西島和彦さんが2月15日に亡くなったと新聞報道で見た。
NNG(中野・西島・ゲルマン)ルールで有名な方である。西島さんはイータ電荷と量子数に名前をつけたのだったが、これ現在ではストレンジネスという名の量子数として知られている。
Q=I_{z}+Y/2(Yはハイパーチャージ)の規則がいわゆるNNGのルールだが、強い相互作用ではストレンジネスSは保存されるが、弱い相互作用ではストレンジネスは保存されないという発見である。これが宇宙線中に見つかったV粒子の振舞いを説明した。
どうも素粒子の分野から離れて時間が経つので、記憶があいまいだが、こんなことだったろうと思う。
しかし、私が大学院生だった頃に勉強した彼の著作Fundamental Particles(Benjamin)の方の印象が強い。その後これをもっと場の理論的に取り扱ったFields and Particles(Benjamin)もよく計算に参照した。
わかりやい著作を書く人で、場理論の専門家というイメージのほうが強い。その後、紀伊国屋から「場の理論」いう本を出されているが、これは値段が1万円近くしたと思うのでもっていない。
NNGルールから坂田モデルを経て、私の先生たちの業績であるIOO対称性に行き着く。これがゲルマンのクォークモデルへとつながっていき、現在の素粒子の標準理論を形成している。
もちろん、南部の自発的対称性の破れの概念を取り入れたゲージ理論であることが重要なのであるが。