「他人から見た武谷三男」というのは、徳島科学史雑誌に私が最近投稿した論文の題目である。武谷が晩年宇宙線実験(空気シャワーの分野?)のグループに肩入れしていたが、その宇宙線実験ではあまり成果が出なかったという印象をもっていた。
それで宇宙線実験はあまり科学の発展に寄与しなかったという印象をもっていると書こうと思っていたら、今年のニュートリノ振動の発見によるノーベル賞受賞である。よく考えてみたら、いや、よく考えるまでもないのだが、これも宇宙線による実験である。だから、私のどうも先入観は間違っていたということになる。
加速器の実験ももちろん業績をあげており、小林-益川のCPの破れの方の実験的検証は加速器による実験であったが、これで宇宙線の実験と加速器による実験の双方がそれぞれ日本人の受賞に寄与したことになる。
どうもそれだのに宇宙線による実験は影が薄いと思い込んでしまっていた。なんという思いこみなのであろう。
宇宙線の実験とはいうものの、なかなか定量的な測定をしているということである。定性的には宇宙線の実験はいいけれども定量的な段階になると加速器の実験に頼らざるを得ないと思い込んでいたという節が私にはあった。このニュートリノ振動の実験ではそのエビデンス(証拠)を得るのに十分であった。要するにどこに狙いを定めるか。これが結局大切なのであろう。
ニュートリノ物理の分野の専門家に言わせるといまや韓国や中国もこの分野に進出してきており、互いに競争であるらしい。だから日本のお家芸と言われてはいるが、早晩各国の競り合いとなるであろう。いや、もうなっているというのが正しいであろうか。
それで宇宙線実験はあまり科学の発展に寄与しなかったという印象をもっていると書こうと思っていたら、今年のニュートリノ振動の発見によるノーベル賞受賞である。よく考えてみたら、いや、よく考えるまでもないのだが、これも宇宙線による実験である。だから、私のどうも先入観は間違っていたということになる。
加速器の実験ももちろん業績をあげており、小林-益川のCPの破れの方の実験的検証は加速器による実験であったが、これで宇宙線の実験と加速器による実験の双方がそれぞれ日本人の受賞に寄与したことになる。
どうもそれだのに宇宙線による実験は影が薄いと思い込んでしまっていた。なんという思いこみなのであろう。
宇宙線の実験とはいうものの、なかなか定量的な測定をしているということである。定性的には宇宙線の実験はいいけれども定量的な段階になると加速器の実験に頼らざるを得ないと思い込んでいたという節が私にはあった。このニュートリノ振動の実験ではそのエビデンス(証拠)を得るのに十分であった。要するにどこに狙いを定めるか。これが結局大切なのであろう。
ニュートリノ物理の分野の専門家に言わせるといまや韓国や中国もこの分野に進出してきており、互いに競争であるらしい。だから日本のお家芸と言われてはいるが、早晩各国の競り合いとなるであろう。いや、もうなっているというのが正しいであろうか。