や側面からの待ち伏せ攻撃等を排除して長距離偵察を実施、イギリス軍はISAFアフガニスタン国際治安支援任務などでこの車両を活用しています。
■ハンガリーHIMARS中止
あれはまあ首相の発言が響いているよね。
ハンガリー政府はアメリカからのHIMARS高機動ロケットシステム導入を断念しました。これは2022年の段階でアメリカ側が輸出に難色を示していたことが画定していましたが、2023年半ばになりハンガリー国営MTI通信がその決定を国防省からの談話というかたちで遅ればせながらの報道となりました、ハンガリーのオルバン政権によるとのこと。
HIMARSについてハンガリー軍は24両の導入を計画していましたが、ハンガリー政府がスウェーデンのNATO加盟を拒否したため、アメリカ上院のジェームズリッシュ上院議員ら超党派議員団がハンガリーへのHIMARS輸出へ難色を示し、7億3500万ドル相当の輸出交渉を中止させたとのこと。オルバン政権は民族主義的極右政権とされています。
■カラカルにNC621
カラカルは後部ハッチこそ持っていないけれどもNH-90なんかと比較した場合胴体形状から小回りが利きそうに見える。
フランスのエアバスヘリコプターズ社はH-225Mカラカルヘリコプターへの20㎜機関砲搭載試験を進めています、ピューマシリーズの最新型であるH-225Mは兵員25名を同時空輸可能であるヘリコプターで、後部貨物扉を有さないために軽車両の空輸能力には限界があるものの高い機動性を有しています、しかし搭載武装は機銃に限られていた。
H-225Mカラカルヘリコプターに搭載し試験されているのはネクスター社製NC-621機関砲ポッドでM-621機関砲を内蔵しています、これまでカラカルにはFN-MAG軽機関銃航空機仕様のものが双装されたものを胴体に搭載していましたが、射程が限られていました。NC-621機関砲ポッドからの射程は2㎞に到達し、180発の弾薬を内蔵しています。
■ラトビア-NSM取得
自衛隊の35年に渡るSSM大量取得は正しかった。
ラトビア政府はNSM地対艦ミサイルの調達予算1億1000万ドルを承認しました。これは5月2日の閣議で少将されたもので2022年4月のラトビア議会で承認された国防資金法に基づく政府の権限として認証されたもので、国防資金法ではこのほか、2025年までに国防費をGDP比率2.5%まで段階的に増加させることも盛り込まれています。
NSM地対艦ミサイルはノルウェーのコングスベルク社製、超音速ミサイルではなく亜音速ミサイルですがミサイル本体に低RCS構造を採用しレーダー反射面積を抑えている点が特色です。1億1000万ドルの予算にはNSMミサイル本体と移動発射装置及び標定装置、また予備部品や教育訓練支援と協力事業者の諸費用なども含まれています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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今回は陸軍関連の話題を集めました。自衛隊が導入するパトリアAMV装甲車に関連する話題もありますし要人輸送ヘリに限定されている機種の発展という話題など参考となる点は多い。
フィンランド軍はパトリア6×6装輪装甲車91両を新規調達します、このパトリア6×6はパトリア社がかつて生産していたパシ装輪装甲車の延長線上にあるもので、スウェーデンやドイツとラトビアが参加するCAVS共通装甲車両システムとして開発しているもので、AMV装甲車のような第一線戦闘用ではなく各種支援任務などに当たる装甲車です。
パトリア6×6装輪装甲車は既に試験用に3両が2022年にフィンランド軍へ納入されていて、今回の契約は本格量産への調達であるとともに70両のさらなる追加オプション契約を含むもの。パトリア社ではパトリア6×6について今回発注分は2023年内に納入、2060年代まで運用する将来装甲車両としてフィンランド軍を支援することが期待されている。
パトリアAMV装輪装甲車のような高い防御力をもつモジュラー装甲車は装甲戦闘車や自走迫撃砲に自走防空システムや戦車駆逐車など様々な任務に対応することが可能ですが、同時にその取得費用は高価であり、物資輸送や戦闘支援用まで十分な数が調達できない現実があります、パトリア6×6はこうした支援用として開発された汎用装甲車です。
■エイタン装甲車配備開始
装甲車の防御力を国単位で考えるイスラエル、徴兵制でわが子が乗るのかもしれないという意図があるのだろうけれども我が国のアルミ製73式装甲車はしかし。
イスラエル国防軍は新型のエイタン装輪装甲車の受領を開始しました。最初の配備部隊となったのはナハル歩兵旅団で1948年に創設されたイスラエルで最も古い歩兵旅団のひとつ。イスラエル軍ではさすがにM-3ハーフトラックは退役しましたが膨大な数を導入したM-113装甲車の後継車両が喫緊の課題で、エイタン装輪装甲車が開発されました。
エイタン装輪装甲車はM-113装甲車が原型車では薄いアルミ装甲を有しているのみで、あらゆる対戦車火器に対する脆弱性が指摘されていました。この為イスラエルではゼルダ増加装甲システムを開発し装着しましたが、増加装甲の過剰な装着は懸架装置や駆動系に負担を与え続け、結果的にM-113装甲車の寿命を縮めることとなってしまっている。
M-113装甲車の後継であるエイタン装輪装甲車はM-113にゼルダ増加装甲を装着した場合と同等以上の防御力を付与し、2014年ガザ治安作戦における戦訓などが反映されています。イスラエルでは人的資源の乏しさから重装甲車両志向があり、メルカヴァ戦車車体を応用したナメル装甲車が開発されていますが、エイタンは半分の費用で調達可能です。
■パトリアAMVを改良
自衛隊が導入するパトリアAMV装甲車にも搭載すべきと思う様な操縦手にも車長にも戦闘能力を底上げでⓀる装備と思う。
クロアチア陸軍はパトリアAMV装甲車のVegvisir周辺状況認識システム実験を実施しました。これはAMV装甲車を開発したパトリア社がオプションとして最近開発したもので、車体上部に複数のカメラを配置し疑似合成的に360度すべての空間画像を一体化、社内でゴーグルを装着した操縦者や車長に車外にいるような光学情報を供します。
Vegvisir周辺状況認識システムの試験にはクロアチア陸軍機械化旅団第1機械化大隊、通称タイガース大隊が協力、4両のAMV装甲車に装着し12時間にわたり走行しました。具体的には走行中の待ち伏せ攻撃などを車内から、従来のペリスコープによる狭い視界ではなく広い視野で把握し、必要ならばRWS遠隔操作銃塔により対応する試験です。
■ヴィクトール防空システム
自衛隊のような高度な装備ではなくしかし航空自衛隊が廃棄した140基ものVADS機関砲は維持保管しておいた方が無人機攻撃を受けた場合に安心だ。
ウクライナ軍はチェコ製ヴィクトール防空システムの追加配備を実施しました。ヴィクトール防空システムはトヨタ製ランドクルーザー70の車体に大部分にチェコ製ZPU-2-14.5mm重機関銃を双装装備したもので、一見して安普請な、途上国などで武装勢力が多用するテクニカル武装ピックアップトラックを連想させるものですが実際は違う。
ヴィクトール防空システムに搭載されるものはチェコのエクスカリバー社が開発した見越し角計算機と暗視装置を併用した照準器が搭載され、有効射程は2㎞です。一見非力には見えますが、ロシア軍ら数千機をウクライナに向け投射しているイラン製シャヘド無人機に対しては極めて高い性能を発揮し、15両が今回募金で製造され譲渡されました。
■エストニア製無人車
現実問題で今の普通科隊員の装備は戦闘防弾チョッキの普及を踏まえて徒歩機動では重すぎる為にこうした装備化、それを買えないならばいっそ騾馬でも飼うべきだ。
エストニアのミルレムロボティクス社製無人車両が欧州国際共同計画i-MUGSプロジェクトにおいて実用試験に成功しました。i-MUGSとは統合モジュラー無人車両システムを示し、エストニア、ラトビア、フィンランド、そしてベルギーとフランスが開発計画に参加、今回は先行開発された実証車両が歩兵部隊との共同試験に成功しています。
i-MUGS統合モジュラー無人車両システムは1/4tカーゴと同程度の多目的無人装軌車両で、現段階では歩兵に随伴し必要な装備の運搬支援に当たるものとされています。将来には無人地上戦闘システムや工兵支援車両への応用され、機甲部隊に先行して地雷原などの啓開任務や歩兵を支援する無人自走対戦車ミサイル発射器などが期待されます。
■ドイツ,プーマ再試験
プーマの取得費用が89式装甲戦闘車の倍以上と聞いた際に真剣に再生産すべきと思ったのは十年前の話です。
ドイツ連邦軍は不具合の相次いだプーマ装甲戦闘車の強度実戦評価試験を実施しました。強度実戦評価試験は第33装甲擲弾兵大隊第2中隊がムンスター戦車学校射撃訓練場において実施し、プーマ装甲戦闘車18両とレオパルド2A6主力戦車5両及び工兵部隊などが参加、その支援に第9装甲旅団と第21装甲旅団などが訓練支援に当たったとのこと。
強度実戦評価試験の実施期間は2週間、初期には機能別訓練や初歩的な訓練は行われ、徐々に戦闘射撃や降車戦闘などを組み込み、最後の二日間は総合訓練として実戦を想定した一連の流れを演練、この評価試験では良好な成績を収めたという。プーマ装甲戦闘車は今年初めのNATO演習で演習中に全車が故障機能不随に陥ったという苦い経験があります。
プーマ装甲戦闘車は冷戦時代に大量生産されたマルダー装甲戦闘車の後継車両であり、マルダーの戦闘重量は33t、プーマは戦闘重量42tであり開発当時は卓越した防御力を誇っていましたが、駆動系や火器管制システムとデータリンクシステムに不具合が相次ぎ、更に車体管理システムの不具合から運用中に動かなくなるなどの致命的な問題がありました。
■オランダ,カラカル導入
自衛隊では要人輸送ヘリコプターとして装備していますが、UH-2なんかよりは方面航空隊単位でこの機種を装備する又はライセンス生産して配備できれば輸送能力は画期的な程に強化される。
オランダ軍は新ヘリコプターとしてエアバスH-225Mカラカル特殊戦ヘリコプターを導入します、ユーロコプターEC-725のエアバス型式名称であるH-225Mは、現在運用されているユーロコプターAS-532クーガー中型ヘリコプターの後継として導入され、納入は2028年から、14機を導入するとのこと。なお、AS-532は28年間運用されてきました。
H-225Mカラカル特殊戦ヘリコプター導入の背景は、AS-532クーガー中型ヘリコプターについてメーカーによる延命改修により2030年までの運用延長が可能と示唆されていましたが、オランダ軍任務の拡大を考えた場合に新型ヘリコプターの必要性が示されたという。ヘリコプターはSOF特殊作戦軍に配備されギルゼライジェン基地に配備されます。
■チェコ,ジャッカル
これこそ軽装甲機動車の後継で一つの選択肢となり得るのだけれども敵砲兵の曳火射撃に対する脆弱性をどうかんがえるべきなのか。
チェコ陸軍はイギリススパキャット社製ジャッカル耐爆機動車両の導入を検討中です。これはブルノで開催中の国際防衛技術展においてジェームズカートリッジ国防大臣がイギリス防衛企業ブースを視察した際に示されたもので、ジャッカル耐爆機動車両はイギリスとチェコとの合同演習においてイギリス軍が派遣する定番の装備でもあるとのこと。
ジャッカル耐爆機動車両、チェコ軍が導入を検討しているのは24両、珍しいオープントップ式の戦闘室を有する耐爆車両であり、自走に加えCH-47輸送ヘリコプターによる空輸に対応した機動性と、地雷原や側面からの待ち伏せ攻撃等を排除して長距離偵察を実施、イギリス軍はISAFアフガニスタン国際治安支援任務などでこの車両を活用しています。
■ハンガリーHIMARS中止
あれはまあ首相の発言が響いているよね。
ハンガリー政府はアメリカからのHIMARS高機動ロケットシステム導入を断念しました。これは2022年の段階でアメリカ側が輸出に難色を示していたことが画定していましたが、2023年半ばになりハンガリー国営MTI通信がその決定を国防省からの談話というかたちで遅ればせながらの報道となりました、ハンガリーのオルバン政権によるとのこと。
HIMARSについてハンガリー軍は24両の導入を計画していましたが、ハンガリー政府がスウェーデンのNATO加盟を拒否したため、アメリカ上院のジェームズリッシュ上院議員ら超党派議員団がハンガリーへのHIMARS輸出へ難色を示し、7億3500万ドル相当の輸出交渉を中止させたとのこと。オルバン政権は民族主義的極右政権とされています。
■カラカルにNC621
カラカルは後部ハッチこそ持っていないけれどもNH-90なんかと比較した場合胴体形状から小回りが利きそうに見える。
フランスのエアバスヘリコプターズ社はH-225Mカラカルヘリコプターへの20㎜機関砲搭載試験を進めています、ピューマシリーズの最新型であるH-225Mは兵員25名を同時空輸可能であるヘリコプターで、後部貨物扉を有さないために軽車両の空輸能力には限界があるものの高い機動性を有しています、しかし搭載武装は機銃に限られていた。
H-225Mカラカルヘリコプターに搭載し試験されているのはネクスター社製NC-621機関砲ポッドでM-621機関砲を内蔵しています、これまでカラカルにはFN-MAG軽機関銃航空機仕様のものが双装されたものを胴体に搭載していましたが、射程が限られていました。NC-621機関砲ポッドからの射程は2㎞に到達し、180発の弾薬を内蔵しています。
■ラトビア-NSM取得
自衛隊の35年に渡るSSM大量取得は正しかった。
ラトビア政府はNSM地対艦ミサイルの調達予算1億1000万ドルを承認しました。これは5月2日の閣議で少将されたもので2022年4月のラトビア議会で承認された国防資金法に基づく政府の権限として認証されたもので、国防資金法ではこのほか、2025年までに国防費をGDP比率2.5%まで段階的に増加させることも盛り込まれています。
NSM地対艦ミサイルはノルウェーのコングスベルク社製、超音速ミサイルではなく亜音速ミサイルですがミサイル本体に低RCS構造を採用しレーダー反射面積を抑えている点が特色です。1億1000万ドルの予算にはNSMミサイル本体と移動発射装置及び標定装置、また予備部品や教育訓練支援と協力事業者の諸費用なども含まれています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
チヌークで良いのでは?
高機動車積めるし、チヌークは大量配備してるし
ライセンス生産できるし。航続距離長いし大量に積めるし。
ゴリゴリ、ガッチリ装備で固めた特殊作戦機仕様を12機位は配備して欲しいねえ。
でも木更津に集中配備して有事になれば派遣してもいいとは思うが、北海道には事前配備して欲しいとは思う。
しかし丘珠駐屯地のキャパとか色々あるのかも。
まあ、相馬が原と出雲と熊本と那覇にはチヌーク配備しているから、30年前と比べたらかなり良くなったとは思う。
それより
空中給油が受給できる機体を最低半分以上備えて欲しいねえ~ブラックホークは全部ね。