Rainy Seasonですね。梅雨というのですが、雨季といういいかたに味があるような感じがする。
ドナルド・キーンさんが雨が好きだと6月の岩波の『図書』に書いていました。中学校だったと思うのですが、国語の教科書に仏文学者の辰野隆さんが雨が好きだと書いており、あまり雨の好きではない私などはこの人はどうなっているんだろうと思っていました。
外で働く人はあまり雨が好きではないのではないかと思いますが、どうでしょうか。ドナルド・キーンさんは50年ほど前の雨の季節だったかに吉田兼好の『徒然草』の英語への翻訳をしたとか書いておられ、そのときのいい思い出があるようです。そしてそのときはご自分が吉田兼好になったような気がしたとか。
そういういい思い出をお持ちの方には雨の季節もわるくはないのでしょう。残念ながら、雨でびしょぬれ (get wet to the skin) になったわるい思いでしかありません(注)。雨でしっとり濡れた、どこかのお寺を訪ねるなどという風流な経験などはあまりないのだからしかたがありません。
(注)びしょぬれ get wet to the skin はもうはるかに私の中学生時代に覚えた英語表現です。私にも10歳代のときがあったなんていまでは自分でも信じられない思いです。