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BCP事業存続計画は大丈夫か?COVID-19拡大,緊急事態宣言拡大と都市封鎖実施の可能性

2021-07-31 20:06:46 | 国際・政治
■ロックダウンは現行法で可能
 都市封鎖ロックダウン、そんな事は我が国では不可能だ、と主張していた各国が昨年次々と実施しており今行っている国もあります。日本では備えは大丈夫でしょうか。

 BCP:事業存続計画の改訂を,新型コロナ感染症緊急事態宣言強化による都市封鎖を前に行うべきです。今月初旬まで、日本では都市封鎖を回避しつつ新型コロナウィルス感染症の感染拡大を抑えてきましたが、東京では緊急事態宣言発令後も感染者が増大し続けるという経験の無い状況となっています。すると日本でも都市封鎖はあり得るという認識が要る。

 都市封鎖への法整備の必要性、これは7月30日の政府専門家分科会において将来的な課題として提示されたものです。今年一月の特別措置法改正では私権制限として事実上の都市封鎖を盛り込む法改正が試みられましたが、罰則については共産党や立憲民主党が強く反発し、自民党公明党にも慎重論が在り、強行採決は見送り、自粛要請のみとなりました。

 しかし、政治に自粛要請での感染阻止の選択肢が無くなり、また欧米や南米と南アジアなみの人口比での死者数が出れば、毎日が熊本地震や西日本豪雨と並ぶ死者数が続く訳で、恐らく国民が都市封鎖を受け入れざるを得ず、民主主義国家故に政府も踏み切らざるを得ません。道路交通法や災害救助法、この拡大運用で我が国では都市封鎖は不可能ではない。

 都市封鎖は中国武漢で実施された際に欧米メディアは、我が国では中国の様な強権政治ではないためにロンドンやパリで行うのは無理な話だ、としていましたが、感染拡大と共に泥縄式で実施しました、これは欧米諸国が実施できないとしたのが誤解であったのではなく、死者数の増大を前に都市封鎖以外の措置を政治が選択肢として持たなくなった訳だ。

 感染拡大に歯止めかからず有効な治療法が無い、他に打つ手が無かった為の帰結として実施されたのです。すると、日本でもデルタ株に対し都市封鎖は、在り得る。デルタ株の感染力の強さ、そして当初は95%とされたワクチンの効力が、アルファ株に対しては95%の予防が可能であってもデルタ株に対しては65%となり、現行ワクチンが決定打とならない。

 BCP:事業存続計画、企業は都市封鎖が行われる念頭で、例えば数週間から一ヶ月半程度、従業員が出社不能となり必要な資材搬入や製品流通が出来なくなった場合に倒産を回避する為の事業存続計画を明確化しなければなりません。そんな事は出来ない、と反論されるかもしれませんが、出来なければ数週間から一ヶ月半程度何もできなくなるだけの事です。

 企業は出来る事を今のうちにやっておいた方が良い、その為には都市封鎖が一部都道府県に限るのか、全国一律で行われるのか、最低限の出勤は認められるのか、物流は全て自由に維持されるのか制限があるのか、例えば災害救助法の警戒区域に指定されますと、東日本大震災被災地や熱海土砂災害被災地のように立ち入りが出来ない為、影響は大きくなる。

 BCP:事業存続計画、これは2001年の9.11同時多発テロや1995年の阪神大震災を契機に世界中で認識された企業危機管理の概念で、巨大地震や大洪水、核攻撃や大規模テロといった事態を前に、企業が倒産しない為に実施可能な事業を費用対効果で明確化するものです。都市封鎖下で事業が不能となるならば、都市封鎖解除後の再開計画だけでも必要だ。

 倒産を回避するには。BCP:事業存続計画は”事態発生後の事業人員確保””情報収集””移動手段の確保””インフラの確保””不足人員および資材の輸送計画””協力会社との連携”という準備を行い、”事業優先度の高い分野の列挙””維持でき費用対効果の低い事業分野の列挙””復興事業として回復に必要な新規事業の明確化”など経営学的に挙げるものです。

 目標と集約と配分、必要な概念はこの三類型です。“目標”とは全ての企業行動を曖昧ではなく明確で且つ達成可能な目標に指向する。“集約”とは入手できる人員と施設と資材を必要な地域に展開させる。“配分”とは一義的な事業と二義的な事業とを分け目標を達成するうえで必要な人員と二義的事業を行う為に必要な最小限の分野とに分ける、ということ。

 都市封鎖となれば、例えば工場は操業要員の出勤が不可能となり、無人操業可能な工場を含め原材料の搬入と製品の搬出ができなくなります。ただ、オンライン化可能なサービス業についてはテレワークにより存続できますが、回線をどのように確保するか、サイバーセキュリティの問題も発生します。これらを“目標と集約と配分”に分け計画を画定する。

 RPO目標復旧時点、RTO目標復旧時間、RLO目標復旧水準、MTPD最大許容停止分水嶺、と都市封鎖を念頭とすれば、BCP:事業存続計画は都市封鎖解除後の創業再開を行った場合に製造業の場合は資材搬入と製造に製品搬出と流通を分野ごとに作成するものですが、津波や地震と異なりインフラ破壊は生じない為、この特性を盛り込む必要があるでしょう。

 危機管理司令中枢、業務分担群、実証検証部署、評価支援部署、枠組としてはこのように分け準備する必要があります。危機管理司令中枢、これは高度の経営判断を必要とする為に経営責任者が関与しなければ権限なき責任となり意味がありません。オンライン化が可能であるのか対面が必要なのかにより、宿泊施設借り上げや疎開も検討すべきでしょう。

 業務分担群、2003年のSARS新型コロナウィルス感染症においては製造業などで感染を避ける為に業務を複数の業務が重複する群に分け、全員感染する事の無い様に調整していました。COVID-19については潜伏期間が長く一概に同じ手法が最適とは言い難いのですが、業務を実施する集団を権限も含め細分化し、一度に業務の崩壊を避ける施策が必要です。

 実証検証部署、これは実施がほんとうに可能なのかということを検証する部署です、応え合せが先と成らないよう急がねばなりません。評価支援部署、自社だけが対応したとしても協力企業や取引先が機能不随となっては意味がありません、この調整も平時から行うべきです。中小企業、BCP:事業存続計画は大企業に比較し欠缺があります。やっておく価値はあります。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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