普通の人にとって微分と積分とのどちらが難しいと聞かれれば、積分の方が難しいというだろう。数学の初心者とあまり変わらない私などはそういう印象を持っている。
ところが、ところがである。少し数学に熟達した人たちは微分は扱い難いが、積分は扱いやすいとか言われる。たとえば、微分方程式は扱いにくいが、積分方程式は扱いやすいとか言われる。これは数学者で、「数学・物理通信」の共同編集者でもある、N さんなどはそういうご意見である。私などはそこまでのレベルに到達していない。
いつもアドバイスを下さる N 先生などもそういうことをおっしゃる。いつだったか微分演算子で議論をすることがあったが、N 先生はそれを積分表示で書けば、扱いやすいとのご意見であった。
要するに、そういうところまで私の数学の理解とか力が到達していないのだが、そのことが分かるくらいの数学のレベルにまだ私が達していないということであろう。
普通の人にとって、微分に対して積分が難しいと思われているのは、微分して導関数を求められる場合は多いのだが、逆に積分を求めることが必ずしもできないということに起因している。そのために数値積分とかモンテカルロ積分とかが存在したりする。
ところがそれはそうなのだが、微分方程式と積分方程式と比べれば微分方程式のままで議論すると議論が難しいが、積分方程式だと議論がしやすいのだと言われるような側面があるということだけは知ったが、それを具体的な問題でなるほどと納得するレベルまではいっていない。いつか、そういうことをきちんと知りたいと思っている。)