物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

プロメテウスの罠

2013-09-18 13:00:56 | 科学・技術

「プロメテウスの罠」とは本当は謂れがあるのだろうが、ここでは朝日新聞に載っている連載コラムを指している。いま「追いかける男」という題のシリーズが連載中である。

その第6回目は「原発って、怪物だ」という題であった。ここでは木村俊一、後藤正志、小倉志郎の原発に深くかかわったことのある元技術者がいわゆる「追いかける男」であるが、その中の小倉の述懐は

「大学で原子力工学をやっている先生には実感がつかめないんじゃあないかなあ。理屈で割り切れないことが現場にはいっぱい転がってるんです。極端なことをいえば、全貌を分かっているエンジニアは世界中に一人もいないと思います」

私の友人の物理学者のEさんが言うには、彼の知人に原発の建設とか運転にかかわった人がいるが、原発がトラブッタら、それをどこかに誰かに尋ねても的確な返事のできる人がいない。原発はそういう施設なのだという。

Eさんの主張はそうだろうと思っていたが、現に元東芝の原子炉関係の技術者であった、後藤、小倉の両氏と、東電の原子炉の運転者であった。木村俊一氏の3人の述べていることはEさんの話を裏づけるようで興味深い。

地震によって津波が来る前に原子炉が破壊していたのではないかと推測している人は多分彼らだけではない。西村肇先生などもその恐れを抱いている人ではないかと思う。

だが、まだ詳しくは西村さんの解析を読んだことがない。