これについてエッセイを書けるかもしれない。2009.12に『研究と実践』(愛数協)に「超幾何関数1」というエッセイを発表したが、この同じタイトルで2を書きたいと思いながら、そのエッセイを書く手がかりがまったくなかった。
そのうちに、いつか不連続関数は超幾何関数で表せないのではないかと思いついたが、それで思いつく関数はごく2つくらいのごく少数に限られていた。
ところが、不連続関数で簡単な式で表される関数もけっこうな数あるのに最近気づいた。
ということで「超幾何関数2」というタイトルになるのかどうかはわからないが、「超幾何関数1」の続きのエッセイが書けそうな雰囲気になってきた。
もっともこれにはグラフ付きで書かないとあまりよくはわからないであろう。
要するに私のもっていた課題というのはつぎのことであった。
(ソーヤー『数学へのプレリュード』(みすず書房)79からの引用)
「こんにち多くの大学で物理学科や工科の学生、ときには数学科の学生でさえもが学ぶ関数の100%といわないまでも95%が、このF(a,b,x)というただ一つの記号でカバーされるのが実状である。
この事実は何を意味しているのだろうか? 超幾何関数型以外の関数はないというのだろうか? 決してそうではない。その他の型の関数を書き下すこともきわめてやさしい。しかし、こういった点を説明してゆくと、ここで述べていることとはまったく別の方向に進んでしまうであろう」
この最後の部分の「超幾何関数型以外の関数とはどんなものか知りたい」。上述のように、ここまで書いた後で、何の言及もないとはソーヤーの本も罪作りなことである。
このことについては訳者の宮本敏雄先生も何の脚注もつけておられない。もし私が訳者なら、この注をつけられるまで、翻訳は中止にしたことであろう。
もっともそれでは仕事にはならないのだが。