最近、ドイツでZuviが廃止されたことを知った。
ZuviとはZuvildienstの略で兵役代替義務である。ドイツではWehrdienst(兵役義務)があったが、それを良心的に忌避する人にこのZuvildienstが課せられていた。
ところが、数年前にドイツでもこの徴兵制度がなくなった。それに伴い、このZuviもなくなったらしい。
何十年も昔のことだが、当時の若者に聞いた話では兵役義務で8か月かの期間Bundeswehrにつく。そのときに機関銃を抱えて、何キロも行軍させられて、これはとてもつらいのだということであった。
だから、兵役義務の拒否者が出るのはどうもしかたがない。そしてそういう人たちのためにZuviがあった。
病院とか、養護施設とか介護施設でやはり8~10ヶ月働くことが義務付けらていた。ところが兵役義務がなくなったので、このZuviもなくなった。
兵役義務のことをKriegsdienstというと覚えていた気もしたのだが、この語だと今でもドイツはどこかの国に戦争を仕掛けるように他国からは思われるかもしれない。それで、多分いまではWehrdienstというのだと思う。自分の国を守るのなら、他国の市民だって文句はないだろうから。
その点、安倍首相が自衛隊を軍隊と名前を変えたいと言っているのはおかしな話である。彼の言だと、他国民が自衛隊を軍隊と言っているからといって、それに合わせるために軍隊と名前を変えたいというのは他国民の神経を逆なでするようなものだろう。
なぜなら、自衛隊という名は少なくとも侵略のための戦争はしないという宣言だからである。ところが軍隊と名を変えるのなら、どこか他国に出かけて戦争をしてもいいという意思表明のように思われるからである。
そういう微妙なこともわからない人には外交などはわからないであろう。