北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

横須賀のりものYYフェスタ2012 開催初日の横須賀基地 Power Shot G-12速報

2012-06-10 20:24:12 | 海上自衛隊 催事

■土曜日は全面縮小の荒天行事

 本日と昨日実施されました横須賀のりものYYフェスタですが、土曜日の模様を紹介です。

Img_4717 端的には、土曜日は荒天行事となり、ヴェルニー公園での実施予定行事は大幅に縮小、海上自衛隊ヘリコプターによる飛行展示も中止となりました。ほんじつ日曜日は快晴に恵まれたのとは対照的、というところでしょうか。写真は試験艦あすか、横須賀入港の様子、本日も出入りがあったようです。

Img_4734 護衛艦ありあけ、二隻続いての入港です。これはインド海軍親善訪問に伴い、吉倉桟橋を空ける必要があったようですが、、出港後ということで二隻が戻ってきました。親善訓練を行った護衛艦はたかぜ、も翌日には戻り逸見桟橋に係留されていたのを本日確認しました。並行する曳船は米海軍の新型とのこと。

Img_4756 横須賀基地一般公開は逸見桟橋のみの実施となりましたが、イージス艦きりしま一般公開は多くの来場者を集めていたようです。佐世保基地や呉基地に舞鶴基地と異なり週末に一般公開されない横須賀基地、そういう意味で貴重といえた矢もしれません。本日は当方、大宮駐屯地祭へ足を運びました。最後になりましたが、現地でご一緒いただきました皆様、ありがとうございました。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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インド海軍東部方面艦隊日本訪問部隊 本日横須賀基地を出港

2012-06-09 17:34:24 | 世界の艦艇

■インド艦隊四隻帰途へ

 本日、インド海軍東部艦隊日本訪問部隊が日本での親善行事を完了、横須賀基地を出港しました。

Img_4685_2 インド海軍ミサイル駆逐艦ラナ。ソ連海軍が建造したカシン級ミサイル駆逐艦のインド輸出艦で、世界初の実用ガスタービン推進水上戦闘艦です。出港まで、ガスタービンの排煙が非常に目立ちましたが、それ以上に大型ミサイルや連装発射機、連装砲などが目立つ攻撃重視のソ連艦船の典型的外見です。

Img_4690_2 ミコルベットカルムク、ミサイル艇にも分類されますが、艦砲の背後に並ぶ四連装の対艦ミサイル発射装置四基が集中配備される特異な外観です。実はインド艦の出港は海上自衛隊によれば0900時となっていたのですが0800時頃に出向が始まり、0900時完了、という状況でした。時間は少し変化する、ということなのかもしれませんね。

Img_4695 補給艦シャクティ。艦橋が非常に大きいというのが印象でした。一般公開は木曜日に行われたということですけれども、過去の一般公開に足を運ばれた方の話では艦上での撮影は禁止で、テロ対策なのか短機関銃を携行した警戒員が巡回していたので、インド人と思われる方以外さすがにカメラは出せなかった、ということです。もっとも、桟橋からの撮影に制約はなかったとのこと。

Img_4700 ミサイルフリゲイトシヴァリク。2010年に就役したばかりの最新鋭艦で、21世紀の建造らしくステルス性を重視している外見ですが、兵装はソ連製と欧州製のものが混在し、今まで実際に見たことがない水上戦闘艦という印象でした。ホストシップの護衛艦はたかぜ、はかなり早い時間に出港したとのことです。

北大路機関:はるな

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平成二十四年度六月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2012.06.09・10)

2012-06-08 02:01:09 | 北大路機関 広報
◆自衛隊関連行事
 暑いのか寒いのか、少々分かりにくく他方金星が太陽表面通貨の様子を見ることが出来た今週、如何お過ごしでしょうか。
Gimg_0168_1 忘れもしないオウム真理教一連のテロ事件、NHKで未解決事件特集として放映された直後に動きがありましたが、今週末は地下鉄サリン事件に派遣され除染に当たった第32普通科連隊や化学学校など部隊の行事が行われます。今週末ですが、師団行事として北海道の第2師団行事が行われ、他方大宮駐屯地では最新のNBC偵察車の展示が期待されるところ、このほか航空自衛隊行事も行われます。
Gimg_2524 今週末最大の注目行事は旭川駐屯地祭第2師団創設記念行事でしょう。第2師団は北海道北部というソ連の脅威をいてに引き受ける重要地域の師団であり、今年で創設62周年、司令部が置かれる旭川駐屯地は創設60周年を迎えます。写真は第7師団ですが、第2師団は第7師団に続き機械化普通科連隊や戦車連隊を有し、自走高射機関砲も保有する精鋭師団です。
Gimg_4622 大宮駐屯地祭、大宮駐屯地には化学学校、中央特殊武器防護隊、第32普通科連隊が駐屯しています。中央特殊武器防護隊はかつての第101化学防護隊、第32普通科連隊は地下鉄サリン事件の時点では現在防衛省が置かれている市ヶ谷駐屯地に所在し、災害派遣へ出動しています。神経ガスの実戦での除染を行った唯一の部隊ではないでしょうか。本年は最新型のNBC偵察車の一般公開を期待するところ。
Gimg_9981 岩手駐屯地祭、第9戦車大隊の駐屯地です。第9特科連隊、第9高射特科大隊、第10施設群第346施設中隊が駐屯し、東北北部を防衛警備管区とする第9師団の火力部隊が駐屯する駐屯地ということ。いわて銀河鉄道渋民駅から4kmほどの場所にあるのですが新幹線の盛岡駅から17kmほど、足を運ばれる方は路線バスの確認が必要でしょう。
Gimg_9039 美唄駐屯地祭、第2地対艦ミサイル連隊の駐屯地です。非常に来場者が少なく、ゆったりした印象がありました。美唄駅からなんとか徒歩で行ける位置にあります。展示は限定的ですが戦車体験試乗はあまり人がいない関係か、何度も乗ることが出来るという。88式地対艦誘導弾ですが、この装備をじっくりと見学できる行事ということで貴重と言えるかもしれません。
Gimg_7157 航空自衛隊新潟分屯基地祭、新潟駅から新潟空港へ、五年に一度の行事です。新潟救難隊のUH-60JとU-125が装備されている分屯基地で、新潟空港に隣接しているということで航空機地上展示所在航空機のほかにも参加機が多くあり、救難展示のほかに航空機航過飛行といった飛行展示が行われるとのこと。
Gimg_6837 海上自衛隊ですが、ヘリコプター搭載護衛艦ひゅうが、今週は北海道の函館港にて一般公開となります。本日8日と明日9日に行われ、北海道函館市函館港での公開、支援は函館基地隊が行うとのこと。北海道は、大湊基地が距離的には近くとも交通手段で遠く、大型艦は横須賀まで飛行機で行かなければ、という話を聞きます。そんな護衛艦ひゅうが、北海道へ入港しました。
Gimg_6692 よこすかYYのりものフェスタ
2012、ヴェルニー公園三笠公園間で無料シャトルバスが運行され、横須賀基地周囲を会場として様々な乗り物が一般公開されるということ。海上自衛隊横須賀基地も一般公開され、艦艇を見学できますし、横須賀駅では伊豆急やJR特急が展示、朝にはインド艦隊の出港が見られるという行事、なかなか凄そうですね。
Gimg_8736 富山県射水市海王岸壁では、護衛艦じんつう一般公開が行われます。先週高岡市伏木地区万葉埠頭3号岸壁では、護衛艦ひゅうが一般公開が行われたばかりなのですが、今週の富山は護衛艦じんつう。土曜日と日曜日、午前の部と午後の部に分かれて一般公開が行われますので、お時間に余裕あるかたは是非どうぞ。とりあえず、海上自衛隊HPを見た限りでは、行事予定に上記の通り書かれていました。このほか、こうした行事もある、こんな艦艇を見た、有蓋貨車が廃車回送されていったなどのご情報をお持ちの方は、最後のもの以外、こちらのコメント欄にてお教えいただければ幸いです。
◆駐屯地祭・基地祭・航空祭
注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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海上自衛隊地方隊への一考察③ 護衛艦及び航空機の基地機能を如何に警備し維持するか

2012-06-07 21:54:59 | 防衛・安全保障

◆地方隊の任務としての基地維持
 我が国の海上防衛を考える上で護衛艦部隊や航空部隊について、その能力は非常に高い水準にあります。しかし、基地機能についてはどうでしょうか。
Yimg_5733 海上自衛隊の基地は東日本大震災の津波を見ればわかるように、大湊基地、横須賀基地ともに外洋に面していません。舞鶴基地は入り江の奥深くにあり、呉基地は瀬戸内海の奥、佐世保基地も狭い水道を通って基地へ到達します。これは出入港には不便ですが外洋からの艦砲射撃を避ける最適な立地で、津波さえも通さない天然の良港という一言に尽きます。
Timg_8707 しかし、警備は、となりますと錯綜地形にあるため、特殊部隊が迫撃砲や対物狙撃銃により電装品などに攪乱攻撃を加える場合、また水中コマンドーを展開させ艦艇に爆発物を設置する攻撃に対し脆弱性を抱えていることを忘れてはなりません。旧海軍時代ならば、要塞法に基づき民間人の行動を大きく制約し、憲兵隊を巡回させていましたが、今日ではこれは不可能でしょう。
Timg_1483 最初に誤解の無いように記載しますが、軍港というものは一部の国では全く近寄れない場所に設置されています。しかし、米海軍を見ますと、横須賀や佐世保はもちろんのことですがパールハーバー基地などは外から見える場所に基地が設置されており、ノーフォーク海軍基地も民有地に隣接、警備厳重という印象がある中国でも海水浴場の対岸に水上戦闘艦桟橋等が配置、台湾海軍でも湾口での入港艦艇の撮影が可能です。
Img_9383 もちろん、戦略ミサイル原潜基地などは一般では確認できない場所に基地を用意していますけれども、NATOでもイギリスでは軍港めぐり遊覧船が運航されていますし、ドイツでは潜水艦桟橋が国道から見える場所もあり、艦船ファンを喜ばせています。これは見せてはいけない場所とそうではない場所というものを区分している、ということになるのでしょうね。他方、シンガポール海軍のように撮影すれば射殺、と看板を掲げている基地があることは忘れてはなりません。
Timg_6801 しかし、有事の際、艦艇基地は絶好の攻撃目標となります。航空攻撃の標的となることはもちろんのこと、ゲリラコマンドーの攻撃にさらされ、危険ということです。相手からは多少防備があったとしても、水上戦闘艦や潜水艦が展開する前に叩くことが出来るのは、能力が限定される基地内だけですし、外洋に展開した水上戦闘艦、特に護衛艦隊と正面から戦闘を展開するのは非常に危険が伴います一方、停泊中であればコマンドー部隊で対応が可能でしょう。
Timg_7341 こうした脅威から、地方隊は基地を防護しなければなりません。地方隊の任務ですが、護衛艦隊への補給支援という任務があり、この点、基地機能を維持しなければなりません。このため各地方隊には一個中隊に相当する規模の警備隊を置いています。ミサイル艇も警備隊の所属で、哨戒任務に加えて有事の際には護衛艦入港に際しての沿岸の護衛警備任務を行うことになると考えます。
Img_7318 ただし、現状の規模で基地を警備できるのか、と言われれば、これは人員不足が背景にあるのですが、少々心配な面があります。整備中の護衛艦から陸戦隊を編成する、ということは少々無理があり、精々護衛艦の見張員を増強して個艦防御を充実させる、手空き要員に64式小銃を携帯させ、警備強化する、というところでしょうか。
Timg_0667 陸上自衛隊から普通科中隊の支援を受ければ、人員が必要な補給施設や燃料弾薬貯蔵地区、桟橋と通信設備、発電施設などの警備が多少は改善するのでしょうけれども有事の際に普通科部隊を抽出するだけの余裕が陸上自衛隊にあるのか、という点は平時から警備計画として可能か否かを作成する必要があり、この点は非常に重要というところ。
Timg_6470_1 ただし、可能ならば警備隊を強化し、陸上警備中隊と湾内警備中隊に拡充し。陸上警備中隊は陸上自衛隊の普通科中隊に準じ、軽装甲機動車を配置、対戦車小隊と迫撃砲小隊は野戦を行うのではないため、機関砲を運用する小隊に置き換えることなどが考えられるのですが巡回と警備を実施、湾内警備中隊は小型哨戒艇を複数運用する、というのが望ましいでしょう。
Timg_7392 この中でも陸上自衛隊へ警備を依頼できるものとそうでないものがあります。特に水中コマンドーの接近対処は水中処分隊の支援が不可欠ですが、同時に沿岸部からの浸透を警戒するためにどうしても基地へ繋がる水道の部分の警戒監視任務が必要となるわけです。車両巡回班を複数準備し、水上においても哨戒艇、無ければ交通船でもいいのですが恒常的に警戒しなければ、対応は難しい。
Timg_3888 もちろん、凄そうに見えるコマンドーは発見されれば過酷な運命が待っています。我が国へ持ち込める装備は、輸送機などが接近することが難しいため非常に限られ、哨戒艇の重機関銃一丁が浸透準備を行う部隊にとっては壊滅的な打撃を与えます。特殊部隊の天敵は訓練された歩兵部隊である、というのは世界的な常識で、一見凄そうに見えますが、実態は偵察と奇襲攻撃専門の軽歩兵部隊であるという本質はお忘れなきよう。
Timg_6306 基地警備訓練では多用途支援艦に重機関銃を搭載し支援に充てています。これならば哨戒用のボート母艦機能がありますし、湾内の中央部に位置すれば機関銃でかなりを制圧できます。1000t以上の船体ですので、対戦車火器でも機能は喪失しても簡単に沈没することはありません。これに加えて、巡視艇程度の湾口付近の警戒と護衛艦の入港支援に随伴し警戒する哨戒艇は必要と考えます。
Timg_0554 他方で、陸上自衛隊の移動監視隊が使用するような光学監視機材が複数台が配備されたならば、警戒は非常に厳重なものとなります。広域監視装置通称千里眼は270°の範囲内において移動物を自動検知し追尾する機能があり、沿岸監視のほか海外派遣では宿営地警備に用いられています。特殊部隊の浸透でも動いた瞬間い発見されるということ。
Timg_7521 こうした光学監視装置と、一部には暗視装置などを外洋までの水路を警戒する位置に警備班と共に配置し、特殊部隊の接近を警戒、少数部隊での警備は襲撃対象ともなり得ますが、秘匿すれば攻撃対象となる可能性は限られます、なにより機動性を以て迅速に移動できる点も重要でしょう。そして発見したらば少数ならば警備隊を以て制圧、強力な攻撃ならばミサイル艇から艦砲で粉砕すれば制圧できるでしょう。
Timg_1083 もう一つ、航空攻撃にいかに対処するか。護衛艦の戦闘能力は偉大ですが、基地周辺を山岳地に囲まれた場合、レーダーを充分に機能発揮させることはできません。基地が攻撃される可能性ですが、航空自衛隊では戦闘機部隊とペトリオットミサイルによる高射隊を配置していても、更に航空攻撃の可能性があるからこそ基地防空隊を置いています。
Timg_7457 大湊地区では冷戦時代に編成し配置していましたが、航空自衛隊は海上自衛隊の舞鶴基地近傍の小松基地第6基地防空隊、佐世保基地近傍の築城基地には第5基地防空隊、大湊基地近傍の三沢基地には第3基地防空隊、横須賀基地近傍の百里基地にも第7基地防空隊を置いています。呉基地近傍の美保基地には基地防空隊は置かれていませんが、ほかには備えがあり、航空自衛隊の基地は危険でも海上自衛隊の基地は大丈夫、とは考えられません。
Timg_7354 基地警備には同じことが言えるのですが、対空防空を考えた場合でも、艦艇基地のほか、八戸航空基地、厚木航空基地、鹿屋航空基地、那覇航空基地には哨戒機部隊が展開しており、回転翼哨戒機部隊を含めれば航空群は館山航空基地と大村航空基地、航空隊を含めればさらに多く厳しいことは確かなのですけれども、航空攻撃やコマンドー攻撃で無力化されることだけは避けなければならない。
Timg_0158 陸上自衛隊へ、支援要請、と思うところですが、対空レーダ装置や低空レーダ装置は各師団や旅団の高射特科部隊に各一基のみで、これを海上自衛隊基地支援に充てた場合、師団防空が不可能となってしまいます。ここは高射機関砲と地対空ミサイルを置かなければなりません。代替案に湾口付近に常時ミサイル艇を配置し、対空警戒に充てる、可能ならばミサイル護衛艦がいいのですが、データリンクを行えばこの必要はないのでしょうけれども、余裕はあるのか、ということ。
Img_0401 人員不足の海上自衛隊予算は限られ、非常に苦しいことは現実なのですが基地が機能していなければ、護衛艦はじめ潜水艦や掃海艇といった装備の能力は大きく制限されてしまうことは間違いなく、如何に基地を護るのか、ということは地方隊の任務として真剣に検討されるべきだろう、と信じます。

北大路機関:はるな

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インド海軍東部方面艦隊4隻 横須賀基地を親善訪問(2012.06.05~06.09)

2012-06-06 22:13:11 | 海上自衛隊 催事
◆明日最新艦シヴァリク・シャクティ一般公開
 現在インド海軍艦船が横須賀へ親善訪問中です。5日火曜日に入港、明日一般公開が行われ9日土曜日に出港します。
Iimg_9310 インド海軍東部方面艦隊司令官アジットクマール海軍少将が艦隊の指揮を採り、ケーエーボパンナ大佐隷下のミサイル駆逐艦ラナ、ラヴィマルホトラ大佐隷下の補給艦シャクティ、ラジェシュ・ペンハルカル大佐隷下のミサイルフリゲートシヴァリク、ヴィヴェク・ダヒヤ中佐隷下のコルベットカルムクが入港中です。海上自衛隊は第1護衛隊群司令糟井裕之海将補をホストシップ指揮官とし、関川秀樹2佐指揮下の護衛艦はたかぜ、をホストシップとして派遣しました。
Iimg_5441 今回親善訪問したインド艦隊ですが、ミサイル駆逐艦ラナ、ミサイルフリゲイトシヴァリクが非常に特色的です。海上自衛隊がホストシップとして派遣した護衛艦はたかぜ、も非常に兵装が目立つ威容を誇っていますが、ラナは、ラジプット級五隻の二番艦、ソ連海軍のカシン級駆逐艦を原型とした満載排水量4974tの大型水上戦闘艦です。SA-N対空ミサイル連装発射器二基、SS-N-2艦対艦ミサイル単装発射器四基、76mm連装砲一基、30mm高性能機関砲四基、533mm長魚雷五連装発射管一基、RBU-6000対潜ロケット発射器二基とヘリコプター、典型的な重武装のソ連艦といえるでしょう。
Iimg_1516 ミサイルフリゲイトシヴァリクは対照的にステルス性を重視した最新型で2010年就役、シールドによりRCSを局限化する構造の一方で搭載する兵装は多くロシアが近年設計しているアドミラルゴルシコフ級フリゲイトを髣髴させる形状ですが、シーキング対潜ヘリコプターを搭載、満載排水量は5300tで、レーダーにはイスラエル製エルタAMDRを搭載、かなり特色ある一隻です。
Iimg_6367 カシン級の設計は1960年代のものですので、1960年代艦と2010年代艦、この二隻が並ぶ様子はなかなか見れるものではありません。ラジプット級は2009年に佐世保へ親善訪問しましたが、シヴァリク級は日本訪問は今回が初めてではないでしょうか。インド海軍艦艇の訪日は4ヶ月ぶりとのこと。5日0900に入港し入港歓迎行事、本日6日はスポーツ交歓行事が行われていたようです。
Iimg_9050 ここまで最新艦となると見学したくなるところですが、一般公開あります、明日一般公開の予定。フリゲートシヴァリクと補給艦シャクティが明日木曜日1000時から1200時までと1300時から1500時まで一般公開され、1330時からは横須賀基地内においてインド海軍軍楽隊による演奏会が行われると発表されていました。吉倉桟橋に係留されているようなので、横須賀線から通勤途中の車窓風景としてみることが出来るのでしょうか。
Iimg_6660_1
 出港は9日土曜日の0900、金曜日の海上自衛隊カレーは御賞味戴ける、ということなのでしょうか。横須賀のりものフェスタが土曜日と日曜日に行われる、ということですので、恐らくヴェルニー公園から撮影できるだろう、と思います。1000時から横須賀基地も艦艇一般公開のために開放されますので。これに合わせて遠く我が国を訪問したアジアの同胞出発の御見送りへ足を運んでみるのもよいかもしれません。
北大路機関:はるな

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巨大地震“南海トラフ地震”への備えを考える⑥ 自衛隊の鉄道輸送能力をどう評価するか

2012-06-05 22:49:26 | 防災・災害派遣

◆一昼夜で全部隊送り込め!
 南海トラフ地震は避難が遅れる冬季夜間の発災を想定すれば今までよりも犠牲者の桁が一つ大きくなるとの研究があるようです。自衛隊の災害派遣という観点から、この国家の危機へ如何に立ち向かうか。
Img_2187 陸上自衛隊は方面隊を超えた師団規模の部隊緊急展開の実動訓練として協同転地演習が行われています。この中で陸上自衛隊の車両を鉄道輸送する長距離機動訓練も実施されているのですが、東日本大震災に際しては協同転地演習を遙かに超える規模での自衛隊部隊の緊急展開が実施された中で、車両の輸送や補給物資などの輸送を行うにはどのような装備であっても必要であるということは自明であったにもかかわらず残念ながら自衛隊車両などの輸送は行われたとの話を聞きません。
Img_4887 もちろん、被災地への救援物資輸送で、自衛隊の車両や装備品に係らずといえば鉄道貨物輸送が実施されたことは言うまでもありません。JR貨物を筆頭に東日本大震災へは、公共交通機関としての枠を超えた貢献はありました。例えば鉄道燃料輸送、本来は港湾部から内陸部へ十数Kmから精々数十Kmを移動するものが基本ですが、仙台港はじめ石油陸揚用港湾設備が全損したため、横浜をはじめ全国から長駆被災地へ立ち向かったことは有名です。
Img_0070 鉄道輸送は広域災害に強く、改めてその存在感を示したのが今回歩東日本大震災でした。太平洋岸の鉄道施設は地震による軌道崩壊や橋梁損傷、津波による線路流出や設備破損の被害を受けた一方、JRは迅速に貨物輸送を日本海縦貫線に転換、日本海側から東北地方へ前進し、機能する路線に沿って被災地近傍へ輸送を行い、同時に復旧作業に昼夜兼行で邁進し、路線復旧と共に貨物輸送網を幹線から支線へ中央から末端へ前進させ、鉄道は大震災に対し復旧能力が高いことを示しました。局地災害ならば鉄道は復旧に時間を要しますが、広域災害ならば稼働路線を繋ぐ方式で長距離移動を行うことが出来たのですね。
Img_9236 JR貨物の救援物資は、特に燃料など、民間向けではなく緊急車両を優先として給油したことから、自衛隊車両や、そのほかの消防広域救助隊や警察機動隊、国土交通省を筆頭に様々な燃料需要に応えたことは間違いなく、消耗品や糧食などは自衛隊以外の自活能力を前提としていない機関へは大きな支援となったことは間違いないことであり、この点で貨物輸送は求められた責務を全うした、と言えるでしょう。
Img_0291 しかし、九州や北海道からの車両部隊の緊急展開は、九州からは1000km以上の距離を自走し被災地へ駆けつけ、北海道からは米軍の揚陸艦や民間カーフェリーに依存する部分が大きかったわけです。今回の震災では青函トンネルに影響はなく、北海道からの緊急展開に際しては自衛隊車両を鉄道車両に貨物輸送として搭載することが出来たならば、米軍の揚陸艦が佐世保から北海道に展開するよりも早く展開できた可能性があります。
Img_0620 北海道から73式装甲車が発災後36時間以内に展開することが出来ていれば、こう考えてしまうわけです。市街地の長期浸水により、海上自衛隊が展開するにも市街地の奥深くで交通船は乗り入れることが出来ず、しかし徒歩では進出が困難、高機動車や軽装甲機動車は水深が深く通行不能で、広く装備されている96式装輪装甲車は浮航能力が無い、方面隊の94式水際地雷敷設車は大型すぎ数も限られている。しかし73式装甲車、北海道に集中配備されている73式装甲車ならば浮航能力があった。
Img_9475 何故行われなかったのか。考えられる理由は簡単で、我が国の鉄道貨物輸送においては自動車を運搬するピギーパック輸送が普及していないため、長物輸送用の貨車に搭載するか、土砂運搬用無蓋貨車へ車両を搭載、いや積載する、ということが実情であり、搭載に時間がかかるということ。特にJR貨物駅では既にコンテナ輸送が基本となっているため、車両がそのまま搭載可能なスロープも非常に少数が解体されず残っているのみという現実があります。
Img_1186 加えて、上記の貨車は全て輸送の主流から傍流以下となっており、老朽化は解体か維持か、という水準まで老朽化が進んでいるのが実情です。新規に貨車を防衛予算により調達するか、自衛隊の鉄道輸送の頻度を高め、JR貨物へその必要性が実感される規模に展開させ、新造を依頼するという手法以外に老朽化への対処はありません。後者はやや現実味が無い提案に見えますが、JR貨物は東日本大震災に際し、震災瓦礫輸送専用貨車を新造していますので、毎日のように自衛隊輸送の需要があるならば可能性はあるやもしれません。
Img_2037 ただ、現状では非常に車両搭載に時間を要します。第10師団が協同転地演習により北海道へ緊急展開した際、78式戦車回収車を鉄道輸送しましたが、貨車への搭載はスロープが構造上使うことが出来ず、貨車にそのままクレーンにて搭載する必要がありました。そこまで大型の、38tの車体をそのまま吊り上げることが可能なクレーン車は自衛隊には無く、結局日本通運の支援を受け、三日がかりで搭載したとのことでした。これでは間に合わない。
Img_2497 この場合考えられるのは、師団防災計画に一定以上の距離への軌道を行う場合の貨車搭載可能車両及び補給物資を予め列挙し、大型トラックへはコンテナの搭載を計画。こうしたうえで海上コンテナ用フォークリフトを方面後方支援隊に一定数を配備し、コンテナ輸送用貨車へ車両を積載するアタッチメントを新規に調達、既存のコンテナ輸送用貨車へ、高機動車、軽装甲機動車、3t半(73式大型トラック)、96式装輪装甲車といった車両を迅速に貨物駅からコンテナ用貨車へ搭載できるよう準備しておくことが考えられるでしょうか。
Img_4450 自走可能な車両は多いですが、北海道からの展開には青函トンネルを利用する場合の方が、呉基地から輸送艦を展開させるよりも早いでしょう。なによりも、輸送艦には被災地でのエアクッション揚陸艇LCACを用いた被災者救助の重責があります。陸上自衛隊の輸送は重要な任務ですが、呉から被災地へ行く前に呉基地周辺の第13旅団か、被災地の位置によりますが横須賀基地近傍の第1師団、佐世保基地近傍の第4師団を収容することはあっても、これら部隊を展開させたのちは洋上拠点としての任務が待っています。
Img_4460 また、必要な物資をコンテナ化しておくならば、物資の輸送を貨物駅がどの程度自衛隊の拠点として用いることが出来るかの、平時からの法整備と提携準備を行う重要性に繋がる内容ですけれども、自衛隊の後方支援体制は非常に有利なこととなります。かつてあった、桂駐屯地や朝霞駐屯地、島松駐屯地や神町駐屯地に福岡駐屯地への貨物引込線があったならば、より有利にはなるのでしょうけれども。
Img_4611 自衛隊の任務は筆頭に我が国の軍事力を用いた脅威への防衛警備であり、続いて国家の防衛に寄与する任務として災害派遣がある、ということはこの項目でも忘れてはなりません。ただ、陸上自衛隊の車両輸送の一部を、可能な範囲内で鉄道輸送に依存することは防衛出動において重要な位置づけとなります。北方への緊急展開を念頭とした長距離機動が北方機動演習と今日の協同転地演習で示されていますが、なにより、南西諸島有事に際して陸上自衛隊の緊急展開に大きく寄与するでしょう。
Img_4922 沖縄には鉄道が無く、仮に建設されたとしても九州と繋がることはないではないか、と思われるでしょうがそうではなく、鹿児島阿久根港や長崎県佐世保基地への鉄道車両輸送による展開を行うことに意味があります。全国から南西諸島にもっとも近い九州の港湾設備に自衛隊を集結させ、その後民間車両運搬船などにより沖縄本島の勝連基地や那覇軍港に牧港といった拠点に部隊を集中、本島の防備を固めると共に、海上自衛隊輸送艦により先島諸島に輸送する、こういうこと。
Img_5108 自衛隊輸送はカーフェリーだろう、と言われるでしょうが確かに一理あるのですけれども、北海道から九州までカーフェリーで移動する場合には九州西方へは72時間を要します。加えてカーフェリーにも数の限度がありますので、駐屯地近傍の港湾に集結するのではなく南西諸島に近い幾つかの港湾からのピストン輸送を行うのが望ましく、この為には車両の自走とともに鉄道輸送を行うことが望ましいではないでしょうか。
Img_5300 第7師団の90式戦車や89式装甲戦闘車を高速カーフェリーで九州から大分港へ協同転地演習において展開したことが昨年有名となりましたが、あれは戦車の輸送だけであり、戦車一個中隊を一週間戦闘を継続させ維持するためには多くの後方支援が必要となります。戦車を輸送するのは展示するためではなく戦闘に用いて外敵の侵攻を抑止するか上陸された際には排除することが目的です、この為に立後方支援車両が多く必要となりますので、こちらの輸送を考えた場合、高速カーフェリーの重要性は高いですが、他方運べるものであれば鉄道貨物輸送も民間運搬業者も動員しなければなりません。
Img_7039 これらの実現へは、前述の大型フォークリフトの方面後方支援隊への多数配備、輸送学校における鉄道輸送訓練の近代化と充実、平時からの鉄道輸送強化による自衛隊の輸送体系への定着とJR貨物との連携強化、考えるだけでこうした改編が必要となるのですが、我が国には東日本大震災において広域災害へ威力を発揮した鉄道輸送という財産があります。南海トラフ地震という国家危機へ臨む上で、検討は為されるべきだと信じます。

北大路機関:はるな

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新防衛大臣に森本敏氏 元3佐の外交官で防衛大臣補佐官経験のある大学教授

2012-06-04 23:08:21 | 国際・政治
◆防衛大臣の民間人登用は防衛庁時代含め初
 本日、田中防衛大臣が更迭され、森本敏氏へ野田総理より防衛大臣就任の要請があり新防衛大臣に就任することとなりました。本日は予定を変更して掲載します。
Img_4656 森本氏は防衛大学校出身で幹部候補生学校を経て航空自衛官に着任、3等空佐の時代に外務省北米局へ出向、その後航空自衛隊を除隊し外務省入省、外務省情報調査局企画課安全保障政策室、大臣官房領事移住部領事移住政策課長を経て退職、現在は拓殖大学国際学部教授。防衛省発足後に新設された防衛大臣補佐官に着任、麻生政権までその職に当たりました。
Img_0671 防衛大臣へ民間人登用ということで適任者を選び就任を説得させることが出来るのか、非常な難題ではありましたが、元航空自衛隊幹部自衛官で外交官、防衛大臣補佐官経験のある大学教授、非常に稀有な人材で、防衛大臣の民間人登用は防衛庁時代含め初ということになるのですが、元外交官の岡崎久彦氏や元統幕長の先崎一氏と並び民間人では防衛大臣へ適任の方と言えるでしょう。
Img_6676 防衛に関する識者は一般に広く知られる方が多いのですが、装備品の個々の能力や軍事制度もしくは戦史に詳しい人物というのは正直適任ではありません。必要なのは防衛政策を把握し代表し運用を司る人材で、この点、過去に防衛通と言われる人材ながら兵器の知識に偏り防衛政策に混乱を来した政治家もいたわけです。他方で、素人ではないかと言われつつ調整型の人材であれば知識量が能力を図るものではないという証明のような大臣もいました。
Img_0335 正直な感想としては自民党時代の防衛大臣補佐官経験者を民主党政権が登用したということ、、元航空自衛隊幹部自衛官で外交官という元役人を脱官僚を掲げる民主党が登用したということ、特に元3等空佐をかつて元幹部自衛官の長官就任に反発した民主党が大臣就任をお願いしたということ、以上三点が防衛大臣への民間人登用以上に驚いたことです。
Img_2662 更迭された田中防衛大臣ですが、防衛に関する知識は内部部局や統幕が補佐するものであり、決して不十分を以て更迭の要因とはならないのですが、そのほかの部分での失言と、防衛大臣は防衛政策の責任を以て内閣と政府の責務に当たるうえでの必要なものが欠けていました。この点、民間人登用以外の選択肢では北澤防衛大臣の再任、という可能性もあったのかもしれません。
Img_1976 しかし、森本新大臣であれば、人材としては的確で問責決議を出されるような失策はなかなか考えられません。例えば民主党政権が総選挙に展開した場合であっても選挙行動とは無関係に大臣の責務に全うすることが出来、特に政局がただでさえ頻繁に交代する防衛大臣という安全保障上の問題をさらに混乱させる可能性がある実情を背景としては、一つの選択肢と言えるのでしょうか。
Img_8793_1 まさか野田総理が掲げている消費税増税への党内工作の一環として、民主党部内での反野田派を説得する要件に、特に解散総選挙となれば確実に政権を失うという本末転倒な現状を念頭に、党内の同意と合意を得る手段で解散総選挙を掲げる布石の一つとは考えませんが、仮に総選挙が行われ自民党政権となった場合でも防衛大臣として留任させることが出来るでしょう。
Img_2711 森本新大臣の政権交代後の可能性ですが、アメリカではロバートゲーツ国防長官がブッシュ政権とオバマ政権と国防長官を務めています。共和党政権から民主党政権へ連続しての国防長官、オバマ政権発足は2009年でしたが、後任のパネッタ国防長官へ引き継いだのは2011年になります。ロバートマクナマラ国防長官もケネディ政権とジョンソン政権で国防長官を務めており、アメリカでは実例があるわけです。
Img_6619 ともあれ、新大臣に森本大臣の就任は、北澤防衛大臣の東日本大震災への対応が高く評価される一方で、続く二人の防衛大臣が更迭されることとなった中での、民間人登用ですけれども例外と言えるほどの朗報でしょう。対照的に南西諸島への軍事的圧力増大や北朝鮮ミサイル事案、南海トラフ地震の危険性指摘に加え脱原子力政策に伴う化石燃料需要増大を背景とした安全保障要件の変化、非常に危機的な状況であることに変わりはありません。
Img_8196_1 こうした中で、我が国は財政再建が非常に大きな課題であり、東日本大震災からの復興は政府の無策が影響し今なお停滞、自衛隊を取り巻く国際関係は非常に緊迫化していると同時に、財政面での大きな課題を抱えているのが現状です。防衛大臣は、防衛省の最高責任者であると同時に内閣の一員としての責任を求められることでもあり、その職務へこれまでの手腕を最大限発揮することが求められているのです。
北大路機関:はるな

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板妻駐屯地創設50周年記念行事 Canon Power Shot G-12撮影速報

2012-06-03 23:43:52 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

◆第34普通科連隊・第3陸曹教育隊の板妻駐屯地祭

 本日、静岡県の板妻駐屯地祭へ行ってまいりました。コンパクトデジカメG-12で撮影した速報です。

Cimg_3741 板妻駐屯地は本年度、創設50周年という節目の年を迎え、富士山の裾野、第1師団隷下の第34普通科連隊、東部方面混成団隷下の第3陸曹教育隊が駐屯する駐屯地です。東富士演習場にほど近い立地にあるのですが、その分訓練は演習場で行うという方針の下、やや機能を絞った広さという印象でした。

Cimg_3817 89式小銃を手に更新する普通科隊員、一糸乱れぬ統制された動作は精鋭部隊への最初の条件です。第1師団、第12旅団、第14旅団、中部方面混成団、第3師団、第4師団と師団や旅団、それに混成団の行事を立て続けに撮影しましたが、久々に普通科連隊の駐屯地記念行事の撮影です。

Cimg_3843 第3陸曹教育隊。板妻は34連隊、という印象が強かったのですが曹教の部隊ということを思い出しました。陸曹は自衛隊の戦闘への第一線を支える専門要員の練成機関、我が国では陸曹の比率が大きくなっている点がる意味問題視されますが、若い隊員よりも小隊陸曹のほうが体力を鍛えぬいていることが少なくなく、専門要員の定数が増加する、ということはある意味重要と言えるでしょう。

Cimg_3854 本日の板妻駐屯地祭ですが、天気予報ではかなりの降雨が報じられていたようで、晴海ふ頭桟橋でも、板妻と古河は雨天なので断念、もしくは経ヶ岬分屯基地祭へ転進、という声が聞かれました。しかし、何とかなるだろう、という一点、更にちょっと京丹後市は遠いという本音から板妻へ向かった、というところ。

Cimg_3885 第34普通科連隊の軽装甲機動車。本日はこうした曇りの天候ではあったのですが、幸い危惧したような荒天とはならず、開門二時間前には少々強めの雨こそ降りましたが、幸い当方は、・・・、傘を買いに出歩いた瞬間以外濡れることはありませんでした。つか、正直なところ傘を買う必要なかったですよ。

Cimg_3899 観閲行進ですが、板妻駐屯地は式典会場の二辺を開放、この中で一辺は来賓招待客向けのテントとなっており、、もう一辺が斜面で一般客向けに開放されています。この斜面の場所、富士学校の会場と同じ構図、縮小したような立地なのですが、この斜面が観閲行進を正面から撮影できる場所でした。

Cimg_3916 120mm重迫撃砲を牽引する高機動車。雨は降らなかった、しかし、自分のお天気運はある程度信用していたものの相馬原駐屯地祭のように雨天となたこともありますので、EOS-7Dに18-200mmを装備したもののみ携行、120-400mmとEOS-50Dは待機としました。大失敗、持っていけば、いろいろと使い道があったのに、この判断は難しい。

Cimg_3959 第3陸曹教育隊の79式対舟艇対戦車誘導弾。上陸用舟艇さえも撃破する装備です。さてこの会場、富士学校と同じ構図で、観閲行進を撮影できる最良の位置は訓練展示を撮影しにくい、という構図がありました。そこで警備の隊員さんに立ち入り規制場所を聞いてみますと招待者天幕の淵側は規制していないとのことでしたので、訓練展示と撮影場所を陣地転換することとしました。

Cimg_3965 中距離多目的誘導弾、世界最新の対戦車誘導弾で、誘導方式や照準方式など細かいことは言えないが部隊愛称はチュウタ!、とのこと。富士学校の普通科教導連隊に配備されたことは聞いていますが、一般公開は滝ヶ原と同日の練馬へ行ったため見ることが出来ませんでした。武山でも公開されたそうですが同日の福岡駐屯地祭へ、ともあれ、装備品展示にも並べられ、本日一番の注目装備です。

Cimg_3990 観閲行進につづっ訓練展示が行われました。そこはEOS-7Dの撮影ですが陣地転換、最大ズームで撮影しました。観閲行進ではFH-70榴弾砲や74式戦車は参加せず純粋に板妻駐屯地の車両によってのみ展開されましたが、訓練展示では参加、轟音は来場者に衝撃波として叩きつけ、その能力の一端を示しました。

北大路機関:はるな

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海上保安庁総合観閲式(東京湾羽田沖)2012 Canon Power Shot G-12撮影速報

2012-06-02 23:47:25 | 世界の艦艇

■羽田沖観閲式

 本日、御縁あっていつもお世話になっている方からご招待いただき、海上保安庁羽田沖観閲式予行へ行ってまいりました。

Img_357_6 海上保安庁総合観閲式は毎年東京湾の羽田沖において実施されている行事です。我が国は四面を海に囲まれ、海洋を国境とする国家です。このため、その国境警備という重責に正面から当たる法執行機関である海上保安庁は、その警備救難船艇の規模で世界最大の規模を誇っています。

Img_3619 本日お世話になったのは巡視船やしま、みずほ型ヘリコプター搭載巡視船の二番船にあたる大型巡視船です。東京港晴海埠頭からの乗船で、東京駅を一路晴海へ、乗船手続きを終えて巨大な巡視船へと進みます。意外でしたが晴海埠頭から乗船する、という経験は初めてでした。

Img_3571 海上保安庁総合観閲式は東京湾羽田沖にて行われます。その内容は観閲式に続き観閲飛行、訓練展示と展開し、訓練展示は消火展示や救命訓練展示、法執行訓練は海賊船舶に対する追跡と制圧、機動飛行あり機動航行あり、爆発あり銃撃戦ありと、非常に工夫されたものとなっています。

Img_3585 巡視船やしま、は総トン数5300tと大型ですが、総トン数と護衛艦を示す基準排水量は別物で、改めて見ますと、その大きさについて考えさせるものがありました。ベル212二機を搭載する巡視船です。他方、海上保安庁には写真のスーパーピューマ二機を搭載する世界最大の巡視船しきしま、もあります。

Img_3599 海上保安庁ですが、我が国の広大な海域を警戒するべく多くの船艇を有しています。つい先日も大陸棚自然延長線に基づく排他的経済水域が拡大され、国土に匹敵する海域が加わったばかり、他方で多数が建造された巡視船は順次旧式化する一方、工作船対処やテロ対策など任務へ対応するべく高性能と高い建造費を必要するもので、勢力維持が大きな課題となりました。

Img_3602 護衛艦やまぎり。練習艦より護衛艦へ戻った一隻で、海上自衛隊からの行事参加となりました。今年は観艦式が予定されています。海上自衛隊も装備更新と勢力維持には予算面から大きな課題を抱えていますが、可能な範囲内で我が国の防衛を考えなければなりません。

Img_3614 展示を終えて東京港へ戻る巡視船やしま、からの情景。G-12はあくまで補助装備、主たる撮影はEOS-7Dの18-200mmとEOS-50Dの120-400mmで、まだその写真の整理は全く手つかずですので、迫力の訓練展示はG-12では撮影できていません、一眼レフでの写真は、後々紹介できれば、とおもいます。

Img_3637 海上保安庁総合観閲式は明日が本番ですが本日の予行、晴海に戻りますと意外と多くのいつもお世話になっている方とお会いしました。それではあすは、ということになるのですが、・・・、明日は天候が悪そう、そして防滴装備の多くを今回携行していないのですが、まあ、何とかなるでしょう。

北大路機関:はるな

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平成二十四年度六月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2012.06.02・03)

2012-06-01 12:54:02 | 北大路機関 広報
◆自衛隊関連行事
 今年の梅雨は長くなるようです。そして長い梅雨の訪れを知らせるような雷鳴の日々、PCをお使いの方には神経が尖る今日この頃如何お過ごしでしょうか。
Bimg_2283 今週末の自衛隊行事ですが、師団・旅団行事があります。筆頭は北部方面隊の第11旅団真駒内駐屯地祭。75式に代え最新型の99式自走榴弾砲の導入が開始された第11旅団で、90式戦車や各普通科連隊への一個中隊の96式装輪装甲車の配備など、重装備を以て道南地区の防衛警備及び災害派遣に対応する旅団です。札幌市営地下鉄自衛隊前駅からすぐの駐屯地で、札幌市内と思えないほどの広さを存分に活かしての行事です。
Gimg_8533 第9師団創設50周年記念行事、青森市の青い海公園を中心い行事が行われるようです。青函地区という防衛警備上の重要地域を任された第9師団は北部方面隊に人事る重装備師団として冷戦時代に強化された部隊です。新町通では1000時からパレードが行われ、1200時から青い森公園では飛行隊による飛行展示が実施、非常に特色ある行事となるようですが土地勘が無いと厳しいところ、師団HPと青森市街地図をしっかりとご確認ください。
Gimg_2243 第1施設団創設記念行事。古河駐屯地祭。茨城県の駐屯地で東部方面隊直轄の施設部隊である第1施設団が置かれている駐屯地で、駐屯地創設58周年を迎えます。師団施設大隊や旅団施設隊と異なり、装甲ドーザや地雷原処理装置などの戦闘工兵装備を集約し、同時に建設工兵として重渡河装備に架橋装備などを保有、道路舗装まで含めた兵站線を維持するうえでの装備を集約する部隊です。
Gimg_4732 上富良野駐屯地祭、第2戦車連隊の駐屯地です。第72戦車連隊しかみたことないのですが、東千歳の第7師団に三個戦車連隊を集約させた機甲師団編成をとっているのですが道北の旭川第2師団も冷戦時代、ソ連にもっとも近い地域におかれた師団として重装備を集約、このため戦車連隊を有しています。90式戦車を有する戦車連隊、迫力の展示を期待しますね。
Gimg_4518 板妻駐屯地祭。静岡県御殿場市の駐屯地で第1師団隷下の第34普通科連隊が駐屯しています。東富士演習場に近い駐屯地ということで、野戦部隊としての能力を高めているほか、訓練の支援などで演習場を充分に使い、山岳部隊というほどではありませんが、富士では非常に強い部隊とのこと。
Gimg_8613 海上自衛隊関連ですが、護衛艦ひゅうが、が、舞鶴基地で一般公開されます。海上自衛隊最大の護衛艦ひゅうが型は満載排水量19000t、ヘリコプター運用を重視した全通飛行甲板型護衛艦で、明日2日土曜日の一般公開です。護衛艦ひゅうが、は舞鶴に続いて富山県高岡市の伏木地区万葉埠頭にて3日日曜日と4日月曜日に一般公開予定。
Gimg_0345 このほか日本海側の一般公開、輪島では2日土曜日に掃海艇まえじま、すがしま一般公開、土曜日は掃海艇すがしま一般公開、日曜日は午前中が掃海艇まえじま、午後が掃海艇すがしま一般公開です。全く異なる型の掃海艇を見比べてみるというのも興味深いでしょう。加えてミサイル艇はやぶさ一般公開が秋田港南埠頭セリオン北側にて3日に予定となっていました。
Gimg_3913 横浜開港祭、本日1日と明日2日に行われます。体験航海と一般公開が行われるのですが、2日の予定では0900から1200まで一般公開、その後1400から1530まで事前応募制体験航海が行われますので、入港や出港の様子を撮影することが出来るでしょう。全然公開の艦艇と写真が違うでは、と思われるでしょうが、神奈川地本HPでも護衛艦やまゆき、項目に護衛艦いそゆき写真で代用していたりします。
Gimg_6533 鹿児島県山川市山川漁港外港にて2日と3日に掃海艇いえじま一般公開が予定とのこと。このほか、もう時間的に厳しいですが本日、名古屋港にて護衛艦ゆうぎり一般公開が行われています。名古屋港ガーデン埠頭で乗艦締め切りは1500時まで、一般公開は1600時までです。夜景と護衛艦、何しろ基地では近寄れないほど近くに停泊していますので、時間帯的に、今夜三脚による長時間露光撮影を行う、というのが名古屋近郊の方にはお勧めかもしれません。
Gimg_1448 防府北航空祭、航空自衛隊の行事ですが第12飛行教育団が展開する基地で、T-7練習機を運用しています。第13旅団第13飛行隊の駐屯する防府分屯地も隣接しています。T-7練習機の編隊飛行や機動飛行などが注目の航空祭、小回りが利きます。F-15やF-2等がリモートで飛行展示を行うとのこと、山陽本線防府駅からシャトルバスが出るようです。そして防府南基地では土曜日に一般公開で基地開庁記念行事、航空教育隊司令部と第1教育群が置かれています。
Gimg_5414 レーダーサイト一般公開は、経ヶ岬分屯基地、高尾山分屯基地、下甑島分屯基地が行われます。経ヶ岬分屯基地は京都府京丹後市にある第35警戒隊の、高尾山分屯基地は島根県松江市美保関町にある第7警戒隊の、下甑島分屯基地は鹿児島県薩摩川内市下甑町にある第9警戒隊のレーダーサイトです。下甑島にはFPS-5が配備されているもよう。
Gimg_1677 経ヶ岬分屯基地は北近畿タンゴ鉄道宮津線網野駅から臨時バス、高尾山分屯基地は境港駅から臨時バス、下甑島分屯基地は甑島商船高速艇と臨時バス、公共交通機関では行き難い場所ですが、足を運ばれる際には必ずシャトルバスの時間と列車運行時間を必ずご確認ください。地上展示のほかリモートで飛行展示も行われるようです。
◆駐屯地祭・基地祭・航空祭
注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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