マネキネマの例会で「天使の分け前」という映画を日曜に見た。
「天使の分け前」などというと物知りの方なら、ワインに関係したものだったかなとか思い及ぶかもしれない。そういうことは知っている方は相当の博学の方であろう。
私にはウム「天使の分け前」と聞いてなんだかワインか何かに関係していたなとしか思い出せなかった。
それでよく映画の案内のチラシを見たら、「『天使の分け前』とは、ウィスキーなどが樽の中で熟成されている間に、年2%ほど蒸発して失われる分のこと」とあった。
ウィスキーなどがと「など」とあるので、私が聞いたことがあったのは多分ワインの熟成の過程でのワインの蒸発のことを聞いたのだろう。
英語ではタイトルはAngel's shareとなっている。これをドイツ語ならどういうのであろうか。Teilung des Engelsという訳が思い浮かんだが、さて正しいかどうか。
ちょっと独和辞書を引いてみたが、そういう語句は載っていないようである。辞書にもその制約があるので、とても大きな辞書でもないと出ていないかもしれない。
映画はなかなか絶望的なスコットランドの若者の話であり、すこし違法なことをしてちょっとしたお金と勤め先を見つけるという話である。
とても高価なレアもののウィスキーを3瓶だけ仲間の3人とロビーという若者が手に入れることに成功するが、そのうちの一瓶は仲間がちょっとしたミスでその瓶を割ってしまう。
そこらへんが昔学生の頃に見たセッテ・オウミニ・ドーロ(Sette uomini d'oro黄金の七人)のようなだなと感じた。
「黄金の七人」では七人組の男が、銀行から首尾よくトラックいっぱい金塊を盗んだのに、南イタリアのどこかの都市で路上に止めた、そのトラックのブレーキがあまくて、坂をその金塊を積んだトラックが転がりだし、そのトラックから金塊が全部放り出されてしまい、自分たちの取り分はまったくなくなってしまうという話である。
この映画を思い出したが、彼らはそれでもまだ二瓶のレアもののウィスキーをもっており、それをコレクターに一瓶売って10万ポンドのお金を手に入れる。
ロビーはそれだけではなく、コレクターに蒸留所の職を世話してもらい、恋人と生まれたばかりの赤ん坊をつれて、新しく購入したフォルクスワーゲンで紹介された蒸留所に向かうという話である。
どうもまっとうなやり方でお金も職も手に入れたのではないところが気になったが、これはお話であるから、しかたがない。