定年前の約10年間は工学部の電気電子工学科の所属であったので、その学生のために「電気工学科ミニマム」という数学の公式集というか、むしろ「反公式集』に近いという冊子を編纂発行していた。これは3年間にわたって続けたが、最後の発行年が2001年であった。ちなみに定年退職は2005年である。
1年目はわずか32頁だったが、2年目は59頁、3年目は83頁になった。取り扱った数学は1年目は「三角関数、指数関数と対数関数、微分と積分、Taylor展開、ベクトル解析」だけだったが、2年目には「フーリエ解析、微分方程式、複素数」まで広がった。
3年目には「偏微分、双曲線関数、デルタ関数」にまでテーマを広げた。さらに「逆双曲線関数」も取り扱ったが、これは数学の先生の助言で付録とした。はじめはlatexを使えなかったので、Mathtypeだかの数式入力だったのであまり見栄えがよくなかった。偏微分の章あたりからは latex が使えるようになった。
そこらあたりぐらいから式の見栄えが急によくなった。ベクトル解析のガウスの定理とかストークスの定理とかの証明をどう自分で書いていたか「ミニマム」を今日引っ張り出してきてみたが、もう少し親切に書かないといけなかったなと思い始めた。記述の内容が間違っているわけではないが、親切心に欠けるようでわかり難い、記述である。
もっとも最近ではインターネットで「物理数学」というか、「応用数学」というかそれらの講義ノートとかなどで立派なものが出ている。私の冊子のような貧弱なものは恥ずかしいくらいだが、やはり自分が手掛けたものはなかなか捨てられない。