マダム・キュリーの書いた「ピエール・キュリー伝」(白水社)がある。
その中に訳者の渡辺慧さんの注だったか、それともマリー・キュリー自身が書いていたのか忘れたが、立体的に書く行列式の話が出ている。
普通、行列でも行列式でも平面にその式を書くが、立体的に3次元の形式で式を書くことはない。ピエールはこれを立体的に書くというようなアディアをもっていたらしい。そのアディアがどこかに生きているのかどうかは知らない。
ピエールの思考の独特さを例示する一例として出ていたのではなかったろうか。こんな話を記憶が確かでないのに書くと、コメントを先日頂いた「通りすがり」さんからまたご批判を受けそうである。
しかし、そのことはピエール・キュリー伝を調べれば、すむことである。
ピエール・キュリーはその伝記によれば、小さい時に学校には行かなくて家庭で教育を受けたという。そういうことが現在でも可能であるかどうかはわからないが、ピエールの子どもの時代にはまだ可能だったのであろう。
渡辺慧さんが「思想の科学」の創立同人の7人のうちの一人であったために、哲学者の鶴見俊輔さんはこの渡辺さんとも親しかったが、鶴見さんは戦争中に翻訳が出た、このピエール・キュリー伝は興味深いものだったと回想されている。
(2013.2.18 付記) 上記で立体的な、行列または行列式か記憶がしっかりしなかったので、今朝、「ピエール・キュリー伝」を調べたら、行列ではなくて行列式とあったので、行列式と言葉を確定しておく。